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21. 08. 30

「う〇こ」じゃないやつ(その1)

のっけからすみません。いきなりのタイトルでございますが。
でもこんなこと言ったのは、謙介じゃありません。
謙介のかな書の先生だった上嶋茂〇センセイですよ。

上嶋先生、かなを書く時のポイントして、墨の濃淡のほかに
墨の潤渇、ということをいつも言われました。
墨の濃いところ、その対極のかすれ、その両方が
調和したところにかなの書の美しさがある、ということでした。
(まだほかに、字の間、とか配置とかもおっしゃいましたが)

その逆に、濃い墨ばっかり、かすれのない字のことは
「う〇こやね」の一言でばっさり切っておしまいでした。
毎回の授業、最初に先生の書に対するお話があった後、
学生各自の書いて来た作品の添削指導があったのですが、、
その時、濃い墨ばっかりで、かすれがないと、
「♬ う〇こ、う〇こ、うんうん う〇こ」
と即興のう〇この歌を歌いながら
「こんな墨ぼたぼたの字ぃ。書いてたらあかんで」
というのが常でした。


先生の即興のう〇この歌、もう吹き出してしまいそうで、
近くの机で書いていて、笑いをこらえるのに
苦労した記憶がありました。

その先生が、「ええなぁ」と言っていたのが
高野切、寸松庵色紙、粘葉本和漢朗詠集
あたりの作品でした。
その先生のお眼鏡にかなった粘葉本和漢朗詠集が
近所の博物館に出張展示されている
(会期は明日 29日まで!)
ということで、万難を排し、万象を繰り合わせて
(おっさん、言うことがいつも大げさですけど)
博物館まで出かけたのでした。
この「粘葉本和漢朗詠集」かな書道か図書館学でも
やっている人間じゃないと読めないようなものですが、、
「でっちょうぼん わかんろうえいしゅう」と
読みます。
粘葉本、というのは、製本の形式の一つで、、
どんな本かと言えば、日本国語大辞典によると、

 印刷または書写した一枚の紙の文字面を
 内側に中央から二つ折りとし、その折り目を並べ重ねて、
 折り目の外側に糊をつけ、各葉を接着させて一冊とする。

製本形式の本なのです。 糸で綴じずに糊で貼ったので
その部分を虫が食べていって、あまり長期保存に向く
製本形式ではありませんでした。なので廃れてしまったんですけどね。

和漢朗詠集を書いた後、その粘葉本形式で綴じたものが
この粘葉本和漢朗詠集、というものです。
これは、宮内庁の所蔵なので、めったなことには実物を見ることは
できません。今回も特別展示ということで、やってきたものだったのでした。
長くなりました。今日はここまでといたします。

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