逃げること
先日、かつて「ファイトーいっぱぁつ」のCMに出ていた方が
亡くなった、というニュースを見ました。
それで死因を見たら、「縊死」とありました。
ということは自裁、ということか、と
思ったのですが、、。
謙介よりもその人は年齢は上でしたが、
結構50代後半から60代の人って、
こういう自裁で亡くなる人の話を聞くのです。
今からもう15年くらい前でしたが
実家のすぐ近所の50代の人が
やはり縊死で亡くなった、ということが
ありました。
この年齢になると、仕事もそろそろ
最後のまとめの時期に入ってきます。
まとめ、と言えば聞こえはいいですが、
会社によったら肩たたきもあるでしょうし、
半強制的に会社の人事異動を装っての系列の子会社に移れと
いう命令とかもあるかもしれません。
子会社への出向と言えば聞こえはいいですが
要するに放逐でしょう。自分の能力について、
会社が全く評価をしなかった、という落胆は大きいでしょう。
そして体力もなくなる。若い時のように無理はききません。
結婚していたら、子どもの独り立ちの頃でしょう。
それと同時に、うちもそうですが
親の介護の問題が起こってきます。
認知症の親の対応しているだけで、本当に消耗します。
認知症は脳の病気ですが、もう治らない。
昔のようにはきはきとして明晰な親ではない。
親のためと思ってやったって、怒鳴られて喧嘩になります。
そして実家の家をどうするかとかにはじまって
本当に片付けないといけない課題が山積です。
しかもその課題、ちょっとやそっとで片付くような
話ではありません。
そういう課題の答えだって簡単に出やしません。
ちょっと言い方は悪いんですけど、
50代後半で、浮気をするとか、薬物に手を出して
警察に捕まる人って結構多いんじゃないですかね。
旦那のいる女の人が、ホストクラブのイケメンのおにいさんに貢いじゃうとか。
50代、60代の人のこういう話があとを絶たない、というのは
1つにこの時期にいろいろと身辺の危機が起こるからでは
ないか、と思うんですよ。
そんな問題に真正面から向き合って真剣に悩みはじめたら
もうどうしようもなくなってしまうんじゃないかなぁ、と
思うんです。
今回自裁のニュースのあの、「ふぁいといっぱあつ」の方が
どういう問題を抱えていたのか、は知らないし、
自裁の理由も知りません。
しかし厳然とした事実として
66歳という年齢で自裁をされた、ということは
そこにあるわけです。
俺なんかから見たら、あの人のどこに問題があるのよ、
という気がするんですけど。イケメンで、身体を鍛えていて
俳優としても知名度のある方だったし、
ちゃんと仕事もなされていたようですし、
美しい奥さんもいた、ということですよ。
どこに不満があったの、ということですが、、、
どんな人でも問題を抱えているんですよね。
そんなもの、謙介なんかから見て、どこに問題があるのよ、という人でも、
ひそかに劣等感のかたまりだったり、
自分に人気がないとか、
自分の将来に大きな不安を抱えていたり、で、
その人のその人なりの不安や悩みを抱えているんですよね。
そしてどうしようもなくなって、本人の思いとしては
万策尽き果てたからこそ、自裁をしてしまう、というようなことに
なったんじゃないかと思います。
高校とか大学の同級生と話をすると、
たまにこういう気持ちの持ち方とか、
正直な気持ちの吐露、というのもあります。
こないだ話した同級生は、フィリピーナのおねいさんと
時々お会いをしているんだ、ということを
言っていました。
たまたまきゃばくらに行ったら、そのおねいさんの
情熱的なサービスにほだされた、というのかメロメロに
なってしまったんだとか。
多分20代とか30代の頃の謙介だったら
よめはんやこどもがいて、オマエ、それは問答無用で
あかんやろ、と言っていたかと思うのですが、、
今の謙介はニヤニヤして、「家庭を壊したらあかんぞ」
というくらいでした。
「わかっとる」との返事でしたが、、。
そいつは親が勝手にこしらえた借金を15年かかって
返しました。その一方である日、
会社から、いきなり子会社に行け、
と言われる業務命令があったり、、
親の介護のこともあったり、
で、はた目から見ても本当に大変だなぁと
思う人生でした。
何度か俺の前で泣いたこともあります。
彼が金融機関に下げたくもない頭を下げたり、
親のために謝らないといけない場面にも何度も遭遇した
ことを俺は知っています。
本当に大変だったなぁ、と思います。
まぁだからと言って、きれいなおねいさんに
うつつを抜かすというのは、、許される行為
ではない、ということではありますが。
でも謙介は決して彼を責めたり
そんなん止めてしまえ、とは言えないのです。
人生上の問題に対して
真剣に向き合った末に自裁を選ぶようであれば
少々片目をつぶるから、
したたかに立ち回って生きていて欲しい、
そう思います。逃げて逃げて逃げまくって
俺はいいように思います。
啄木さんは、友人の金田一(京助)さんに
生活費としてお金を借りて、そのまま遊郭に行って
女の人と寝ちゃった、ということが日記に書かれています。
ついつい遊郭に行って女の人と寝ちゃうんだそうで、、。
そんなんあかんと言えばあかん話なんだけど、でも、それが啄木さんの
「逃げ場」だったのでしょう。
まぁ最近は、こういうの、って社会的常識に
照らし合わせて、ダメ、っていうことになるんでしょうけれども、、
でもなんでもかんでも曇り一つない潔白でご健全方向だったら、
人間って疲れるのよ。
きっと今の世の中、謙介のこんな考え、問答無用でダメ
ということになりはするんでしょうけど、、。
そういうダメなグダグダな生き方も併せ吞むというのが
本当は成熟した社会のような気がするんですけどねぇ。
え? そんなことを言うのはオマエもグダグダやからか?
とか言われそうですが、、
そうです。そうです。もう本当にろくでもない
グダグダの人間なんだと思っています。(笑)
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Comments
死因、公表しないで良いと思いますけどね。
病死や事故死だけ公表すると、「死因が公表されないから自死じゃないか」みたいに憶測されてしまいますから、「原則公表しない」が良いのかも知れません。
ただ、この方は妻も芸能人ですから、「悲劇の未亡人」の物語づくりで公表したのかも。未亡人はそんなこと思っていなくても、周囲がそんな演出を画策するのが芸能界なんじゃないかなと思います。
Posted by: mishima | 22. 05. 10 PM 12:02
----mishimaさん
いろいろと詮索好きな人もいますからね。亡くなったら亡くなったことだけ報道して、そっとしておく、ということがなかなかできませんね。遺族のところまで行って、やれ今のお気持ちをお聞かせくださいとか、今後はどうされますか? とか、報道している側も、単に興味本位で人のプライバシーを暴いている、というようなとこrが見受けられます。 そんなの、ほっといたらよかないですか? と思うんですけど、、、。
Posted by: 謙介 | 22. 05. 12 PM 4:42