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16. 09. 15

「このうらみめんめんとしてたゆるときなからん」建物

四国地方、ここへきて、
数日ごとに雨が降るようになってきました。


今年の夏、四国地方は雨が降らない日が続きました。
8月なんて、雨らしい雨の降った日なんて、、
なかったように思います。

8月の末に、出勤途中にある、みかん山では
とうとうスプリンクラーで、水をみかんの木に
かけていましたし、

同じころ、職場の桜の木が落葉してしまいました。

いつもの8月なら緑の葉を茂らせている時期なのですが、

木に葉を茂らせるだけの余裕がなくなったのでしょう。
街路樹の木も8月の終わりごろ、葉が全部落葉してしまい
秋のような感じになっていました。

紅葉の落葉であれば、葉の色が黄色とか赤に変わって
落ちて行くのですが、水不足の落葉は、枯れたみたいに
葉が茶色で落ちていくので、全然きれいではありません。

ですが、雨が降らないので、そういうことになって
いました。

唯一楽しみなことは、おそらく今年のみかんは甘いだろう、
ということですね。水不足でしたから、みかんの実自体は
小さいでしょうが、味は濃縮されて、濃い味のみかんに
なるだろうと思います。

そういうことで、例によって早明浦ダムの貯水量も
7月から8月にかけてどんどん減っていきました。
それにあわせて、取水制限も段階的に行われました。

8月の終わりには、貯水率が33パーセントくらいになって、
30パーセントを切ったら、さらに厳しい取水制限をします、
というところまで来ていました。

ですが、その後9月に入って、台風やら前線が
通過をしていって、その影響で降雨があって、
少しずつ貯水量も増えて、今は40パーセント台に
なったようです。

それで、早明浦ダムの貯水量が減ると
いつもニュースで出てくる建物があります。

ダムができる以前にあった
旧大川村役場の建物ですが。

Ookawa

早明浦ダムをつくる、ということになって、
そのダムの湖底にこの村が影響を受ける。

村は湖底に沈んでしまい、住民は
住み慣れた場所を離れて移転しなければ
ならない、村にダムは何の恩恵ももたらさない、
ということで、ダム建設の際に村をあげての
ダム建設反対運動が巻き起こりました。

早明浦ダムは四国の水がめというけれども、
うちだけが犠牲にならないといけないのは
どういうことだ、ということで、相当に
反対運動が続いた、と聞いています。

そして、村人は、新しい村の庁舎を建設することにしました。
その沈むと想定されている場所に、建設したのです。

村はダム建設に反対だった、
最後まで抵抗をしたのだ、という象徴として。

それが上の旧大川村の庁舎だったのです。

わしらは嫌々引っ越しさせられたんやで、
という意味を込めて、あの庁舎は建てられ、
そしてダムの底に沈んでいきました。


以前は、なかなかそういうことがなかったのですが
やはり水の使用量が増えているせいもあるのでしょう。
最近は早明浦ダムのような大きいダムでさえ、
貯水量がピンチになる、ということがよく起こるように
なりました。

そして旧大川村役場の建物がニュースに出る機会も
(前は全くなかったのに)よく見るようになってきました。

旧大川村に住んでいた人にとっては、
まったく白居易の長恨歌ではありませんけれども
「この恨み綿々として絶ゆる時無からん」という象徴の
ような建物だった、ということです。

あの建物がダムの水底に沈むようになって
もう40年になりますから、あの建物の経緯を
知らない人も増えてきたように思います。

あ、でもね、末端でその水の恩恵を受けている、
水資源は大切にしなければならない、という気持ちは
われわれも、持っているのです。

早明浦ダムの上の森に行って、
下草を刈りに行くとか、
植林をしにいくツアーもあったりして、
その水源を大切にして行こうと、いう
取り組みを行っています。

週末から来週にかけて、
台風が来そうです。正直なところ、
台風の被害は心配なのですが、
一方で雨が降って、少雨によるダムの貯水量の
飛躍的回復を願う、というところもあります。

はてさて、お天気はこの先どうなるのでしょうか?

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Comments

最近は、100年に一度といわれるような台風がまいどの事になってますし、地震や天災がおおいですね。きっと、もう何じゅん年に一度とかの考えは捨てて、何時もおきることと言う対応や準備が必要なのかもですね。
なんだか、怨念のある建物ですね。人のやることは、ほんとにすごいエネルギーですね。
あらためて、このブログの写真を見て、良い悪いでなくおもいめぐらしました。
人間の持つエネルギーって、すごいですね。
こうして形に残ってるのを見ると…。

Posted by: holly | 16. 09. 19 at 오전 11:09

---hollyさん
 香川では水不足は日常茶飯事で、時に水のために一揆とか、殺人事件が起こったりしています。ところが早明浦ダムができたおかげで、水不足から解消されたために、そうした昔の人の水は貴重な資源だ、という意識が消えかかってしまっていました。でもダムができたのは、こうした高知の人々が自分の故郷の家を土地を奪われた、という犠牲の上にダムがあって、水資源もあるのだ、ということを忘れてはいけませんし、建物の由来については改めて知っておかないといけない、ような気がしています。そういうことで、今年の夏、雨が降らなかったので、書きました。 ですが、幸か不幸か、ここにきて連日のように雨が降って、貯水率は50パーセントに回復して、今週台風が来るので、もうちょっと貯水量も増えるのでは、と思います。ですが水についてはいつも無駄にしない、と意識を持っていないとなぁ、ということは思います。

Posted by: 謙介 | 16. 09. 19 at 오후 11:11

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