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16. 10. 13

編集・校正・校閲担当者から

今年もうちの仕事場で発行する
論文集の編集がはじまりました。
今年もまたはじまったなぁ、という
時期になりました。

毎年発行している論文集ですが、
今年のものが紙形式で発行する
最後の論文集になります。

昨日行われた編集会議で、来年度以降は
紙媒体を止めて、機関リポジトリのひとつとしてウェブ上で
発行するように変える、ということが話あわれました。

こないだある人から、水曜日の晩の10時から
『校閲なんたら』、というドラマを
今、やってるで、という話を聞きました。
で、まぁ見たのですが、、。


ドラマの出版社は大きいので編集と校閲・校正係りが
別のセクションですが、うちなんて、俺一人が
編集兼校正係りでずーっとやっています。
もう20年以上。

うちは一人なので、
ドラマにあったような編集者と校閲者が
喧嘩する、などと言うことは起こりません。
が、印刷所と編集者がやりあう、という事象は
よく起こります。(笑)

両方やっているので、結構
これからの時期は大変なんす。

まず、論文が執筆者から、謙介のところに来ます。
それから提出された論文を謙介が全部下読みをします。
それで論文を査読してもらう先生の候補をリストアップ
しておきます。 

そして編集会議が開かれて、査読者を正式決定します。

その後編集担当(謙介)から査読者に連絡をして
論文の査読の依頼をします。
その後論文を査読者に送って、
査読者が、持ち込まれた論文の審査を行っていきます。

問題点があれば、指摘をして書き直させる、
というものです。 査読はブラインドレフェリー、
つまり匿名で行います。

編集担当が執筆者の名前を消して、査読者のところに
持って行って、査読者も、その論文の査読結果をワープロで
印字して編集者に渡します。 

もちろん無記名です。
査読者の筆跡が分かってはいけませんから。

ワープロが無かった昔は、査読者から来た指摘を
編集担当が書き直して執筆者に渡していました。
それくらい厳格に行います。

査読は当然その論文の執筆者の専門分野と同じか、
近い人に依頼を出します。

10月11月で、こんなふうに提出された論文の査読をします。


査読・原稿修正があって、論文集掲載可、ということに
なります。

その間に編集者は、印刷業者を決めておかなければ
なりません。
会計担当と協議して、印刷業者の候補を5軒くらい
リストアップして、そこに見積もりを出してくれと頼みます。
それで見積もりの結果、印刷業者が決まります。


大体12月ごろに査読が終了して、最終的に原稿が
集まります。そこでもう一度確認のための編集会議を行い、
問題がなければ、印刷所に原稿を渡して、原版づくり、
ということになります。

12月に原稿を印刷業者に渡して、1月~2月で校正です。
校正は基本的に執筆者と編集者の2人態勢で行います。

書いた本人は、正しく書いた、と思っていても
末端まできちんと見ていなくて、誤字脱字があったりするのです。

専門外の人間が見るのは、たえず疑いの目で見ていくことが
できるから、なのです。

あんなキャーキャーとわめき騒ぐ校閲者なんて
いないぞ。ぶつぶつ。

かといって暗いだけもないけど。


昨日のドラマは、印刷して出来てきた本の表紙に
脱字があって、、、作業工程上、刷り直し発行はできなくて
シールを貼ってごまかした、というお話でしたが、、

実は謙介にもその経験があります。
全部出来上がって、印刷所から運ばれてきた
論文集を見て、顔色がさっと変わりました。
執筆者の名前の漢字が一字違っていたのです。

もう目の前が真っ暗になりました。
急いで編集委員全員に集まってもらって
協議をした結果、印刷所に訂正のシールを作ってもらう、
ということになりました。
印刷所に言って、シールを急いで作ってもらいました。

それで、そのシールを謙介一人で、貼りました。
昨日のドラマは校閲部員全員が手伝ってくれたお話でしたが、
あんなもの、ドラマだから感動的に盛り上げようとして
全員が協力してやっていましたが、
うちなんか自分の責任だし、謙介一人でぜーんぶ貼ったぞ。


ドラマを見ながら、できた論文集にせこせこと
シールを貼っていた何年か前の春のことを思い出した
謙介なのでした。

はじめにも書きましたけれども、編集校正担当を
もう20年やっていますが、
編集途中で毎年どこかここかで問題が発生します。
それは、きちんと何度も確認していても、
やはりどこかで問題が発生します。

今年も昨日ひとつ問題が起こって、、(笑)
(謙介のせいではないので、気が楽でしたが)

今年もいろいろなことが出来すると思いますが、
それでも何とか大過なく今年も出版できるように
祈るような気持ちでいるのです。

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Comments

あくまでもドラマですからねぇ 具体的な事が分からなくてもそれはないだろというのが多いですよね
本日国立劇場忠臣蔵に日帰りで行きました 行のバスが遅れて人形口上どころか20分ほど観れませんでしたが肝心の部分は観れたから良しとしますか 譲っていただいた席でしたが一階のちとり辺り端でしたが... 幸四郎丈の口跡が気になりました 団蔵丈の本蔵が良かったですね
来月は吉右衛門丈が出ますので12月は幸四郎丈が...いい加減に二人揃って舞台にとはなりませんかなぁ 歌舞伎座はパス
母に芸妓さんだしと言ったら 襲名のお練りにはねぇ 素人じゃないんだからもう少しわきまえないとね
梅玉丈は切腹して襲名の口上へって松竹は何考えてんのか もう歌舞伎座には行く気がしませんね これからは行くなら国立劇場ですかねぇ

Posted by: ゆき | 16. 10. 14 at 오후 9:25

ドラマといえば石川五右衛門ですがもうちょっとどうにかならなかったんですかね テレ東アプリで15分だけ観ましたがもういいです 鬼平ぐらいきちんとやってほしいなぁ
最近ドラマも原作ありき景気のせいで制作が楽だからでしょうね 特番ばかりでTVが益々つまらない
某雑誌に医療が崩壊するとか 高額な抗がん剤etc
喫煙する方には医療費を上げる 救急車をタクシーにするなら有料にするとかしないといけないんでしょうね
特定健診を受診してねなんてはがきが来たんですが遠すぎて行けませんわ 本当にもう少し都会へ戻りたいです
バスに乗るのにマークシティ出はなくヒカリエにする行ってしまいました もうろくしております バスで行くと疲れますね

Posted by: ゆき | 16. 10. 14 at 오후 10:56

---ゆきさん
 まぁ最近のドラマですから、底が浅い、
というのか、あまり期待はしていなかったのですが、実際にその仕事をしている人間から見たら、あまりにかけ離れていて、リアリティが全くなくて、、、。主人公に感情移入できなかったら、ダメじゃん、って思うんですけどね。幸四郎丈と吉右衛門丈と、ご一緒、というのは、なかなかに難しそうですね。身内だけに譲れないものがあるのでしょう。松竹も交互に出したら、それなりに集客ができるからいいや、ということを考えているのかもしれません。幸四郎丈も、考えたらもう74歳ですもんね。考えたらもう高齢、ですよね。でもこれは毎度言いますが、役者の使い方全般に問題があって、もう役者をダメにするようにしか使っていないじゃないですか。その意味で松竹の責任は重いように思います。

Posted by: 謙介 | 16. 10. 15 at 오후 4:39

---ゆきさん
 がんセンター内科外来で、よくその薬価のことが話題になります。最近、たとえばC型肝炎にものすごく効果のある薬がどんどんできてきました。謙介が使った薬も、一錠が4万円という薬でしたが、今はもっと効果のある薬が開発されていて、それですと一錠が7万円、ということでした。それでも保険適用になりました。というのが、C型肝炎を悪化させて肝硬変から肝がんに進んだ場合の治療費と、新薬を使って治癒した場合の治療費を比べると、新薬を使って治療したほうが経済的、ということだったから、ということのようです。あの時もブログに書きましたが、結局製薬会社は利潤を追求しますから、患者数が多くて、儲けが出そうと思ったら新薬を作ります。難病でも患者数が少なくて、利用者が少なかったら、儲けにならないから薬を研究しようとはしません。謙介の病気も、医療費補助が出るか出ないかは、財務省の予算に余裕があるかどうか、ということでした。医療なんて管轄は厚生労働省じゃなくて、財務省だった、ということなんですよね。やれやれです。

Posted by: 謙介 | 16. 10. 15 at 오후 4:55

大変なお仕事ですね。
僕は、何時もタイプミスばかりで、けっして責任放棄ではないんですけど、見直しても見落とすことがおおくて、能力の無さに、すごく落ち込むことも多いです。
ものを書くお仕事の方って、尊敬です。

Posted by: holly | 16. 10. 16 at 오전 11:49

---hollyさん
 文学部、それも国文の就職先なんて、こんな誤字脱字訂正係りが主要な就職先だったりします。(実は仕事場では文学部出を隠しています。文学部の国文学科を出た、なんて自己紹介したら、絶対に俳句を作れ、と言い出されるので)尊敬なんて、、全然です。それくらいしかできるものがないのです。hollyさんこそ、謙介から見たら素晴らしい作品を作られますし、尊敬ですよ。

Posted by: 謙介 | 16. 10. 16 at 오후 9:43

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