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16. 05. 23

展覧会ふたつ(その7)

もう実際の展覧会は終わっちゃったけど、
ものには「行きがかり上」ということもあるし(笑)
尻切れトンボで捨て置くわけにもいきませんので、
まぁ続けます。


1階は中国の書でしたが、2階は日本の作品でした。

あれやこれやあったのですが、、、
いくつかだけ感想を。
空海の風信帖、見るのは久しぶりです。
ちょっと前に里帰り展示、ということで
謙介の実家のある街の県立美術館で
展覧会をしていたことがありました。

それ以外の機会も見たことがあったので
今回で4回目だったかと思います。
縦横無尽な筆の運びはさすが、だと
思います。

かなの作品ですが、
寸松庵色紙、升色紙、
高野切も第一種、第二種、第三種、と
3つの種類が全部出ていて圧巻でした。

前に高知に見に行った、国宝の
高野切も高知から大阪に来て、展示されていました。

それから蓬莱切もありました。

Hourai


於(お)本(ほ)曽(そ)らにむれ多(た)るたづ
能(の)さしな可(か)ら おもふこゝ
ろのあ利(り)け那(な)る可(か)奈(な)

蓬莱切は謙介がはじめてかな書道を習った時に
先生に指示されて書いた作品です。

わずか3行の古筆切の作品ですが
このころはもう本当にやる気にあふれていて
毎日この3行の字を何度練習したやら。

今の自分にあのころの情熱と集中力があるだろうか、
とか、久しぶりに蓬莱切を見ながら思ったり、、
本当に懐かしい気がしました。

それから高野切の3種類が全部展示されている陳列ケースの
前に来ました。

謙介の前で見ていたおばちゃんもかな書道を習って
いる人のようで、一緒に来たおばちゃんと高野切第二種の
ことを盛んに言っていました。

そのおばちゃんは高野切の二種がお好きなようでした。


これがその高野切の第二種なんですけどね。
Kouyakire2
謙介は高野切の第二種って好きじゃないんですよね。
線がジグザグにくねくねとするばっかりで、
縦のすっと長い線というのが
ありません。

書いていて、スカッとした気持ちに
なんないんですよねー。


謙介が習った上嶋先生は、「ねばい性格というのんか
粘着気質の字やなぁ」と評していました。
「歳がいった人の字ちゃうかなぁ」とも言っていました。

作品の中に、
「し」の字が何回か出てきていますが、
あまりに短くて、、、なんでこんなあっさりと
書いてあるのか、と思うんです。

というのが、字を書くとき、特に長い線を引くときに
呼吸が大切になるんですよ。

息をすーっと長く吐き続けながら
線を書かないと線が曲がってしまいます。

若い人というのは、そういう長い息をゆっくりと
吐ききることができて、手も大きく動かせるので
長いスカッとした線がひけるのですが、

年とってくると呼吸が浅くなるし、
身体がかたくなってくるし、
伸びやかな線を書くことが
だんだんできにくくなります。


線がやたら粘っこい、ということもあって、
これは若い人が書いた字ではないやろ、
というようなことも先生おっしゃっていました。

今回改めてかな書道の歴史も見ることが
できたのですが、かなの字の美しかったのは
やはり平安時代から、鎌倉前期までくらいだ、
ということを再確認しました。

時代が下って、、、
これは光悦のかなですが、、
Jhonamikoetsu


こんな太々と書いた、うんこみたいな字、
どうしても好きになれません。
せっかくのきれいな紙なんやし、
字書かへんかったほうが、
紙がきれいに見えまっせ、
とでも言いたいですね。

展示された作品を見ていたら、
練習していた時に、先生から言われたことを
いろいろと思い出しました。

時間ができたら、かなの書道の勉強をもう一度してみたい、
とかちょっと殊勝なことを思ったりしました。
(でも、実家に帰ったら、そんな決心なんて
雲散霧消しているですけどね)

ということで2階の作品も
すっかり堪能することができました。


Img_0782

バスの時間までまだ間がありますので、
せっかくここに来たので、
ちょっと新世界に行ってみることにしました。

今日はこの辺で。


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Comments

展覧会の記事を読み、自分が習字を習っていたころを思い出しました。最後に臨書をしたのが寸松庵色紙で、原寸大に書くことに非常に苦労したんです。こんなに小さい文字なのに力強い線を出すなんて…って具合に。短期間の臨書でしたが、古筆の偉大さが私でも少しだけわかったような感じがありました。

こういう展覧会が近くであれば行きたいのですね。見ると私もまた手習いを始められるような気がします。

Posted by: ヒシ | 16. 05. 24 at 오후 8:32

---ヒシさん
寸松庵色紙、本当に小さな作品ですもんね。
というのか、もともとが障子の一つの枠に書いたものでしたから、ああいう大きさに
なってしまった、ということですね。
そうなんですよ。写真で見たら大きく見えるのですが、実際は、、「え?」と思うくらい小さな作品で、、。そこに充溢した一つの世界を作っている、と言っても過言ではないと
思いますね。あんな小さいところに、よくもまぁ、あんな作品を作ったなぁ、と正直、
思いますよね。やはり名品は名品ですよね。

Posted by: 謙介 | 16. 05. 24 at 오후 11:07

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