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18. 06. 04

氷河期とバーゲンセール

今回のタイトル、いったい何なんだ、ということなんですが、、

氷河期とバーゲンセールが結び付く、
という不思議なお話なのでございます。

江戸時代に氷河期があったのは、
ご存じだったでしょうか??

お江戸の8月の気温が、日中、
20度行くか行かないか、だった、と
言われています。
昼間の日盛りで20度ですから、
朝晩は冷えました。
8月というのに、みなさん、冬物の
布団で寝ていたりしたわけです。

その結果、どうなったか、といえば、
当然作物ができなかった。

今だったら、農薬がありますから、
少々の低温で生育不良で枯れかかったら、
農薬を作物にじゃんじゃんかまして(あら、お下品)
枯れないようにする、ということが可能なのですし、
実際そういうことをやっています。
(農家である謙介のアパートの大家さん談)

でもまぁ江戸時代にはそんな農薬なんて
ありませんから、気温が低かったら
できるはずの作物が育たなかった。

その結果、飢饉がきたわけです。
江戸時代、何度か飢饉が来ていますが、
その背景には江戸時代が氷河期であった、
ということもありました。

加えて江戸時代の経済は、
農業が基礎ですから、作物ができないということは
経済活動にも大きな影響がありました。

そういう時に、政治はどうしたか、といえば
失業対策事業を展開したわけです。

土木工事をしました。

失対の土木工事なんて、大昔から全然変わんない、
という方法であることがよーくわかります。

大坂(おおざか)で言えば、大川の浚渫をしました。

大川は淀川から毛馬の閘門で枝分かれして、
桜宮とか中之島辺を流れる川です。

浚渫をしないと、琵琶湖から流れてきた土砂が
溜まって、土地が高くなってしまい、したがって
水が流れず、逆流して、大坂の町が水浸しに
なったりしたわけです。

でもね、大坂の街なんて、ちょっと考えたら
分かることですが、琵琶湖から言えば
位置的に河口、なわけです。

そんな河口をちょっといじったくらいでは
淀川なんて全然だめで、しょっちゅう氾濫していた
わけです。
氾濫と気候不良で作物ができないというと
余計に餓死者が出る、ということですね。

それで、根本的に淀川ぜーんぶを
浚渫しようということになりました。

この工事のことを、「お救い大川ざらえ」
と呼びました。
失業対策事業ですから、
「お救い」ですよね。

でね、この「大川ざらえ」をもじったものが、
「大蔵ざらえ」という名称なのです。

ほおら、ここで氷河期がバーゲンセールに
つながった。(笑)

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今時大蔵ざらえなんて
言う言い方していないのかなぁ、と
思いながら検索してみたら、結構な数出てきて
今も使われている言葉だ、ということが
分かりました。

でも、この「大蔵ざらえ」のもとが、氷河期の飢饉の
失対事業の名称だったなんてねぇ、、

言語にはこういう意味の跳躍がありますからねぇ、、

いくらAIが発達してきた、ったって、
こんなふうな言葉の変化には
まだついてくることができないんじゃ
ないか、と思いますです。

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