治療日誌まとめ (2)薬局・主治医との関係
上の写真が今回の治療に当たって、
8か月間に飲んだ薬です。
8カ月でどれくらいの量の薬を飲むのか、
謙介、知りたかったので、薬のパッケージを全部残して
おいたんですが、 最終的にまぁ、これだけ、ということでした。
で、前にもお話しましたが、この白いパッケージ
がソブリアード(シメプレビル)、
こちらがレベトールです。
この二つの薬が劇薬指定の付いている薬でした。
今回の治療に当たって、結構重要な役割を
果たしてくださったのが、実は調剤薬局でした。
今や医薬分業ということになって
病院の中で薬をそのままもらえるところは
めっきり少なくなってしまいました。
そのくせ病院を出たら、横に調剤薬局があって、、、
なんだかパチンコ屋と景品交換所みたいだなぁ
といつも思ったりしている謙介なのですが。
謙介は基本的にはそれぞれの
病院の横にある調剤薬局ではなくて、
仕事場に近い場所にある調剤薬局で
ほぼ全部の調剤をお願いしています。
調剤薬局はやはりひとつのお店に絞るのが
本筋だったはずですよね。
そこですべての薬の相談とか、
いつ、どんな種類の薬を飲んだか、
という記録を残してあるとか、
そういう記録をもとに
日頃から薬のことについて相談できるというのが
医薬分業にした時の趣旨でしょ?
薬局の支払い明細見たことがありますか?
あれって単に薬や調剤の料金だけではありません。
薬代以外に薬学管理料というのを取られていますもん。
患者はそういうデータの蓄積のために
お金を払っているのです。
ですから、そういう自分のデータについて
あれこれ聞くというのは、
そういう意味で言えば
当たり前のことをしているだけに
すぎないのかもしれません。
ただ、現実としてひとつの薬局だけでは
いかない場合だってあります。
たとえば風邪をひいたとか熱が出て近くのクリニックに行って、
(さすがに風邪ひきでがんセンターは行きません)
すぐに薬をもらって飲まないといけない、という場合は
いつもお願いしている薬局は遠いので
もう一軒だけ、そういうときに行くクリニックの
横の調剤薬局を使うこともあります。
それからお年寄りの方があちこちの病院に行って
さらに調剤薬局に行くために移動しないと
いけないのはつらい、という場合もあります。
(最近では、薬を配達してくれるところもあるようですが
まだ一般的ではありません)そういう場合は
病院の横の調剤薬局、ということになるかもしれません。
ですが、謙介は基本的には1軒のところで
全部管理をしてもらっています。
もう10年くらいずっとそこでお願いをしています。
1軒の調剤薬局に決めておくと、
薬についていろいろと相談できるのがいいです。
「レベトール、お茶で飲んでもいい? 」とか
聞いても「濃いお茶でなかったらいいです」というふうに
答えてくれますし、以前に飲んでいた「ウルソ」
という薬は、乳製品とは一緒に摂らないように
という注意があったのですが、「ウルソをのむ前に
ヨーグルトを食べたんですが、大丈夫でしょうか?」
とか。そういうふうな質問だってどんどん聞ける
わけです。
関係が親しいと「こんなしょうもないようなこと」と
思うようなことでも、気軽に聞けます。
でも業務的な関係しかない調剤薬局だと
「そんなあほなこと聞いてもいいのかなぁ」とか変に
遠慮してそういうことすらなかなか聞けなかったりします。
それから一度、こんなこともありました。
薬を仕事場の街のほうの家に忘れて
実家に帰ってしまったのです。
どうしよう、と思って急いでその調剤薬局に電話をしたら、
「速達で送りましょう」と言ってくださって、
送ってもらったこともありました。
ソブリアードは1日1回の薬なので、
翌日中に着けばよくて、ちゃんと間に合いました。
(次の薬の時に、その送った分の量を引いて
薬を出してもらいました。)
緊急時にはそういうことだってやってもらえました。
そういうふうに調剤薬局をひとつに絞って
そこでおなじみの関係を作っておくと
そういう緊急時にも、じゃあ、こうしましょう、
と、柔軟に対応してくれます。
それから正規の営業時間外でも、
出勤の時に要る、と言ったら、
朝の7時半で薬をいただくことも
できました。
この調剤薬局は個人経営のお店です。なので
こういう細かな対応をすぐしてもらえるんですよね。
チェーン店の薬局ではおそらくこうした対応は
してくれないでしょう。第一、営業時間外なんて
誰もいないでしょうし。
ですから、あちこちの病院の横での
複数の調剤薬局を作る、というより
できたら一軒のお店にすべて集約して、そこで
自分の服薬情報の一括管理をお願いする、
としたほうが自分の記録のためにもいいと思いますし、
今回の治療でも何度も困ったことがありましたが
薬局の方の機転のきいた対応のおかげで
何とか乗り切ることができました。
ただ、個人経営の調剤薬局では問題がないわけでも
ありません。今回のように特殊な新薬を使う場合、
お願いしてすぐに行っても、
店に新薬の在庫がない、という場合があります。
(前回の時にありました。)
なので
がんセンターの中にそれぞれの調剤薬局あてに
処方箋をファックスで送信するカウンターで
いつも先に送っておいてもらうか、
謙介が薬局に電話をして、処方箋を読み上げて
先にお願いしたおいたりしました。
そういうことは気をつけないといけませんでしたが
やはり長期の治療ですから、
調剤薬局さんとも長い付き合いになりますし、
その中でなんでも聞けて、話せて、
の関係を作っていることが大切だなぁ、と痛感しました。
それからお医者さんとの関係ですが、
これは前回もお話したように、
やはり患者もその病気のこととか
治療についてよく調べて
知っておく必要があるように思いました。
特に、今回の治療は新薬を使いました。
まだ未知の副作用だって出るかもしれません。
(実際出ました。)ですから、患者の側も
いろいろと調べておくことも必要だ、と思いました。
ただその際に気をつけないといけないのは、
その情報が正しいかどうか、ですね。
やはり医学的なことですから
製薬会社のCM的なものとか、
民間診療というのか、胡散臭いものも
結構あります。やはり調べるときに
これは正しそう、こっちはちょっと???
とよく確認する必要もあろうかと思います。
肝臓学会の一般人用のシンポジウムとか
肝臓治療で名前をよく聞くお医者さんの講演会
とかの話はやはり参考になりました。
いずれにしろ、患者の側も結構勉強をして
自分の症状をたえずチェックする、という
姿勢はこの病気の場合必要だと思いました。
実際同じ病気で治療に取り組まれている方々の
ブログを拝見していても、肝臓医の講演会に
参加されたりして、今の状況についての最新の情報を
とるなどされている方もおいでで、やはり
お医者さんに任せて、という方法では
最終的に自分が困ってくることもあるように
感じました。
でも、病気を治す時は治療に専念する意味でも
正直、あんまり治療のこと以外で
気を煩わせるようなことはしたくなかったんですよ。
(主治医も治療に集中して、ほかのことはあまり考えない方が
いいです、とか言ったのですが。 そんなことはまったくできませんでした。)
のんびりと私は病人です、なんて言っていられるようなゆとりなど
全くなくて、今回の治療の間は結構難しい判断を迫られることも
多々ありました。
単身で仕事をしながら治療に通う、となると
そんなふうにのんびりしたようなことも言えず、、。
ですから、中央処置室の看護師さんに
「終わってよかったですね」って、最後の注射の時に
言われても、全然実感がなかったんだと思います。
その時謙介明日の仕事の予定とか考えていましたもん。
こんなことが今回の治療を通して思ったり考えたことでした。
以上で今回の治療のまとめとしたいと思います。
後は時々経過報告、という形で書いていきたいと思います。
長々とお読みくださってありがとうございました。
(今日聴いた音楽 ブルー 歌:渡辺真知子
京都の市電が廃止になったころに流行っていた
曲でしたね)
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