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17. 02. 14

愛があるなら叱りなさい(その2)

それで以下講演の内容です。

2004年までの27年間、ずっとシンクロナイズドスイミングの
コーチをしてきて、外国チームのコーチに就任することに
なったとき、井村さんはいろいろと、それ相当のことは
言われるだろう、ということは思っていたけれども、
その投げつけられた言葉は本当にひどかった、という
ことでした。中には「国賊」と言った人もあったとか。

日本と言う国は、外国からコーチを連れてきて
指導を受ける、ということは、ある程度できるけれども、
逆に日本人が外のコーチになる、ということには
全然慣れていない国なんだ、ということを
改めて知った、と言います。

そんな中、どうして日本のコーチに戻ったのか、
と言えば、水泳連盟の理事3人から、
ウクライナに負けて6位になった。これでは
オリンピックに出られない。何とかしてくれ、
と懇願されたから、だそうです。

で、そんなふうに日本チームのコーチに
再就任したのだけど、驚愕したことが
ありました。 選手が日本語のできる外国人化
していたといいます。

以前教えていた当時の選手とは全く違った
考え方の連中だったそうです。

あいさつはできない。私が注意しても何について
叱られたのかが分からない。
ウォーミングアップで1500メートルから5000メートル
程度泳がせるのだけど、みんな一身長分開けて
全くの等間隔で泳ぐ。
「どんなつもりで泳いだの?」と聞いたら
「がんばりました」と答える。

好きな言葉は「きずな」
人より目立つことが嫌いで、みんな一緒。
一緒だったら安心していられる。
結果だらだらするばかり。

そういう選手たちに対して、どのようにコーチの考えを
伝え、浸透させ、実際にトレーニングの中で技術の向上を
はかっていくのか、ということが本当に至難の技だった、と
いいます。


話を聞いていて、あ、そうだったのか、
と思ったことがあります。
それは井村さんが、選手のできていないところを指摘した後、
必ず、その改善方法も一緒に伝えている、と話してくださったことでした。

ドキュメンタリーで出てくるのは、インパクトのある、
「あんたはここの部分ができてないやないの!」と
いう叱っている部分だけなんですけど、
実際は、「そやからこうやって、ここをこうして
こうする! 」と具体的に指示を出しているのだとか。

あ、なるほどな、と思いました。
謙介も仕事をはじめて3年くらい経ったときの
上司から、そんなことを言われたことがありました。
というのが、その年、
はじめての後輩が入ってきた時だったのですが。

後輩にいう時は、具体的にここがこういうふうに
ダメだから、そこをこういうふうに直して、と
具体的に指示するように、ということでした。
その時の上司と井村さんの指示が同じだったので、
ああ、と思ったのでした。

講演の最後のほうは、去年のリオオリンピックの時の
選手とのコミュニケーションの話になりました。
この段階でこういう練習をさせて、この段階では
どんなメンタルについてのアドバイスをしたのか、
ということでした。
シンクロナイズドスイミングのすべての演技は
井村コーチが考えた振りつけてするそうですが
どのような意図を持って、あの演技を組み立てたのか
という説明がありました。

選手の着用していた水着の素材は、
繊維メーカーとかけあって、日本選手に最適の素材を
開発してもらった、ということでした。
それから水着を飾っていた1000個のスワロフスキは
すべて各選手のお母さんにつけてもらった、
ということでした。

それから使用する音楽も、他国と一線を画して
日本の演技を印象付けるために、起承転結のある
音楽にしたこと。 観客を味方にひきいれるために
(観客から手拍子を起こさせるようにするため)
心拍数と同じテンポの曲をある部分使った
という説明でした。心拍数と同じテンポにすると
人は手拍子を起こしやすいのだそうです。


その最後に、大変贅沢な時間が
ありました。

井村さんの解説を聞きながら、
リオのシンクロナイズドスイミングの演技を見る、
という時間があったのです。

ここの部分はこういうことを意図していた、
ここではこういうことを狙っていた、
というコーチの説明を聞きながら、会場の大画面に投影された
演技を見たのでした。

体型や技術で相当の見劣りのする日本チームを
どのようにカバーしていったか、という話は
本当に聞いていてぐいぐいと惹かれるものが
ありました。

ということで講演は終了しました。

はじめに井村さんが登壇された時と、
終わった時の聴衆のみなさんの拍手の力強さが
全然違っていたのを耳から感じることができました。

やはり聴いていた人、それぞれに感銘を受けたからこその
拍手だった、と思いました。


追突事故に遭って、一時は行くのは無理かなぁ、と
思ったこともあったのですが、何とか行くことも
できましたし、講演もとても面白い講演で、
自分自身でも参考になるところが多々ありました。
謙介は講演を聞きながら、ノートにメモをしていたのですが、
メモはノートに6ページほどになりました。

講演の時間は、
去年の9月にシスター渡辺の話を聞いた時より
今回の井村さんの話の方が短かったのですが
メモの分量は、シスター渡辺の時が2ページだったのに
対して、今回は6ページでした。本当にいろいろな意味で
内容の濃い講演会だったと思います。

改めて行けて良かった、という気持ちに浸りつつ
会場を後にしたのでした。

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