いまいちど、読書感想文について
この時期、うちのブログ、突然にアクセス数が
通常の5倍くらいに増えます。
で、何のページを見ているのか、
と見たら、読書感想文の書き方なんです。
でね、一番多い検索の組み合わせが
「ファーブル昆虫記」と「読書感想文」
っていうの。
本当に多いんです。
ファーブル昆虫記で読書感想文を書きなさい、
とかいう課題が出たのですかね。
もしくは宿題を出された生徒さんが、
ああファーブル昆虫記だったら、
名前聞いたことある題名だし、
あれで適当に書いといたらええのちゃう?
とかいうことになって、安易に
ファーブル昆虫記で感想文を書こうか、
とかいうことになったのでしょうか?
最近のお子達を見ていると、
前に感想文の書き方について
このブログで書いて以降、
大きく変わったところが
ひとつあるように思います。
それは今の中学生以上の人たちが
長い原稿を書く練習を日頃からしたことがない、ということです。
長い文章を書こうと思ったら
文章全体の構成を考えなくてはいけませんし、
そもそも長い文章を書く訓練を
しないといけません。
原稿用紙5枚の文章なんて書いたことのない
人間が、いきなり読書感想文を書こう、
とか言ったって、それは非常に無理があることです。
どう書いていいのか、そんなものわからない、
ということになります。
そうこうしているうちに月日はどんどん経過していって
始業式前日になって、ああどうしよう、
と煩悶した結果、感想文というのか
読んだ本の原文を書いただけの原稿を出して
おしまいっ! というようなことになるのか、
と想像します。
まじめな国語の先生であれば、授業の中で
日頃から長い原稿を書く練習をさりげなく
させておくんですけどね。
例えば、昨日あったことを
200字以内で書いてみなさい
というような宿題を何回かに分けて出して
200字程度の文章を書く練習をさせてみたり、
ここ一か月で一番記憶に残った出来事を
文章にしてみなさい。100字程度で、
とかね。課題を出して書く練習をさせます。
そうやって日頃から文章を書く修練をさせておいて、
夏休み前に図書室に行って、図書館司書の先生と
相談して、自分の興味のある分野の本を選ばせておいて、
感想文を書く、という事前の準備をしておきます。
そういう下準備があって、はじめて
感想文を書く、という体制ができる、
ということなんですよね。
そういう下準備のないままいきなり文章を書いて、
と言ったって書けないと思うんですけどねぇ、、。
そうしたら、必ず次に来るのが、
え? 感想文を書くのって、そんなに
手間がかかるのか? という疑問が来ると
思うんですけど、そういうものなんですよ。
本当にちゃんと読書感想文を書かせよう、
書こうと思ったら、最低でも1年計画になるのです。
でもまぁ、普通はそんなことはなくて
いきなり学期末の宿題リストに
感想文というのが入っていて、
「あ、これは俺できねぇや。かあちゃんに
書いてもらお」というようなことになるのでは
と想像します。
それから。もう一度言っておきますが、
感想文で一番まずいのは「作品を読んでこう思った」
なんて書くことです。
いいですか。
あくまで題材に選んだ本は「素材」にしか
過ぎないのです。
大事なのは、その本を読んだ時に、自分の経験の中で
似たようなことが思い出された、と。
その時はこういうふうにした、こういうことを
考えた。しかし、今回、この本を読んだことによって
自分自身の考え方がこういうふうに変わったのだ、
という自分の内面の変貌の過程を描くのが
「感想文」なのですよ。
「わたしは~おもいました」なんて感想文に書いたら
いけません。と言ったら、たいていの人が
「うそやろ」と言ってくるのですが、
そこんところをまったくもって誤解している人が
たーくさんいます。
「~~と思う」と書くのは、感想文ではなくて評論です。
そういう「自身の内面の感情の変貌過程」を書こうと
したときに、果たして、あなたにとって
「ファーブル昆虫記」は適切な作品なのですか?
という観点で問い直してみてください。
あれを読んであなたの人生、変わりましたか?
変わらない、ということであれば、
それはあなたにとって、
感想文を書く、という作品ではない、
ということかもしれませんね。
あなたにとって良い作品に出会えたら
いいですね。
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Comments
本を読むのは良い事ですが読むべき本を指定されるのが嫌でしたね。何故皆で同じ本?大昔○○の森がベストセラーで同級生のお父様蔵書をお借りして読んだのですが??同じクラス方は何故最後あの人となの?それは春樹さんに聞いて下さい。
お父様ヒョットすると今迄お母様を介護していた?自分が満足に動けない状態に苛立っているのでしょうか…怒鳴っても良くはならないでしょうに。我が家の父すぐ切れるんですよ、暴れるって言うんですか?この間も母がグラスを割ったんです→危ないので(粉々になった破片)を台所ですし季節的に裸足にもなるので丁寧に掃除して→掃除終る迄動かないように言っても作業を辞めない母→危ないのに終る迄待ってくれない⇒父が思った時間に思ったとおりに食事にナラナイと大きな声を出すので…プリンタが壊れた⇒それは父が純正品でないインクで利用で詰まった⇒何もかもおかしいぞ!プリンタに蹴りを入れ怒鳴る⇒壊したのは貴方。犬が夜吠えたら犬小屋ひっくり返して暴れる⇒ムカデかゴキブリでもいたんでしょう。犬は隅で震える。faxが送信されない紙詰まり⇒人の部屋のすぐそばでfax叩きつける。困ったもんです。私に世話してくれ無理ですがな。母曰く何故あんなに一々暴れるのかしら 知りませんよ。前は仕事が大変だから暴れてんのかと思いましたが思い通りにナラナイとキレテルだけ。本当に他人事とは思えません。ノンビリするのは無理でも何か気分転換でも出来る事があればいいんですけどね。
今は母の高齢者講習に向けて訓練中です。父は横に乗ると五月蝿いんですよ。母は免許取ったのがこの10年程でホボペーパードライバーなんで。やはりある程度運転有ペーパーなのと全く運転してないペーパーでは違いますね。落とされる事はないようですがあまり酷いと…隣に乗るのは一寸怖いですが。予約は直ぐ電話しても6ヵ月後。病院もない買い物も車がないと片道45分最低運転なので…法定速度って何?車間距離って何?みたいな運転を皆様します、二重追い越しではなく四重追い越しする方とか、雨でも追い越しとか、この間普通トラック2人乗りに三人乗ってました真ん中の方は腕組んで乗ってました。何故そんな攻めるドライイビングを??私もズット運転出来るか不明ですし父も。で母には一寸頑張って貰わないとでも余り厳しく言うと気を悪くするので。運転は疲れるので不慣れですし30-40分を週2回で慣らしつつ少しずつ遠くへですね。お盆中はお休みです危ないし台風も来るし。謙介さんもあまり無理しないで下さいね。
Posted by: ゆき | 19. 08. 09 PM 4:14
---ゆきさん
読書感想文は、指定図書、というのがありましたねぇ。で、指定図書、って、まじめすぎて面白くなかったりするんですよね。(笑) きょうもきょう、とてでした。家を9時に出てオフクロの老人ホームにお迎えに行き、車に乗せて、脳外科クリニックの物忘れ外来に行きました。お盆前ということで、ものすごい人で、10時に病院に入って、名前を呼ばれたのが12時でした。診察をしてもらって、次の予約を入れて、病院を出たのが12時半。それから調剤薬局に行って、薬を受け取って、それからレストランへ行って食事をして、いったんホームにいてもらって、ガス屋さんに打ち合わせに行って、また老人ホームに行って、オフクロを連れて、今度は歯科に行き、入れ歯の新調の措置をしてもらって、老人ホームに連れて戻りました。この酷暑の中、92歳の老人を戸外に出したり入れたり、ということはしたくなかったのですが、仕方がありませんでした。すべて終わって家に帰ったらもう夕方の5時で、ぐったりです。老人ホームの職員さんにまで、大変ですね、という言葉をいただいたりしました。病院2つ行ってばたばたしたし、すっかり遅くなったので、今日はオヤジの病院は行くのはお休みしました。そうですか。ゆきさんのお父様もそういうふうになるんですね。歳をとるとこらえ性のなくなる人が結構いますね。オフクロの関係で老人ホームに行くと、怒鳴っている人をよく見ます。それで大抵男の人なんですよね。(たまに女の人も怒鳴っている人がいますけれども)だんだん気むつかしくなっていくんですね。自分の将来を考えて、将来はこうなるのか、と、思ったら大変暗い気分になりますです。
Posted by: 謙介 | 19. 08. 10 PM 10:21