本屋で読書相談?
7月31日の土曜、JRに乗って、県庁所在地の街まで
出かけておりました。
で、そろそろ帰ろうか、という前に、駅前のバスターミナルの
上にある紀伊國〇書店に行ったわけです。
で、行くと、まぁ性分なので全部のコーナーを経めぐる
ということになるのですが、、。
で、謙介、仏教書のところで、しゃがみこんで
空海の著作集の本をまぁ見ていたわけです。
高野山に行くたびに、いつかは空海の著作を
まとめて読みたいとは思ったりするのですが、、
ただ、密教の場合は、「おまはん、本を読むだけでは
いかんので。 しゃんしゃん修行せんといかんのやきんな」
(空海の出身の西讃岐の方言で書いてみましたけど)
ということで、空海の著作を読み、かつ、経を唱える
修行を行う、という実践をしないことには密教は
分からない、ということになっております。
だから、ついつい逃げ口上で、修行もろくに
しないではいけないしなぁ、、、本を読むのは
その後かなぁ、、とか、考えたりするんですよね。
とはいえ、まぁそこに空海の本があったので
手に取って見ていたわけです。
そうしたら、ある女性(多分謙介と同い年位の)
全然知らない女性が声をかけてきました。
九州の人って、そういうことにあまり躊躇しません。
自分が知りたい、分からない、となったら
近くにいる見ず知らずの人でも
ぱっと聞いてきます。
謙介、九州に引っ越してから、何度道でいろいろな
ことを聞かれたか。
キャッチセールスの導入のための質問とか
宗教勧誘のための質問とかじゃなくて、です。
なので、ああ、九州の人はこういうことを
普通に聞いてくるんだ、ということを
理解しました。 これを立場を違えて
考えれば、フレンドリーということにも
なるのでしょうか。
あのやたら口うるさい活動的な
大阪のおばちゃんでも、謙介は話しかけられたことが
ないのですが、九州に来てからはよくあります。
「実は、私の母が、もう〈最終的な段階〉なんです。
私、それをなかなか受けいれられなくて。
何かこういう時に読んだらいいような本はありますか?」
という質問でした。
これには非常にびっくり、というのか驚愕いたしました。
見ず知らずの他人に、いきなりこんな重たい質問を
してくるか、と、驚きました。
ですが、こんな見ず知らずの人間にさえ、
問うて、解を求めたい、本当にわらにでもすがるような
心持であったのだろうと思いました。
謙介は、その話をお聞きして、その書棚にあった
本をパーッと見てみました。 日常の中での生き方の
改善、というようなことで読んだらいいような
宗教関係の本は確かにありました。(というのか
そんな本ばっかり)しかし、端的に今ここで悩んでいる
という人を前にして、これを読んだら、多少は心が救われる
という本はありませんでした。いずれも即効性は
なさそうな本ばかりでした。
この辺の本は、、「読んだからすぐに心が軽くなる」
とか、「気持ちが晴れる」という本はあまりないですね。
というようなことをお話しました。
「この辺は、臨済とか曹洞の禅関係の本が多いのですが
それもちょっと、、」
「あら、お詳しいのですね」
「なーんもお詳しくなんかないんです」
その後も、いくつかの会話のやり取りがあって
結局その人は、「ありがとうございました」
という言葉を残して立ち去って行きました。
謙介は、ずっしりとした宿題をその女性から
与えられてしまったような気がして、、
どういうふうにお答えすればよかったのかなぁ、
と、今もずーっと考えています。
本人もいなくなってしまったし、
おすすめの本を言おうとしたら、もっと
彼女の話を聞かないといけなかったでしょうし、
でも、それはちょっと、、謙介はそういうお役目の
人間でもありませんし、もしそういうふうな
図書館での読書相談係だったとしても、
それは答えに窮するような問だったでしょうし、、。
そんなことがぐるぐると頭の中で回っていて、、
簡単に解の出そうな問題ではない、のですが、、。
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