鄙の温泉に行く(2)
久大線の大分行き各停列車を、豊後森駅で降りました。
この駅で降りた人は、謙介を含めて5人でした。
久大線の駅のいくつかは、外国人観光客を意識して
おしゃれな構造の駅舎に改築しています。
例えば、日田とか、この豊後森もそうです。
駅舎は真っ黒け。(どうして真っ黒にしたのか
知りませんが)
この豊後森駅、今では、久大線の単なる駅でしかないのですが、
昔はここに蒸気機関車の整備を行う、豊後森機関区があって、
相当ににぎわいました。ですが今は、蒸気機関車もいなくなり
豊後森駅はいくつもある久大本線の駅の一つになってしまいました。
そうした鉄道の重要地点だった名残で、かつての森機関区の
蒸気機関車の扇型機関庫が残っています。
扇型の機関庫、今はもうほとんど残っていなくて、、
一般の人が見学できると言えば、京都の梅小路の
博物館の一角にある(以前の梅小路蒸気機関車館の建物)
のが見られるくらいですかねぇ。 ここの機関庫も
中の立ち入りは許されていません。機関庫の手前に柵があって
そこまでしか行けないようになっています。
この機関庫、残してはいますが、もう野ざらし状態で
荒れるがまま、という感じです。
観光施設にするには、金がかかるし、、かといって
資本投下したところで、その資本投下分に見合う
観光客が来るとも言えない、ということでおそらく放置状態
にしているのでしょう。それに壊すとなったら
それはそれでまた少なからざる費用が発生しますし、、
壊すに壊せない、ならば、まぁ放置かな、というJR九州の
意図が見えたような気がしました。
しかし、よく手入れされた場所に、荒廃した機関庫の遺物が
過去の栄光のようにおいておかれているのは、、
廃墟感がさらに増すような気がします。
この機関庫に付設して小さい資料館がありました。
中へ入ってこの森機関庫の沿革などを知ることができたのは
良かったです。
そんな見学をしているうちに、温泉行のバスの時間が
近くなってきました。
温泉方面のバスは、1日5便程度です。
豊後森から柿坂行のバスに乗ります。
バスは最初は町内の少し家々のある集落の中を走っていきますが
10分もすれば、山また山のような場所を通っていきます。
そのうえ、道路は急カーブの連続です。
そしていきなりカーブ前方から対向車が出てきたりします。
ドキッとする場面が2度ならず3度4度とありました。
非常に心臓によろしくない道路です。
あ、当然のことですが、乗客は謙介だけです。
バスに乗ること、40分で、目的地に着きました。
なるほど、集落が少しあります。
この集落の中に岩戸湯という小さい温泉があります。
温泉と言ったって、本当に小規模のものです。
入口だって、こんなの。
温泉というより普通の民家の玄関
みたいな感じです。
受け付けは2階で、お風呂は階下のほうにあります。
道路が高いところを通っているので、
お風呂は1階へ階段を降りて、という構造です。
洗い場は2つ。浴槽も人が3人入ったら、ちょっと窮屈
という(無理に入れば3人入れないことはないけど、、)
ような小さい浴槽なんですが、、
お風呂の片隅にお湯が出てくる管があって、そこから
お湯がゴボッゴボッというすごい音を立てて
出てくるのです。温泉です。
少し硫黄のにおいもします。お湯は透明ですが、、
お風呂には貸し切り湯もあるとはありましたが、、
雨天で、だーれも来る人もいなくて、、、
他の人が来ないのをいいことに、お風呂のガラス戸を
少し開けて外の風景を見てみたりしました。
目の前には、中国の山水画に出てきそうな
ちょっと変わった形の山が見えています。
遠くの山はもやがかかっています、、。
山はさまざまな木でおおわれていましたが、、
時節柄、山桜も咲いていて、、
桃源郷っていうのはこういうものかなぁ、とか
思いました。結局出たり入ったりを繰り返し、
40分ほど入っていましたが、、誰も来る人もなくて、、、
貸し切り湯のまま、入浴を終えました。
帰りのバスの時間までまだ30分ほどあったので、
ちょっと休憩をして、バス時間5分前くらいに
温泉を出ました。桜がきれいに咲いていました。
さて、バス停です。
バスの時間が来ましたが、、、
バスが来ません。
前の道は交通量はあまり多くはありません。1分間に自動車が1台くらい
通る程度です。
帰れなかったらタクシーでも呼ばないといけないのだろうか、、。
と思っているうちに10分が経過し、、
結局バスが来たのは15分くらい遅れてでした。
帰りのバスもやはり謙介だけでした。
(その割にバスが遅れたのはどうしてか???)
長くなりましたので今日はここで措きます。
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Comments
県北の名護市のバスターミナルで,そこの始発便が定刻を3分過ぎて乗り場に来た経験がありまして。
田舎だと,少々の遅れは大目に見てもらえるってところがあるんでしょうかね。
それはそれで,ギスギスしてないので,いいような気もします(笑)
・・・豊後森の扇型機関庫,全然観光整備されてなかったんですねえ。
貴重な遺構なので,整えてPRすれば鉄の聖地になってそれなりに人が来ると思うんですが。
Posted by: Ikuno Hiroshi | 24. 04. 13 PM 9:10
---Ikuno Hiroshiさん
バスを待っていたあの時、本当にバスがいつになったら来るのか、とドキドキしました。もしバスが来なかったら、タクシー呼ぶか? とか考えました。ちなみに謙介の住む街を走っている西日〇鉄道のバスは、市街地では安全確認をものすごく丁寧にするので、たいてい10分弱遅れています。でも、途中のバス停でお客さんがあまり乗らないために、通過ばっかりで、終点に着くころには時刻表通りの到着になっているということになっています。 豊後森の機関庫、梅小路の機関庫みたいに整備しろとは言いませんが、もう少し整備すればお客さんだって来るかもしれないのに、と思いました。
Posted by: 謙介 | 24. 04. 13 PM 9:54