巌流島
今日は朝9時半に家を出て、バスに乗って、
県庁所在地の街まで。
前もって時刻表を調べたら、ちょうど良い時間に
特急がありました。
この特急に乗って、到着が10時25分でした。
パルコの中の神戸〇で、パンを買って劇場に向かいます。
私鉄のターミナルから、劇場の最寄り駅までが、
微妙な距離なんですよね。
1駅なんですよ。ただね、今日(21日)は雨だったので、
地下鉄で行こうか、歩こうか、と思いました。
結果、そう雨も激しくなかったので、傘をさして歩きました。
私鉄のターミナルから、劇場まで歩いたら15分くらいです。
そう雨がきつくなかったから謙介以外にも
結構な人が歩道を行き交っておりました。
このところ暖かかったせいで、
街路にあった桜の木も花が咲きはじめていました。
ということで劇場到着です。
今日のお芝居は、「巌流島」。
もうタイトルからしてチャンバラのお芝居、というのが
想像できます。
前回は「女の一生」だったので、落ち着いた芝居でしたが
今回はそりゃ活劇になるでしょうとも、というような
タイトルでございます。
お芝居のチケットはスマホ画面に購入者の名前入りで
表示されて、それを入り口で見せます。そうしたら、丸いハンコの
ようなものを係の女性が謙介のスマホの画面に
タッチをします。そうしたらTHANK YOUという表示が出て
入場をした、ということになりました。
もうチケットレスの世の中でございます。(紙のチケット
記念に置いておきたかったのにぃぃぃ)まぁ世の中は
そんなことを許してくれないようなことになっています。
主演は宮本武蔵が横浜流〇で、佐々木小次郎が中村隼〇という
キャストでございました。
開演が11時半。それで、12時20分まで前半の
芝居があって、12時20分から50分までが昼食タイム。
(これが文字通りの幕の内ですね)
12時50分から14時30分までが後半の芝居
という時間ですね。芝居の始まる前にちょっと立ち上がって
周囲の席の状況を見ました。入りますと満員御礼のプレートが
掲げてありました。男女比は、女性8割、男性2割という
ところでしょうか。男性はやはり観劇料金がそこそこする
こともあってか、若い男子は皆無で、
おっさん度数の非常に高い状況でした。
(まぁ自分もそのおっさん度を構成している一因な
わけですが)
以下お話の概要です。
関ヶ原の戦いが終わって、世の中の流れは東軍の
徳川の世の中になろうとはしていましたが
まだあちこちに敗残侍がいて、そうした連中が
村々を襲い、折角百姓が作った米を強奪する
ということが頻繁にありました。
そうした米を強奪されるのを防ぐために
とある村が雇った侍の集団として
宮本武蔵と佐々木小次郎が一緒にいたわけです。
その年も秋になり、米の収穫がありました。
無事に倉庫に入れた米をやはりこの年も
徒党化した野武士が強奪に来たのでしたが
村から雇われた小次郎・武蔵たちが
その集団を征伐して、米を守りました。
ところが、米が無事に守れた、となると
その村の村長(むらおさ)は小次郎・武蔵たちは
用済み、とばかりに別の武士団に彼らの始末を
依頼します、が、その依頼された武士団を
征伐してしまいます。
村に用済みとなった集団は解散し
それぞれ散って行きます。
ここで前半が終了です。
客席で飲食可なので、
お昼の時間になりますしたので、
買ってきていた神戸〇のパンと
家から作ってきていたコーヒーで
お昼にいたしました。
前回、劇場内のパン屋でパンを買って
あんぱんをいただいたのですが、
肝心のあんこが全然おいしくなくて
しかも価格が高かったので、今回は神戸〇のパンに
したのでした。謙介、神戸〇のパンが
好きなんですよね。ここのパンは外れが
そうありません。それと、ここのパンは
食品添加物が少な目、というのも気に入っています。
食事をした後、包装していた袋を捨てに
ロビーに出たついでに、いろいろと観劇のお土産
を見てきました。食事のコーナーでは列ができていました。
やはり外でパンを買ってきてさっと済ませたのは
正解だったなぁ、とか改めて思ったりしました。
後半の芝居は、小倉藩の剣術指南役にまで出世した
佐々木小次郎と、剣の道に迷いを抱えつつ
生きている武蔵が(この間、もちろんいろいろな
葛藤やら、周囲の状況の急激な変化がありまして
最後、巌流島で決闘を行い、
小次郎が斬られて亡くなるまで、というところまでの
芝居です。最後の舞台は小倉だったり、巌流島だったり
するので、よく考えたら、地元が舞台になっている
芝居だったなぁ、と思いました。
(後半の芝居のあらすじは省略します。)
ですが、今回の芝居は本当に満足できるものでした。
最後、出演者の挨拶がありましたが、
文字通りの全員のスタンディングオベーションで
拍手がずーっと鳴りやみません。
一度、「巌流島の公演はこれにて終了です」という
アナウンスがあったにもかかわらず、もう一度、
出演者の舞台登場があって、さらに出演者からの
挨拶があったほどでした。
しかし、本当に役者さんというのは過酷な仕事だなぁ
と改めて思いました。21日は巌流島の公演は
一日2回あるのです。
この芝居、台詞を言っていなければほとんど立ち回りです。
もうこの芝居の中で、いったい何人の人が切り殺されたか
わからないくらいの大立ち回りの連続です。
一回公演するだけで大変なのに、それを一日2回も、
って、本当にこの仕事、好きでなければできない
仕事だ、と思いました。加えて映画と違って芝居は
撮り直しがききません。その芝居が良ければ、観客は
喝采をするし、良くなければ人気は落ちて行くでしょう。
それでも、ラストのスタンディングオベーションは
やはり舞台に立つ人にとってはこの上ない魅力だと
思います。最初の役作りから立ち回りの稽古、演出家に
怒鳴られ、物をぶつけられたりする稽古を経て
稽古が練られていって、最終のリハーサルから
舞台にかけて、いよいよ本公演が来ます。
そして幕が開き、本番が始まります。
全力で走り切った末のスタンディングオベーションは、
本当に身体じゅうを大きな血のうねりが駆け巡るのが
分かります。身体を貫くような感動があります。
それは観る側も演じる側も時間を共有できた者が
その瞬間に感じる大きなショックです。
芝居をやる人、舞台が好き、という人は、
その一瞬のために、その一瞬を感じたくて、
舞台をやっている、というような
ものではないでしょうかねぇ。
芝居を観てきて、そんなことをいつも感じます。
本当に役者さんは大変な仕事だなぁ、と
改めて思いながら劇場を後にしたのでした。
おまけの考察 劇中、最後の方、横浜流〇が片肌脱いで、(肩とか胸とか 肌を見せた状態)客席に降りてきて、通路を動く というシーンがあるのですが、(もう目の前に横浜流〇の 片肌脱いだ生身がある状態)これはやっぱり観客の 女性とか、同じく観に来ていたゲイのおっさんへの 「ある種のサービス」ということだったのでせうか。 すぐ横を通過していくのに遭遇してしまった おっさんなどは、ふとそんなことを考えたりしたのでした。
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Comments
横浜流〇くんは「極真空手で鍛えたボディ」が売り物ですから、当然のファンサービスでしょう
私は先日、京都の南座で花形歌舞伎を見てきまして、同じような客層(女性多い。男性は中年以上)でした
若い男性も何人かいましたが、大抵がロビーの役者窓口で切符を受け取っていて、出演者の友人や関係者のようでした
和服姿の女性や芸舞妓さんが客席にいるのが、いかにも京都らしかったです
Posted by: mishima | 23. 03. 22 PM 1:35
---mishimaさん
せっかく常設の芝居の劇場がある都市近くに住むことになったので、できるだけ機会をとらえて観劇の機会を持ちたいと思っています。大学の時も、バイト代を貯めては、京都会館とか南座、勤労者会館での芝居を観に行っていました。なんだか演劇熱再燃という感じです。やはり映画より芝居の方が演者の息遣いを直接感じられてよろしいですね。流〇くんの片肌脱ぎは、春の突然の眼福でございました。
Posted by: 謙介 | 23. 03. 22 PM 9:14