簡単に「伝承」と言うけれども
3月11日。
え? 本当にあの日からもう10年が経ったの? という
思いを何度も反復しながら過ごしました。
東北の被害に遭った方々のお話で
その前の暮らしを取り戻すことができたら、
というやり場のない思いが今も何度となく
繰り返される、ということを聞きました。
それまでの家族そろった普通の毎日がその日を
境に断ち切られた、ということもあったでしょうね。
いまだにその思いを考えると言葉に詰まる
ということがあります。
今の自分ができている微々たる協力は、福島のお米を毎日
いただいていることくらいなのですが、、、
本当においしいお米です。
災害を語り継ぐ、ということは
当然しなくてはいけないことではありますが、、
難しいことでもあると思います。
ここでも何度も「隈」のお話をしました。
万葉集にも出てくる「みちのくま」は
カーブの繰り返される難所、という意味でした。
川にその「隈」がつけられているということは
その川は曲がりくねって流れるので、
しょっちゅう氾濫しますよ、という伝承を
昔の人が伝えたくて、命名した河川名のはずでした。
しかし、今や球磨川も阿武隈川も千曲川も
川の両岸には多くの方々が住んでいます。
それが現実です。
地名ということもありますが、
古いお社がある場所を(延喜式の式内社)
見ていくと、面白いことがわかります。
そういうお社の建っている場所は川の合流地点とか、
水脈の重要地点だったりしています。
昔から「水」の問題が人々にとって
どれくらい需要だったか、わかる位置配置です。
昔の人の注意喚起がどこかで
忘れられてしまったのか、
考え方が変わって、そんなもの、非科学的で
何の根拠もないじゃないか、ということに
なったのか。
謙介、大学生の時に地名が災害と結びついている、
ということに気が付いたんですよ。
もうウン十年も前です。(笑)
民俗調査をしてたときにね。
それで「隈」のこととか
いろんな人にその話をしてきたんですが、
たいていの人はニヤニヤするばかりで
まともになんて聞いてくれませんでしたね。
中にははっきりと、そんなもの、くだらない、興味もない
と言った人もいました。
今まで伝わってきていたことを
これからの都市計画に生かす方策だって
必要なはずなんですけど。
それもできていないですし、、
本当に伝承を将来に伝える、というのは
難しいと実感を込めて思います。
いうのは至極簡単なんですけどねぇ。(微笑)
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