« 引っ越し作業(その3) | Main | 引っ越し完了 »

20. 07. 05

国文学的に言うと

最近、毎年のように梅雨末期になったら大雨が降って、
大水が出て、大変な被害が出ます。

今回も熊本で大変な被害が出ました。
先年の地震、今回の大水、重なって被害を
受けられた方も大勢いると報道に接しました。
お見舞いの言葉もみつからないです。

謙介なんてできることは大したことはできませんけど
何かお力になれるようなことをしなければ、
とは思っています。

さて。最近古典から、災害を学ぶという学問が
生まれつつあるのだ、ということを聞きました。
でも、それも難しいことだなぁ、と謙介は思います。

今回は「球磨川」で氾濫が起こりました。
ここではもう何十回とお話してきましたが、
最近の大水は「くま」の付くところで起こっています。
阿武隈川 千曲川 球磨川 です。
この「くま」ですが、「千曲川」で、お分かりのように
カーブしたところ、という意味があります。
ですから、大雨が降って一気に川の水が増して
どーっと流れた時、そのカーブを無視して、
直線に水が流れようとします。
そこで氾濫が起きます。

千曲川も阿武隈川も球磨川もみんなカーブの多い
蛇行した川です。 だから昔の人は、そういう氾濫を
起こす川ですよ、ということで、「くま」(漢字表記は「隈」)
を充てたのでした。

熊本も、今はくまもんが出てきて「熊」方向に話が行っていますが
本来は「隈本」だったはずです。

地名から川がくねっていて大水が出やすい
場所だった、ということが読み取れます。
そういう土地だったから、加藤清正がわざわざお城を作った、
ということも言えます。

昔の人は、お米作りをしていました。
時々上流から土砂がバーッと流れてくることは
家の被害も出ますが、上流の肥えた土砂が流れてきて
土地改良が一気に進む、ということでもあったわけです。
そういう被害も半分は織り込み済みだった、と
思います。だからそういう大水が出る場所です、
ということで「くま」の付く地名にしたのですから。

ところが、たまたまここ数十年大水が出なかったのでしょう。
謙介は、昔の人がそういう「くま」のついた地名にしていることから見て
大水がしばしば出ていた場所と考えます。
ですから、大水の被害をあまりに未曾有なこととも思えないのです。

で、古典から言えば、
「くま」のついた地名のあたりには住んではいけない、
ということになるのですが、
そんなこと言われたって、今現在、そういう川の沿岸地域にも
たくさんの人が当たり前のように住んでいます。
じゃあ、そういう地域での大水の被害をどうするのか、
となったら、それは現代の水防対策ですよね。
古典を今の災害に生かす、と言っても難しい、
というところがあるなぁ、と痛感しています。

|

« 引っ越し作業(その3) | Main | 引っ越し完了 »

おべんきゃう」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« 引っ越し作業(その3) | Main | 引っ越し完了 »