まぁ、ずーっと続くんですけどね。
即位礼正殿の儀が22日にありました。
天皇の即位儀礼、というのは
前にもお話しましたが、ずーっと続きます。
いや、続くというのはちょっと表現がおかしくて
今年だけの儀式と、来年以降も続けられ、毎年毎年「繰り返される」儀式と
2種類があります。
前にもお話しましたが、この「繰り返す」ということが、日本の古代においては
大切な意味を持っていました。
毎年毎年、決まった時期に決まったことをすることで
その力を(今風に言えば)チャージしていましたし、
一回で終わらせるのではなくて、繰り返して
行うことで、その力をより強く確かなものにする、
という意味合いがありました。
「弥栄」なんて、それを具現化したような言葉ですよね。
単に栄える、というのではなくて、よりいっそうますます栄える
のです。「栄える、」という状態が「いくつもいくつも
重なった状態」「いよいよいっそう栄える」
こういう状態を昔の人は「めでたい」と思って
喜んだわけです。
言葉でもそうですね。
『万葉集』にも「つらつらつばき」
なんていう言葉が出てきますけれども、
同じ言葉を繰り返して言うことで、
言霊の力をより強くしようとしたわけです。
謙介なんかは、そういう繰り返しということに
古代の人の意識が反映されているなぁ、と
思ってみておりました。
5月に剣璽等承継の儀が行われて、
10月に即位礼正殿の儀があって
11月におほにえのまつり、大嘗祭が
あります。で、来年以降はこの大嘗祭が
新嘗祭と名前を変えて行われます。
以下の話、もう何度もしていますが、
ちょっとお付き合いくださいね。
今は新暦になりましたから、大嘗祭にしろ
新嘗祭にしろ、11月20日前後に行いますが、
(というのか、新嘗祭は11月23日ですね。
もともと新嘗祭だった日を「勤労感謝の日」という
名前にしただけですし、、)今年の大嘗祭は
当然旧暦ですと、12月20にごろ、ということです。
そのころには冬至があります。
冬至というのは昔は当然旧暦でしたから、12月の20日
ごろですね。 つまり昼の時間の一番短い日、
太陽の勢いが一番弱い日、です。 天皇家は
太陽信仰です。天照大神の子孫、ということですから。
その太陽の一番弱い日に、このヤマトの国で
採れたお米をいただいて、力をチャージする、
というのが、大嘗祭であるし、新嘗祭、ということです。
この儀式は、毎年繰り返されます。
大嘗祭で天皇が召し上がるお米は、
悠紀の国と主基の国からの献上のお米です。
悠紀の国は京都以東の都道県から選び、
主基の国は京都以西の府県から選びます。
今年は主基の国が京都でした。
謙介が学部の時に古文書読みのバイトに通っていた
南丹市の八木のお米が選ばれたとか。
八木は園部川の川沿いです。
スーパーで、「男前豆○」というお豆腐を見たことが
あるという人もおいでだと思いますが、
その工場のあるのが八木なんですよ。
よい水の流れるところです。
謙介の場合、即位儀礼を見るの、って
どこまで、古式に忠実で、どこから力を抜いたか 現代風に改変してしまったか、の確認作業でしか
ありません。ああ、この部分をこう変えてしまったのね、
とか。
22日の朝の9時頃だったか、NHKのラジオで
万葉集のなんたらかんたら、という番組をしていたのです。
聞いていて、その番組に出てる人、
根本的な間違いをしている、ぞ、と思いました。
その番組に出てた人、どうも万葉集って天皇の命令で
作られた歌集、だと思ってたんじゃないか、
と思いました。 「いろいろな階層の歌が収められて
いるのが、珍しいことである」というような言い方を
されていたのですが、、、。
何度も言いますが、万葉集は、別に勅撰集では
ありません。プライベートな個人の歌集です。
みなさんだって、好きな歌とかあるでしょ?
ジャンルにこだわりますか?
ジャズだって演歌だって、クラシックだって
長唄だって端唄だって、いいものはいいでしょ?
個人の歌集なんだもの、自分の好きな歌のコレクション。
それだけのことじゃないか、って思うんですが、、。
どうも話を聞いていて、万葉集についての
その一等肝心な部分の理解が全くされないまま
だったんじゃないか、ということを思いました。
いろいろなことを見たり思ったりした
10月22日だったのでした。
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