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16. 02. 07

鉄道インフラの輸出

最近の中国がらみの日本の報道って、
中国が何かやったことについて皮肉っぽく、
「ほらみたことか」というふうなバイアスがかかった報道が多くて
実際のところ、どこまで本当のことなのか
よくわかんないんですが、、、。

最近のニュースでは
インドネシアの高速鉄道計画で中国が落札したのだけど
その後がぐずぐずになっている、という報道が
このところ流れています。

日本のマスコミの報道って、最初は詳細に報道するのだけど
その後がいつも途切れてしまって、それ以後尻切れトンボに
なることが多いんですよね。

だから最初、謙介は中国が落札した、と言っても
ふうん、としか思っていないのです。
たまたま中国が落札したって、そんなもの、
その後どうなるやらわかんないですし。

いつも謙介、鉄道についてはそういうふうに思うのですが、
どうしてそんなふうに思うようになったのか、と言えば
謙介が韓国にいた時にあった
釜山の地下鉄の工事からなのです。

韓国の鉄道関係の人って、
どういうわけか、昔からおフランスの
鉄道が好きなんですよね。

謙介がソウルにいたころはまだKTXは
走っていなかったのですが、いつだったか
電気機関車を清涼里駅(ちょんにゃんりよく)
で、見た時に、なんやフランスの電気機関車に
そっくりやんか、とか思ったのでした。

↓ちなみにこれが、おフランスの電気機関車
Sncf_bb_15014


でもって、これが韓国の電気機関車
K8000nc


よーく似ている、って思いません?

ま、それにくだんのKTXだって
おフランスの技術指導で作ったわけですし。
そういうことで、韓国の鉄道関係の人って
どうもおフランスが好きなんじゃないか、って
思うんですよね。

それでまぁ、釜山の地下鉄も、そのフランスの技術提携で
作られることになって、できたわけなんですが、
その後、運用がはじまったらもういたるところで問題が
生じてしまったそうです。
フランス人技術者と、釜山市の地下鉄運用の現場の
人の間で意思疎通がうまくいかない、に始まって、
車両の修繕とかで費用がかさむし、、
しょっちゅう運用上の事故があって、電車は止まる、
ということになっていたのですが、いろいろと問題が
あって、とうとうフランス人の技術者が
総引き上げ、ということになってしまったのだとか。

それで困った釜山市当局は、JR九州に頼んで
保守点検をお願いする、ということになった、
ということがありました。

この話って全然伝わってないんですよね。

日本のマスコミは釜山の地下鉄ができた、
ということは報道したかもしれませんが、
その後、JR九州が保守点検を引き受けていた、
ということまでは報道しなかった、って思うんですよね。


鉄道建設なんて、大掛かりですし、
一度作ったら、もう何十年、百年単位で使い続ける
ものですよね。

だから最初の建設段階だけで済むような
ことでないと思うんですよね。鉄道を作ってからそれ以降の
技術協力とか保守点検というようなところで
日本の技術力を示す、ということだって
できるように思うんです。

日本は鉄道建設だって、その後の運用だってしっかりと
できる実力はありますが、外国に行けば、とりあえず鉄道は
作ったけどその後の運用がめちゃくちゃ、なんていう国は
普通にありますし。

釜山の地下鉄みたいに。(笑)

だからインドネシアだって最初の受注では、
ああいうことになりましたが、これから先
果たしてすんなりとうまくいくかどうかなんて
分かりません。

引き受けた国はなんたって事故を起こした車両を
事故はなかったことにしようと上から土をかけて
埋めてしまおうとした国ですよ。

とりあえずスタート地点に立ちはしたのだろうけど、
これから先も紆余曲折がいっぱいあるように思います。

日本はあちこちの国に
鉄道インフラを輸出しようとしてはいますが、、
ただそういう輸出側にだって考えないといけないところが
あるように思います。

日本の鉄道は定時に動くのが
当たり前みたいになっていますが、
あんなのは他の国にとっては異常な状態です。

外国においては、鉄道だってバスだって
飛行機だって船舶だって、
要するに交通機関の発着時刻なんていうものは、
「だいたい」もしくは「適当」なのが普通です。


6時発っていったら、日本ではきっかり6時ですが
そんなもの外国では「6時5分だって、
6時15分だってだいたい6時やんか、どこが悪いねんな」
というのが至って普通の考え方なのです。
定時運行する、と日本人は自慢にしますが、
そんなもの外国人から見たら、
「確かに定時運行にこしたことはないだろうけど、
だから何? そんなものにこだわってどうしたいの? 」
という程度のものです。


そんな文化性なのだから、
日本の定時運行なんて、少なくとも鉄道インフラ輸出上の
有力なセールスポイントにはなり得ない、と
思います。 
日本のああいう厳密なダイヤというのは、
外国ではなじまない制度だ、ということです。

少なくともそのことについて
我々は知っておいたほうがよいと思います。

こんなふうに日本以外の考え方を知る、知った上で自分はこう
対応する、対応できる、というのが、「国際化」とか
「国際的な人間」ということであって、
何も小難しい顔をして、英語を話す人が国際人でもあるまいに、
って謙介は思うんですけどね。

(今日聴いた音楽 신승훈歌 내 방식대로의 사랑
この曲はハウスミュージックバージョンとマンボバージョン
があるんですけど、今回はマンボバージョンで。
ソウルに居たころ、ノレバンでいつも最後に歌っていたのは
この歌でした。)

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Comments

 超高速鉄道に関しては,地震国は日本,安定した地塊の国ならフランスとかドイツ(ついでに韓国,中国)と,棲み分けすればいいのにね〜と思ってしまいます。
 インドネシア,日本と同じでプレートがぶつかり合ってる上に,スラウェシあたりでは錯綜してますから,地震と噴火には事欠かないんですけどねえ。
 何か起こったら,「だから言ったじゃないの」と高笑い・・・しちゃダメ,絶対(笑)

 とりあえず,インドネシアの鉄道を所管する政府機関は,地震対策を積み増すように要求してるらしいです。
 そんなこと最初からプランに入れときなさいよ(苦笑)

Posted by: Ikuno Hiroshi | 16. 02. 09 at 오전 12:31

海外旅行に行った時、ホテルやレストランの対応や街の整備の様子に対して、「日本なら・・・・・」とおっしゃる方を時々お見かけします。
謙介さんのおっしゃるように、サービスや街の整備については日本の常識は海外の非常識に近いところがありますので、「海外だから・・・・・」という発想が出てこないと楽しさが半減以下になってしまいます。
聞かされるほうも「ここは日本じゃないんだから・・・・・」と毎回思ってしまうわけです。

中国の新幹線ですが、日本の技術がコピーされたとか云々騒がれました。
私からすれば、どんな人たちかある程度分かっているのに提供したほうが悪いと思うのです。
だったら最初から技術や知識の提供なんかせずにいたら良かったのに、と。
シャープと臺灣鴻海の提携について、シャープの社長は「技術流出はないと考えている」と言っていましたが、果たしてそうなのかなぁと疑問に思っています。
なぜ、こんなに安易に考えるのかと不思議でなりません。

おフランスの電車より、ドイチェバーンの電車のほうが味がある気がします(^_^;)

Posted by: 正憲 | 16. 02. 09 at 오전 8:03

---Ikuno Hiroshiさん
 インドネシアの地震のニュース、よく見ますよね。地学とか気象にあんまり強くない謙介でさえ、インドネシア、って地震多いなぁ、って思います。そういう国柄なんだから、鉄道の地震対策だって、それなりに考えないといけないように思うんですが。 インドネシア政府も地震対策について聞いたのかしれませんが、何せ落札した国は、大丈夫ですか? って聞かれても、それこそ根拠のない自信で「ハオハオ」とか答えたのでしょうね。どこかの国が途中で投げ出したり、できなかったものを、日本が途中から入って、何とか形のある有為なものに仕上げる、途中からの参入はいろいろ技術の違いとか、前任のずさんさで、ひどいものかもしれませんけれども、そこを地道に仕上げることによって日本の技術もさらに進化するかもしれませんし、信用度も増すように思います。国際連携って、決して最初のとっかかりだけで判断してはダメですよね。マスコミって、どうしても目立つことばかりにしか注目しないけれど、本当に必要なのは「後から」のことのように思うんですけどね。

Posted by: 謙介 | 16. 02. 10 at 오전 10:00

---正憲さん
 
 正憲さんのおっしゃること、本当に全くその通りだと思います。謙介も危惧しています。中国の人と仕事について話をしていると、他者についてはあまり信用していない。もっと極端になると自分の親族でさえ信用していない人さえ結構います。そんな人たちなのに、シャープの首脳部ときたら、技術の海外流失はないと思う、などというような悠長なことでいいのですかね。かつてシャープがいろいろな製品があったのを全部整理して、1つの分野に特化した方向に持って行く、と言い出した時に、そんなことをして、その柱となるものがこけたら、どうするのだろう、と思っていたのですが、なんだかその通りになってしまいました。あれは、会社の選択と集中の観測ミス、ということなのでしょう。
前の家電不況の時に、日本の家電関係の会社をリストラされた人の多くが、韓国や中国の会社に高額のサラリーで雇われました。 その結果、日本の家電の性能に近いものが日本のメーカーより安く作られて、日本のメーカーはさらにこけてしまいました。最近のニュースで三星(さむすん)とかLGがこけかかっている、というニュースを見ますが、日本のメーカーがさらに新しい商品を出すようになった結果でしょうし、あんなことは予想されていたことです。でも、シャープが技術の海外流失はないようだとか言っていますが、そんなもの、どうなるかわかったものではありません。前は同業他者への流失でしたが、今回は提携会社への技術流失になるやもしれません。その辺のことをどれくらい危機感を持って考えているの、でしょうかねぇ。

Posted by: 謙介 | 16. 02. 10 at 오전 10:18

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