道具

08. 02. 05

製図用ブラシ

Burashi

これはいつも使っている
ファーバー・カステルの製図用ブラシ。

字を書いてね、って頼まれるとき、
あ、こまかいところは謙介に任す、っていう
すごくアバウトな人もいれば、
きっちり山のキチゴローさんのように
厳密にこのサイズで、ここに、何行何字でお願い
っていう場合もある。

それから、字の大きさは
これで、って向こうが指定してくることもある。

そういう時は6Hくらいの芯の堅い鉛筆で、いくつか
の重要な部分にしるしを入れたり、線を引いたりしておく。

あと、大体の字配りで、字の大きさの○をつけていくとか。

作品を書き上げたら、もちろんそんな線は消さなくちゃ
なんない。
ノートとかレポートを鉛筆で書いていて間違った箇所を消して
手でささっと払って、、程度のちょっとした範囲であれば
簡単な話なのだけど、直径が1メートルくらいある字
を何文字も書いて、その線を消す、っていうことになると
消すのも結構大変なのだ。

加えてその後に出来てくる
消しカスを、どう取り除くか、ということも
結構大変な問題になってくる。

そこでいつも使っているのが、このファーバー・カステル
の製図用ブラシ。製図用のブラシはほかの会社からも
結構出てる。たとえばステッドラーにも製図用の
ブラシはある。

それで、製図用品のお店に行って、
ブラシのタッチをさわってみたときに、こっちのファーバー・カステル
のほうが毛の質が強かったんだ。ステッドラーのは少し
やわらかい感じだった。

なぜ、ステッドラーにしなかったか、っていうと
使う紙が製図用のケント紙じゃなくて、俺の場合和紙、という場合が
あるから。毛が柔らかいと、消しゴムの細かいカスが紙の繊維に挟まって
取れにくい場合があるので、こちらにした。

材質の毛は山羊。(だから毛が強いんだと思う。山羊って強情だもん。
俺が右、って言ったら、絶対フン、っていう顔して、左だよ、
バーカっていう顔をする。)

このブラシで、書いた後、軽くササッと紙の上を払う。消しゴムのカス
がさっと取れる。それから握る柄の後ろが丸く滑り止めになって
いるから使いやすい。大きさも手になじみやすい大きさだし。

あ、それとね、このブラシ、製図とか浄書の消しゴムカス取りでけじゃ
なくて、パソコンのキーボードなんかのほこり取りに
使ってもなかなか良いの。

ちょっとマニアックな製品だけど、マニアックだけに
すごく細かいところまでよく考えて作ってるなぁ、って使ってて分かる。

こういう作った人の考えが使ってて分かる、っていうのか
作った人と無言のうちに、何か対話してるような気になってさ。

そんな道具が俺は好き。ブランドなんて全然興味はないけど
作った人間の思いとか、考えがそこに反映されているような
道具に、俺は心を惹かれるし、すごく興味がある。


先週、今年も卒業証書を書いてね、という依頼がきた。
また、このブラシが活躍する時期が近づいた。

(今日聴いた音楽 大阪LOVER  歌DREAMS COME TRUE
2007年 )

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