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14. 09. 28

高野山へ(4) 霊宝館から金剛峰寺へ

さて、お昼ご飯もおただいたので、
もう一度大門のほうに戻ります。

途中に来年の1200周年を記念した特設ギャラリーが
できていました。
1200

中は2つに分かれていて
写真展ができるような展示スペースと、お茶をいただける
休憩スペースになっていました。
ここには石造のこうやくんがいました。


Gyarary

それから↓これは大師教会です。
Taishikyoukai


たとえば真言宗で言いますと、
高野山大〇で教えている密教学と
一般の「お大師さま」の信仰とは全然別物です。

いつも言いますが
もともとの仏教にはお盆とかお彼岸などというような
行事はありません。

あれは日本の仏教が
仏教を広めていく過程において日本の土着の
信仰を取り込んだ結果ですもんね。

なので仏教系の大学で教えている仏教学の
講義ではお彼岸だのお盆というような行事に
ついては習いません。あれは民間信仰で
あって本来の仏教の行事ではないから、です。

それが証拠に謙介の知っている仏教学の
先生なんて、「お盆やお彼岸なんて
坊さんのアフターサービスや」とはっきり言って
いました。本来の仏教では人は死んだら
極楽に行っておしまいです。それっきりです。

大学で学習する仏教学と
一般の人たちの間で信仰されている仏教は
全くの別物です。


しかし、
学問としての密教学ばかりやっていきますと、
宗教の根本である民衆への教化
ができにくくなります。

それだけではありません。そうした民衆が
宗教の経済的基盤をも支えています。
ですから一般への教化はそういう経済的な
側面からも大切なものになるのです。
(そういう側面はあまり宗教教団は
言いたがりませんけどね。)

そこで、一般向けの
分かりやすいお話をする必要が出てくる、ということで
ここはまぁそういう真言宗の大衆向け教化センター、ということですね。

日本全国に弘法大師の伝説がありますね。
歴史学的に見ても、こんなところに空海さんは
来てないやろ、というようなところにまで
弘法大師にまつわる伝説・伝承はあります。

それはどうしたことか、と言えば、
高野聖という人々がいたからです。

この高野聖の人々が全国各地を回って
高野山へのご寄進をすすめたり、弘法大師信仰を
説いて回ったのです。その過程で、そうした
それぞれの場所と弘法大師にまつわる伝承が
できていったのだと思います。

そうした大衆への教化ということで
高野聖の果たした役割は非常に大きいのですが、
こういう宗教者は反面「胡散臭さ」も結構あって
そういうところから歴史の中ではあまり語られ
なかった、側面があります。

たとえば「牛に牽かれて善光寺参り」という言葉が
ありますが、あんなもの、牛とは全然関係ありません。

高野聖のように善光寺の信仰を説いたり
善光寺への寄進をすすめてまわった人に
「御師」(おんし)という人たちがいました。
そうした御師の先導で善光寺をお参りしていたのです。

おんしに牽かれて善光寺参りだったのが
いつの間にやら「おんし」が発音の近い「うし」になってしまって、
変なことになってしまいました。

それはともかく。
古いお寺で庶民の信仰が篤い、と
されるお寺では、こうした高野聖とか御師と呼ばれるような
大衆教化に尽力した人が
日本中をまわって信仰を説いてまわっていたからですね。

それが今に各地に弘法説話とか伝承を残している
ということになったのでしょう。

話をもとに戻します。

前にも言いましたが、高野山の街の主役はあくまでお寺であって、
その間に民家がある、という感じです。

道路もお寺の配置の都合によって曲がっています。
Macihnami


高野山の霊宝館に行ってみました。
Reihokan

そこここにこうやくんがいます。
Koyakun

謙介、正直なところ、美術館とか博物館へ仏像を見に行くのって
あまり好きではないんですよね。


秘仏の特別展示とか言われて、興味を惹きそうなものが
あればまぁ行きますけど。

基本的に仏像は祈りの対象なのだから
そのお寺で安置された状態のところに行って参拝したり
拝見してこそ、本当のその意味が分かる、というものだと
思うんです。

確かに、美術館のガラスケースの中で見たら
お寺では見えないような光背のさらに後ろとか、
近くまで寄れますから、細かい細工とか
分かるかもしれません。

でも、昔の人が信仰したのと同じ視点で
仏像を拝む、お寺独特の雰囲気、
その暗さ、状態の中で拝見する、

仏像はお寺での礼拝のために作られたのですから
一番その「ために」に合った形で拝見するのが
いいんじゃないかなぁ、と思うんです。

美術館への出陳という場で見るのは、なんだかデパートの
うまいもの大会に行って、よその地方の名物を
買って食べるのと同じような気がします。

よその名物だってデパートで買ってくるんじゃなくて
実際はその土地に行って
その地方の人たちの方言とか空気を感じながら
食べるのが一番だと思うんですよね。

近鉄のホームの売店とかデパートの全国うまいもの大会で
赤福を売っていたのを買ってきたとしても
伊勢内宮の参道の赤福のお店で食べるのと
売店で買ったのを家で食べるのではどこか違うように思います。

赤福と仏像を一緒にしてはいけませんけれども、
仏像というものはやはり本来は美術館とか博物館じゃなくて
その所蔵されているお寺に行ってみるのが
一番じゃないか、って謙介は思うんですよ。


高野山はもう空海によって開かれて1200年に
なります。その間いろいろなお寺ができては
なくなり、なくなってはできました。


これが高野山の霊宝館です。
Reihokan2

宇治の平等院鳳凰堂をモデルにして作った
建物だそうです。
本館は大正時代、新館は昭和になってから
それぞれ建設されたとのことです。

ここに収蔵されている仏像は、高野山の寺宝を展示する
という当然の目的はもちろんのこと
その1200年の歴史の中で、
もともと安置されていたお寺が無くなってしまったり
保存状態が悪かったので、それを大切に収蔵する、
ということでこちらに持ってこられたものを展示する
建物、としてできた、とありました。
建物のモデルは宇治の平等院鳳凰堂だそうです。
実はこれ、木造の建物です。
見たところ、鉄筋コンクリート造のように見えますが
それは木造の建物を漆喰で覆っているから、なのだそうです。
要するに、高野山の巨大なお蔵、ということなのでしょうね。
建物の内部は禁撮影だったので写真を撮れなかったのですが
本当に素晴らしい建築でした。
仏像もでしたが、建物が素晴らしかったです。

トイレです。高野山は厳寒の地なので、たいていのトイレにパネルヒーター
が設置してあります。暖房の入るトイレなんて、南国の人間ですから
はじめてみました。
Danbo

ここから金剛峰寺に移動します。
入り口のところには、来年の大法会の立てふだがありました。

Tatehuda

山門ですね。提灯を見て驚きました。五三の桐の紋どころです。
豊臣家の紋ですね。徳川の世の中になっても、
明治以降の新しい世の中になっても「豊臣家の紋」を使う
というところに、その関係の密接さがうかがえます。
Sanmon_1

金剛峰寺に来ました。
Kongobuji1

早速おまいりをします。
おまいりを済ませて奥の庭を見学しに行きます。
奥に向かう長廊下です。
Rouka


長廊下のわきにあった庭です。

Niwa1

そしてこれが奥の庭。弘法大師御入定1150年記念で
作られたお庭で、蟠龍庭(ばんりゅうてい)というお庭だそうです。
紅葉がそろそろはじまったかなぁ、というところでした。
Niwa2


この石は四国の青石、と説明にありましたから
愛媛県の東部から運んできた石だと思います。
Niwa3


奥の書院でお茶の接待を受けました。
これはその書院に飾られていた、儀式の時の装束です。
Shozoku2


麩菓子とお茶の接待でした。

Fugashi1

麩菓子を開けてみます。
Fugashi2_1

一休みののち、今度は台所へ。
一時いた妙心寺の台所もそうでしたが、
お寺の規模が大きくなると、やはり台所も大きくなりますよね。
紙を貼っている四角な設備は、今風に言えば換気ダクトです。
ここから煮炊きの蒸気を逃がすようにしていたとか。
紙が貼ってあるのは、蒸気の水蒸気を紙で吸い取るためだそうです。
さすがの知恵ですね。
Kuriya1

光取り、で、屋根の一部が開けられています。屋根裏の収蔵も
あるし、防火対策を兼ねた梯子がかかっています。
Kuriya2


大きな流しですね。
Nagashi


かまど。
前にも真言宗は神道も含んだりしています、ということを言いましたが、
こんなふうにお寺の台所に火の神さまを祀っていたりします。

Okudosan1


金剛峰寺の中を歩いていて、そういえばここにも来たなぁ、と
思い出しました。

Mon


さて、ここからは高野町の中を歩いて、奥の院に向かいます。
今日はここまでにします。

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