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20. 04. 21

「不要不急」

「不要不急」

最近、この言葉よく聞きますね。
謙介、正直に言いますが、毎週県をまたいでの移動をしています。
このブログを長年お読みの方は
みなさん、お分かりいただいていると思うのですが
施設に入っている親の状態を見に、どうしても
帰って、という移動をしています。

最初、まだこれほど事態が切迫していなかったころから
(今年の2月くらい)すでに両親の施設は
面会禁止、ということになっていました。
そういうこともあって、何週か面会に
行かなかったのです。 いや、正確に言うと
施設には行っていたのです。
おやつの時間に渡す茶菓子を持って。
それで会わずに帰っていたら
ある日、オフクロが、施設の人に
「最近、息子が全く会いに来ない」と言って、
息子に会わすまで、エレベータのところで待っている
というような実力行使に及んだのだとか。

それを施設の人から聞いて、
そこまで言うのかなぁ、とただ単に不思議に思ったのでしたが、、
それで、1か月に1度、15分程度、ということで
実際に会う、ということになりました。

それとか1週間帰っていませんから、郵便物とか
宅配便とか、留守の間のチェックということも
あります。 用事がありますからねぇ、
ということで毎週、ドキドキしながら移動を
しているのです。

不要不急、というと、この写真のようなものが
その語源、ということになりますか。

Img_8198

太平洋戦争直前に、戦争に必要な物資、
(中でも特に鉄だの銅だのという金属関係ですが)
そうしたものが日本と諸外国の緊張関係を背景に
日本に入ってこなくなりました。

入ってこなくなったら、今度は自国内でかき集めなければ
なりません。そこでまず手を付けたのが
鉄道でした。日本全土の鉄道のうち「不要不急路線」
をピックアップして、その路線を強制的に休業
(という名の実質廃止)にして線路を取り外して
それを軍事の資源に投入する、ということを
したのでした。
ここで「不要不急」という言葉が出てきました。

写真は阪急の桂から嵐山に向かう路線ですが
右側の線路が外されているのが、お分かりかと
思います。戦前に嵐山線ができた時は
全線複線だったのですが、不要不急路線の
指定を受けて、片方が外されてしまい、
単線になったのでした。
それでもこの嵐山線なんかは、かろうじて単線で
残ったからまだいい方です。

物見遊山のケーブルカ―なんか、高野山のように
生活路線は外されませんでしたが、京都の愛宕山に
のぼるケーブルとか、四国の屋島にのぼるケーブルカーは
線路を外されてしまいました。

屋島は戦後復活しましたが(今はまた一応休止)
愛宕山は復活することはありませんでした。

軍事用語が、長い時を経て
また復活したなんて、皮肉なものですね。

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Comments

「海外からの観光客が減って、京都の観光地はどこもすいている」と聞いて、2月の連休に嵐山に行きました。嵐山線に乗りましたが、たしかに単線でした。
わずか2ヶ月前のことですが、あの頃はマスクをする程度でのんびりしてましたね。
高齢者施設の面会制限、何ヶ月も続くと大変ですよね。
小学校休校で「子どもの世話のために勤務できない親」が問題になりましたが、高齢者の通所施設休業で「親の世話のために勤務できない子ども」が出てきているそうです。
一日も早く病気の流行が収束して欲しいと願っています。

Posted by: mishima | 20. 04. 22 PM 12:44

---mishimaさん
 この時期ですから、遠距離介護をやっている人間は、結構多いと思うんです。 そのうえ、今はデイサービスも休止になっているところも多いと聞きます。ディサービスに行ってもらっている間、家族は自分のことをしたり家のことをしたり、できるのですが、その休みがないので、24時間ずーっと介護をしなくてはいけない、ということになります。お風呂に入れるとか、食事の世話、本当に大変だと思います。そういう家も少なくないと思うんです。本当にmishimaさんのおっしゃる通りです。一日も早いコロナの収束を願います。

Posted by: 謙介 | 20. 04. 22 PM 9:28

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