« 浅春・京都:その3 | Main | 浅春・京都:その5 »

15. 02. 27

浅春・京都:その4

今日はちょっと文体を変えて
書いてみたいと思いますです。


       ×     ×     ×

謙介、はたちあまりのある春のころほひ、
いへにゐてふみなどよみたりしおり、
にわかにでんわなどかかりきたり

でんわにいでてみるに、たかおのあたりに住まいいたす
ともがきにて、

いとさえざえし月夜にはべりさふらふ、
ともがきあひつどいて、月など見はべりたてまつらむや、
いかがにやさふらふとかのかのひとの問ふ

そはまことによき思いつきなり。われもともにせん
とこたふる

亥の刻すぎにその人、わがいへに車に乗りて来たり
かのひとのこと、まわりの人どもは「かーせっくすのすぎやまくん」
などとよびならわし かつうわさしたまへり

われ、かの人に「この車は?」とたずぬるれば、かのひと
にっさんすかいらいんなりとこたふ

くわえてさらに汝(なれ)、この車にて、
しょしょはうばうの女子のもとに通いては、
かーせっくすなどはげみたまふかとたずぬれば
かのひといとけしきばみて「そんなことやせーへんわ」と、
こたふ

われいとあやしきここちなどしてかさねて「ほんまかぁ? 」
などとさらにたずねしに
「だれがそんなこと言うてんねんな」と
かのひといとひどくいかりて言うに

「そやかてみんな言うてるで おさかんにやってはる、とか。
派手にあちこちであそんでんのか」ときけば
「誰やねん、そんなうそばっかり言うて」
とかのひとかさねてこたふ

まえにそのくるまのいすのしたより、こんどーむなど
いでしことありしを、ある人みつけたり、いかがせむや? 
とかさねて問うに、かのひと、にわかにらうばいなどして
「それはなにかの間違いや、わしはしらんがな 
そ、そんなことよりはよ月見行こう。みんな待ってるで」と
いひごまかしたり

謙介いとどいとどあやしきここちなどすれど
「まぁええわ そうしたら行こう」といひて
ともがき4たりとかの「にっさんすかいらいん」にのりて
みやこのにし、まるたまちのみちをにしにむかいたり

くるまはさがのの中をいと疾くすすみたり
時経ずして大覚寺の東、大澤の池につきたり

Oosawanoike1

そのばにてくるまをうちすて、
くるまよりいでていけの畔にちかづきぬ

Oosawa3
(この辺に車を置いたのですよ)


ともがきのひとり、いけの畔にやかたぶね二艘とどまりおりしをみて
Yakatabune
「いざ、いけにこぎゐださん、いかがか」とたずぬる

みな「そはいとをかしきわざなり ふねをいけにこぎいでて
つきみなどしけるは もののあはれなどおぼゆ」といふ

ときは亥の刻、つきはいとさえざえし ころほひまさに
いとおかしきはるのよひなり みなひとふねにのる

かの「かーせっくすのすぎやまくん」ふねにつきしたけざおを
取りていけのそこにつきたて、ふねをすすめたり

やがてふね
いけのまんなかにつきしころ 
つきさらにかうかうとてりわたりて
けしきなどいとあはれなるけはひなり

みなひと「いとどめずらしきけしきかな」
としきりにかんたんしたまへり

そのとき、いけのきしより一条のあかり、
ふねに向かって射したまへり
みなひと「やばい、夜警のおっさんや」とうわさしあへり

「どないしょ」とみなあせりまくりたるに妙案なし
そのときあるひと
「そうしたらいけの北西におっさんをおびき寄せといてやな
今度は逆方向に必死で漕いで戻る この方法でどや」ときくに
みなひと「それでやってみよ」などといふ

ふねに4本のさおありて、みなそのたけざおをもちて
ふねを前にすすめたり
しかしてふねあまりはやく えすすまず
きしべよりおっさんいくどもあかり照らしだす


Oosawa4
(この写真の左端の辺までこいだでしょうか)

されど、みな「ひっしのぱっち」でふねこぎたりし
ふねやうやう速度をまして前にすすみはじめたり

おっさん、北東に向かって走り出すを見て
ふね、こんどは南西にむかってこぎはじめたり
みなひとちからをあわせてふねをこぐ
ふねはじめはのろのろとすすみたるが、やがて
みなちからをあわせてこぎしため、おいおいに
そくどもましはじめたり

やうやうきしべみえたり
「もうちょっとやそれ」と、みなこころをひとつにしてふねをこぐ
ふね、ようやくきしべにつきにけり
みなひと「速攻で」ふねよりおりて
くるまのもとに疾くはしりもどりつ

「かーせっくすのすぎやまくん」あわてふためきて
くるまのえんじんなどかけ
いそぎてその場からはなれたりしとかや
みなひとあせりまくりたれど、よきおもひでにやあらむ

そのはるのよひより、としつきいととくへて
ふたたびわれそのいけの畔にたちぬ


ともがらすでにちりぢりになりて
いくたりかはゆくへもしれず

ただただわれいとなつかしきここちして
そのことをここにしるすなり


(今日聴いた音楽 12月の雨 歌荒井由実
 最後の部分のリフレイン 時はいつの日にも
 親切な友達 というところが良いですね)


        


|

« 浅春・京都:その3 | Main | 浅春・京都:その5 »

おでかけ」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/91870/61192800

Listed below are links to weblogs that reference 浅春・京都:その4:

« 浅春・京都:その3 | Main | 浅春・京都:その5 »