« たぶんこうなるだろうな、と予想はしていましたが | Main | セメン菓子ふたたび »

15. 09. 11

ぐりぐりの日

今回の大雨、本当に大変な被害が
あちこちで出ていますね。
みなさんのお住まいのところでは
いかがでしたでしょうか。
この被害の大きさに、本当に言葉もありません。

昨日はがんセンターで検診の日だったのですが
加えて主治医が「ぐりぐり」検査をしましょうね
ということだったのでお昼から休みを取って
がんセンターに行きました。


本当は超音波診断、という名前があるんですが、
ローラーのようなものになんだかぬるぬるする
ゲル状のものを塗って、おなかをぐりぐりと
されるので、「ぐりぐり」と呼んでいます。

ぐりぐり用の検査室のところに行きます。
ぐりぐり用の部屋は、画像を映す必要があるので
照明はありません。
ベッドがあって、その横にぐりぐり診断装置があります。
ディスプレイに電源が入ると、○立のマークが出ました。
○立って、こんな医療用の機器も作っているんだ、とか。

ディスプレイの中央に扇型の画面が映ります。
ちょうど飛行機に乗って、離陸するときに
機内の画面に滑走路が映るじゃないですか。
あんなふうな感じで、画面が映ります。
飛行機はこれから空に飛びたつ!という感じですが
今日は病院でいまからぐりぐり診察なので
何の高揚感もありません。

やがて主治医が「おかわりはなぁい?」と言いつつ
部屋に入ってきます。
うちの主治医はそりゃもうしゃべります。

うちの主治医しゃべりまくるので
診察時間がやたらかかるんです。
普通国立のがんセンターって外来患者の受け入れは
午前中だけのところが多いのですが、
うちの主治医はやたらしゃべりまくって診察時間が
長くなるので、午後とか夕方も診察をするのです。
(まぁそれで仕事帰りにがんセンターに行けて
助かっている部分もあるんですけどね)

先生、ローラーにゲルみたいなものをつけて
ぐりぐりを開始です。

単に寝ていてぐりぐりだけあるのであれば
別に、の世界なのですが、

検査している主治医から、「はい、体を右に向けて」
とか「今度は左」とか「息を吸って」「止めて」
とか頻繁にしかもじゃんじゃんと指示が出るので
文字通り息つく暇もありません。
しかも、単に横向きではなくて、横向きとうつぶせの
間くらいのななめで体を止めて息をするな、とか
ろっ骨の上からぐりぐりをするとか
結構ハードな診察なのです。

その間、枕元に見えるようにこちらに向けられいる
ディスプレイになんだかよくわかんない灰色の影が
薄くなったり濃くなったりして映し出されます。
それも見なくてはなりません。
患者も結構ご多忙な診察です。

患者のほうは、いったいこれは何?
というようなものですが、主治医は
画面を見ながら「あー」とか「うーん」とか
言います。 
「あー、だから何なんだ。その後をきちんと言え」
とこちらは言いたいのですが。
「どこがどうだとか」とか。

「うーん」と言った後、ずいぶんな間何も言わないので
本当に不安です。

そうしておいて、また元のように、「はい、大きく息を吸ってぇ、、
止めてぇ、、」です。

「前回の採血でもウイルスは消えていたんだけど、、」
主治医が言います。「その語尾の、『ど』はなんだ」

「謙介さんの場合はがんにかかりやすいので、
そのチェックをしないといけないんだが、、、、」
「その語尾の『が』はなんだ」
しばらくの沈黙のあと、、
「うーん、はい、息を吸ってぇ、はい、そこで止めてぇ」


あのねぇ、結論を何一つ言わずに
すべて逆接の接続詞で終わると患者は
不安なんですよ。


こういうときは単刀直入に聞くに限ります。
「先生、がんはあるのですか」

一昨日、がりがりに痩せてしまった
川島なお○の写真を見たところだったので
不安が弥増しになりました。

先生は無言のままローラーでひたすらぐりぐり中です。


「--------」
あるの? ないの? なんとか言ってよ。

「ここがすい臓で、、、」と先生が画面を指さしておっしゃいます。
先生はそういうのですが、画面には
砂嵐というべきか、
なにやらもやったような影しか見えません。

しかし専門家が「すい臓」というのですから「すい臓」なのでせう。

「謙介さんのすい臓はよく見えるけれど、、、、、」
出たまた『ど』だ。

「うーん。まぁ大丈夫でしょう」
まぁ、ですか。
「胆管にポリープがあります」
「知ってます。前の主治医のH先生からも聞きました。
取ったほうがいいですか? 」

「まぁ大丈夫でしょう」

「はい。結構ですよ
今のところ問題はなさそうです」

患者脱力。


あれほど「うーん」だの「~なんだが」と
逆接で人を不安に陥れておいて
最終的な検診結果は
映った範囲内では異状はなさそう、ということでした。

「ただね」
と先生は続けました。
「謙介さんの場合は、ほかの人よりもがんになるリスクが
髙いから、継続して見て行かないといけません。」
ということは言われました。「それとすい臓が若干腫れて
います。胆のうに「石」ではなくて「砂」があります。
ですからやはり定期的にチェックをしておかないといけません」

ということでした。
その後、中央処置室に行って
採血をして帰ってきたのでした。

|

« たぶんこうなるだろうな、と予想はしていましたが | Main | セメン菓子ふたたび »

心と体」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference ぐりぐりの日:

« たぶんこうなるだろうな、と予想はしていましたが | Main | セメン菓子ふたたび »