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21. 08. 15

水に対する備え

5日間続いた雨はようやっと今朝がた、やみました。
謙介の住んでいる場所は、古くからの道路に
面したところなんです。
昔の人は、水害というものをたえず念頭に置いて
さまざまなことを考えていました。

道づくりもそうですね。
地形的にはどうしてもその場所に作らないといけなくて
水害に遭うという場合もありますが
旧街道って、水害に遭わないような
場所に通っていることが多いです。

街づくりもそうです。
江戸時代からの集落の場所は、比較的、
大水に遭いにくい場所に町を作っています。
それで、大水の来そうな場所には、田んぼを作った
わけです。

大水が田んぼに来ると確かに育てていたその年の
稲はダメになるかもしれない。
でも、上流から大量の肥えた土が流れてきますから
自然が勝手に土地改良をしてくれるわけです。
だもんで大水の翌年は豊作だったりする。
そうしたことも計算に入れての田んぼづくりをしていた。

大阪の阪急京都線の駅に相川という駅があります。
川の名前としては「安威川」ですが、
これとてもとは「合川」という川と川の合流地点。
駅は神崎川と安威川の合流地点に
あります。つまりは、ここは大水が出ますよ、
という注意喚起の地名だったのでしょう。
以前に、延喜式という平安時代の記録に掲載されていた
神社の位置について少し調べたことがありましたが、
その立地のほとんどが川筋とか、川の合流地点から
そう遠くない場所に作られていました。
やはりこうした大水の被害を神さまに祈って
少しでも軽減していただこうと古代の人は
考えたのでしょう。で、さすがだなぁと
思うのは、こうした古いお宮は、そうした川筋には
造られていましたが、お宮のあたりだけは
大水の被害から守られるような地形のところに
造られているんですよね。昔の人の土地を見る目の
すごさは本当に感心してしまいます。

まぁ、こうした被害が出るたびに、謙介は
そうした伝承を、非科学的とか迷信、あほらしい、
とか言って一顧だにしなかった結果だろうなぁ、
と思います。

確かに昔の人はこうした自然現象がどのようなからくりで
起こるのか、という知識はなかったかもしれませんが
災害に遭って痛い目をしてきた、という実体験は
山ほど持っていたわけで、、、そうした実際の経験に基づく
対策とか知恵は十分な蓄積があっただろうと思います。
結局今風に言えば、過去のデータを活かすことは十分にやっていた
ということなのでしょう。

5日ぶりに雨の止んだ空を見て、改めてそんなことを
思っていたのでした。

おまけ・今回、九州に住んで、それまで聞いては知っていた
線状降水帯の雨になったらどうなるか、ということを
実体験することになりました。
広島で大雨が降ったというニュースがありましたが、
九州の雨がそのまま東に行ったら広島を通過することに
なるわけで、、そら、広島も当然大雨になるわ、
という理屈が今回分かったようなことでした。
(まぁ理屈が分かったから、大雨から逃れられると
言うことでもないですけど)

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Comments

今回の大雨で一番驚いたのは、京滋の県境の国道一号線の土砂崩れです。14日に発生して通行止めとなり、17日も復旧作業中で通行止めが続いています。平行する名神高速がこの区間だけ無料開放され迂回路となっています。
ここは逢坂の関として古くから交通の要衝で、近くに抜け道がないんですよ。関所だから抜け道がないのは当然なのですが。一日も早い復旧を祈っています。

Posted by: mishima | 21. 08. 17 PM 4:41

 ・・・また前線が北上して雨雲がかかるということですので,くれぐれもお気をつけて。

 現代の田圃は,人工肥料などで維持してますから,溢れた川の泥水での施肥は,余計なお世話!なんでしょうね・・・。
 エジプトでも,アスワンハイダムの建設でナイル河の定期的な増水が衰えたせいで,畑の地中の水分が減った上に地力も衰えを見せているそうです。
 これで更に上流のエチオピアでのダムが本格稼働したら,どうなることやら。

Posted by: Ikuno Hiroshi | 21. 08. 17 PM 8:36

---mishimaさん
 あーそうなんですか。九条山の辺とか谷が深いですから、崩れたんですね。とはいえ、名神だって、大津インターの前後、いつも渋滞ですよね。(過去に何度も通りましたが、渋滞でなかった時がない)ということは、京滋間の道路、激混み、ということですね。大動脈の道路ですから、おそらく工事の人も突貫工事でされると思いますが、、早くに開通していただきたいですね。

Posted by: 謙介 | 21. 08. 18 PM 10:26

---Ikuno Hiroshiさん

 市内いたるところで氾濫している状態です。もうね、お天気が30分おきくらいに目まぐるしく変わります。 ちょっと前まで薄日が射していたのに、外が真っ白になったかと思ったら、雨が降り出して、、30分くらい降ったら、またさーっとやんで、この繰り返しです。実は今も外は雷が鳴って、ピカゴロのさなかです。明日は晴れ、という予報なんですが、、本当かなぁ。九州北部は、雨が多いですから低温です。ここ10日くらいの間、除湿モードにして少しエアコンを動かしましたが、それも2日くらいです。おそらくこの気温と日照ではお米の出来に影響するんじゃないでしょうか。雨が多くて稲の根が腐りそうになったら、根腐れを防ぐためにじゃんじゃん農薬をまくそうです。前の前のアパートの大家さんが教えてくれました。「雨が降ったら農薬撒いといたらえんよ。これで枯れんようになるから」だそうです。でも、そういう作物、あんまり食べたくないですね。仕方ないですが。

Posted by: 謙介 | 21. 08. 18 PM 10:35

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