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15. 09. 06

たぶんこうなるだろうな、と予想はしていましたが

蔦屋が運営代理している公立図書館、
問題が次から次へと出てきていますね。

問題点をざっと出してみますと、

① もともとあった大量のDVDを破棄したいたことが発覚
〔蔦屋に配慮したのでは、と問題に〕

② 貸し出しカードを、Tカードも利用可としたため、
貸し出し情報=個人情報が一民間企業に伝わる、
という重大な問題が発生。

③ スマートフォンを活用した電子図書サービスで
目標10万冊と大々的にぶち上げたが、著作権の壁にぶつかり、
読めるのは150冊。利用者は370人にとどまる
〔サービス開始後1年経過後の朝日新聞報道による〕。

④ 開業翌年の14年には早くも赤字〔翌15年も〕

⑤ 14年4月にリニューアルしたが、
元々あった貴重な佐賀県の郷土誌など
8760点を除籍したかわりに、10年以上前の
古いエクセルのマニュアルや公認会計士の本、
大牟田ラーメンとか博多ラーメンならともかく
埼玉県のラーメン屋ガイド、浦和レッズ関連本などを
大量に購入し〔その費用は1958万円以上〕、
市民からは埼玉の蔦屋で売れ残った本を押し付けられたと指摘され
この費用は現在監査対象となっている。

こういうのを枚挙にいとまがない、というのでしょうね。


これに加えて問題が起こりそうなことを言うと、
図書館で飲食可にしてしまうと
本が汚れる場合があります。
ドーナツとかパンなんかを食べていて
油でべとべとの手でページをめくる。
本を読んでいてコーヒーをひっくり返す。

そうしたら汚れて使い物にならなくなった本はどうなるのか。
市立図書館の図書は、図書館の図書台帳に登録した段階で
市の公有財産になっています。それを損傷した場合は
弁償しないといけない、ということになると思いますが、
中には、その本が古い本で再購入できない
というものもあります。
そういう時にどうするのか。


こうしたこともやがて起こってくる
問題だろうと思います。


図書館の公設民営、カフェ併設。
雰囲気作りはそれでよかったのかもしれません。
表面的に人は増えた。
果たしてそれで良かったのか。

たとえば図書館の根幹である図書館の資料の問題。
この図書館の選書、って誰がどのように選んで購入して
いたのでしょう?

普通の公立図書館であれば、司書の人がいますから
その人が全体の蔵書構成や利用度、
たとえ利用が少なくても郷土資料とか
参考資料については「図書館の性格」を考えながら
図書を購入します。

図書館の司書さんの仕事というのは、
本の貸出・返却の事務だけ
やっているのが仕事ではありません。

来館した人から寄せられるさまざまな資料に
対する相談に乗ります。
〇〇について調べたいのだけど、どんな資料を見たら
いいですか? というような質問に対して、
それは××関係の資料を見てみたら
いいと思います、というようなアドバイスをしてくれます。

それから資料がその図書館に入れる資料として
果たして必要かどうか、ということも勘案し検討して
資料の購入を決定することもします。

たとえば、謙介も編集担当を行った
京都の「○部町史」なんてはっきり言って、
誰が利用するの? というような本です。

利用度で言えば、ほとんど利用がない、
というような本かもしれません。

利用効率ということから言えば、おそらく無駄! と
いうことになるかもしれません。


たとえば、その図書館が岡山県立図書館で
あれば京都の○部町史なんて不必要でしょう。

しかし、その図書館が京都府立図書館であれば
府下の市町村誌(史)はやはり
資料として当然入れておかないといけない、
という資料選定ということになって、
その本は購入されて蔵書になっています。


武雄の図書館の図書選定・購入はいったい誰が
責任を持ってやっていたのでしょうか。

これは想像するに、
蔦屋に委託した段階で
資料購入もすべて蔦屋に任せてしまったのでしょう。


蔦屋はおそらく「売れる本」がどれかは
知っていたのでしょうが、図書館として備えておかなければ
ならない資料はどういうものか、ということについての
知識がなかった、ということです。
まぁ想像できたことですが。


除籍してしまった佐賀県の郷土資料
8760点ほどはおそらく今、もう一度買おうとしても
買えないものだと思います。そういう資料を散逸させて
しまった責任はだれが取るのでしょう。

本当は図書館の生命線、というのは
蔵書構成なんですけどね。


おそらく当時の市長は、図書館の司書なんて
本の貸出係だろう、くらいにしか考えていなくて、
そういう知識を持った人を雇わなかったのでしょう。

それで図書資料の購入まで全部
蔦屋にお任せしてしまった、のでしょうね。

外見だけおしゃれにしてしまって
確かに一時的に物珍しさから来館者は増えた、
マスコミはこういう物珍しい変化は好きですから
一時はあちこちで話題になっていました。

そんな短期の目に見える成果だけ見たら
良かった、ということになるのでしょうが、
現実の問題として
「図書館の生命線」をぶった斬って
しまったためにあの図書館は失速して
しまった、ということでしょう。

そういうのは目に見えるような問題ではありません。

しかしこれは図書館の運営そのものにかかわるような
大きな問題でした。
図書館の崩壊と言っても過言ではないように思います。

で、こういう問題って、
マスコミは取り上げようとしないんですよね。

なんでもおしゃれなのが好きですもんね。
でもね。いくらおしゃれでも使えない図書館じゃ
どうしようもありません。


謙介は、あの図書館、たぶんこういう資料関係の問題が起こるんじゃ
ないかなぁ、と予想していましたが、残念なことに当たってしまった、
という感じです。

図書館をあの形態にした市長も辞めちゃったし、
これまた誰が一体後の責任を取るのでしょうか。

あのニュースを見ていて
そんなことを思いました。


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Comments

こういうのって、あるていど想像がつく感じもしますが、お洒落だと単純によくなるとか、箱だけ立派とかってありますよね。
う~ん。
図書館をその形態にした市長も辞めちゃったってことだしなんだか大変ですね…汗。

Posted by: holly | 15. 09. 08 at 오전 11:06

ニュースで図書館を民間委託にして画期的なんて…新しく建設された学校の敷地に図書館が併設されたものの放課後の学◯状態で館内を走り回る小学生、注意しない司書の方↓と地元はなっております。図書館ではなくツ○ヤになってましたか…都会ではお茶しながら品定めなんて書店があったようですが今どうなってるんでしょうか?図書館の本の一部が欠損していたり書込みなんて昔からありましたが…責任といえば五◯は競技場も解体せずそのまま有効活用しようなんて意見もあったようでマスコミももっとそういう意見を取り上げるべきだったんじゃないんでしょうか?…エンブレム含めすっかり疑惑の五○になってしまって残るのは莫大な財政負担ってな事になりそうですけど…対外債務が多い借金とはいえ日本はどうなっちゃうんでしょうね1990年代半ば頃からGDP↑企業の利益↑個人の収入↑なんてサイクルが崩れ始めたようですがギリシャみたいにならねばいいのですが…女性が輝くなんて聞こえがいいのですが正社員になるのが大変、なっても以前ほど人がいない、給料は…看護部の部長さんが「クタ×2になって家に帰ると旦那はテレビを観てるんです、旦那はいいんですよ家に帰ればテレビ観てればいいんですからもう辞めたい」なんて嘆いていましたが、そのうち過労死する女性が男性並みに増えていくんですかね。

Posted by: ゆき | 15. 09. 08 at 오후 10:30

---hollyさん
建物とか、設備をおしゃれにしちゃったは
いいけど、肝心の運営がさっぱりでは
困ります。 で、マスコミもおしゃれに
したした、は言うけれど、その後のことは
報道しません。 確かに目先が変わって
良かった点もあるのですが、問題点も
ぞろぞろ出てきて、、。しかも責任者は
いない。本当にいったい誰が責任を
取るのか、と思います。

Posted by: 謙介 | 15. 09. 09 at 오전 11:42

---ゆきさん
本屋にカフェ、ということで言えば
もう30年前くらいに、かつて京都に
あった丸善の本屋さんで、2階だったか
3階の一隅にコーヒーショップがありまして
買った本を(あくまで買ってからです)
そこで読む、という楽しみもありました。
ですから、ちゃんと分かった本屋さんは
飲食スペースと、購買スペースを
区分していたんですが、、。
そうした区切りがなくなったのは
やはりアメリカの影響だろうと思います。
大学図書館で、最近は
アクティブラーニングをしなければ、
ということで、やたらめったら
あちこちに「ラーニングコモンズ」という
施設ができています。で、たいていの
ラーニングコモンズは飲食可になって
いるところもあります。
何でも困ったらすぐにアメリカのまねを
したがるんですが、、アクティブラーニング
そのものが分かっていない状況で
ラーニングコモンズを作っても
果たしてその実が上がるのか、
と思うんですけどね。
分かっていないで施設だけ作って
どうすんの? という悪癖がまたぞろ
出た、という感じです。
オリンピック、まぁこういうのを
すったもんだ、というのでしょうか。
本当に見ていて何が何だかわからない。
今までにオリンピックだの万博だのと
さんざんこの手の大きなものをやってきて
その悪いところがぜーんぶ残っていて
それが全部発揮された、という感じでしょうか。 大阪万博の時もエンブレム
最初のがあかん、ということでやり直し
をしています。だからまぁ今回も
もう一回仕切り直しをして、ちゃんと
やることでしょうね。 今度は
少しは学習してもうちょっとましな
選考をしていただきたいですね。

Posted by: 謙介 | 15. 09. 09 at 오전 11:55

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