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14. 07. 14

大和魂の意味

オリンピックの時とか、ワールドカップの
日本人のサポーターとか見ていると、応援の一環で
たまに(いやしょっちゅうか) 鉢巻をしている人がテレビの画面に
映ったりします。

で、その鉢巻の中に「大和魂」って書いてある鉢巻を
見たりすることがあります。

おそらくみなさんも大和魂の鉢巻をしている人を
見たことがあるんじゃないでしょうか。

ところで質問なのですが、大和魂の言葉の意味、
知ってます?


武士道とか、日本人の持つ不屈の精神とか闘争心とか
根性とかああいう精神を表現したような意味のように
思っていませんか?

そう思っているのであればそれは間違いです。
それは大和魂の意味ではありません。

そもそもが大和魂という言葉で一番古い記述は
いまのところ誰か書いたものか知ってます?

紫式部さんなんですよ。

源氏物語の中にその大和魂が出てきます。


式部さんは光源氏に
「才を本にしてこそ大和魂の世に用いらるる方も強う
はべらめ」と言わせました。 

大和魂をこの世でよく働かせるためには
学問があったほうがよろしいでしょう。」ということです。

みなさんのよく知っている逸話に
枕草子を書いた清少納言と紫式部は非常に仲が
悪かった、という話がありますよね。


紫式部日記に清少納言のことを
「ちょっとくらい漢字を知ってるからと言って得意げに
あちこちでワーワー喋り捲って、
自分が教養があるのをやたら誇示しまくっていけ好かない女だわ。」と書いて
あります。

で、そういう清少納言のように漢字を知って
漢籍の(中国の詩文)読めるような教養を漢才(からざえ)
と言いました。

それに対して、そうした中国のものでもなく、加えて
学問でもなくて、ちょうどその180度対角線上にあるような
日本人としての生活の知恵とか心遣いのこと
を式部さんは大和魂と呼んだのです。

そういう生活上の知恵があるとか、細かな
心配りができる人間になるためには
まずその人に学問とか教養というようなものがきちんとあって
その上にはじめて成り立つものだから
「大和魂を働かせるためには学問があったほうがよい」
と紫式部さんは言ったわけです。

繰り返しますが
大和魂とは決して日本人が持つ根性とか不屈の精神というような
意味なんかではありません。言ってみれば生活の上での
気配りとか生活の知恵のようなもののことを
大和魂、と言ったのです。
大和魂とはそういう意味です。

謙譲の精神とか、相手に対する心配りのようなものなのであって
闘争心とか根性とかそういうようなものとは全然違うものです。


ひょっとしたら一番スポーツなんかとは縁遠い言葉かもしれません。

大体が大和魂、という言葉の用例も、そういうふうに
最初、紫式部とか今昔物語といった中古文学(平安時代の文学)
で遣われた後、とんと用例がなくなってしまいます。

中世には大和魂という言葉は出てきません。
それからずいぶんが経過して江戸時代ですから近世になって
再び用例が出てきます。

それでもまだ、近世の大和魂は、中古の意味を持っていたのですが、、。
それでもあの時代は武士道、というものがありましたから
それと結びついて少しずつ意味が変わってきていたのでしょう。

それがはっきりと大和魂の意味が変わったのは
江戸期に国学があって少しずつ変化をしていたのが
明治になってから近代国家になっていく過程で
富国強兵政策をとるようになってから一気に変化をしたのだと
思います。

だから本当の大和魂というのは
最近のことでいえば、ワールドカップの試合後に自分たちのいた
観客席のゴミの清掃をして世界中から称賛されたあの行為とか
おもてなしの心とか、ああいうようなもののことを指すのです。

よく漢字の意味を知らない外国人が、日本人から見て
理解不能な熟語のTシャツを着ていたり、意味不明な
四文字熟語をタトゥしている人のことを日本人が変だ、って
面白がっている記事を見かけますが、、。

でもねぇ、ネイティブな日本人だって
大和魂の意味でさえ結構誤解しているような人が
すごく多いので、外国人のことは言えないんじゃない?
って思ったりするんですけれども。

(今日聴いた音楽 ブーツを脱いで朝食を 
 1978年 西城秀樹 この曲もそうですが、
 ブルースカイブルーとか 結構このころの
 西城さんの歌は好きでした。)
 

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Comments

謙介さんのブログは毎回、目から鱗が落ちまくりますね。知らないことばかりで、でも、知る喜びを教えてくれるのも確かでとてもありがたかったりします。

ブルースカイブルー、大好きでした。
と言うか、あの頃の西条さんの曲、結構好きです(野口さんも好きですが)。
でも僕は不倫の歌と知らずに口ずさんでいたら、姉から『何の歌かわかってんの?』のちょっと小馬鹿にされたのを思い出しました。

Posted by: takenii | 14. 07. 15 at 오전 7:49

---takeniiさん
西城さんはブルースカイブルーを20代で歌ったのですが、もしかしたら、今くらいの
ほうが歌の歌詞から言っても合っているような気も少しします。
若い時、相手を見ているようでいて
ちっとも相手のことなんか考えに
入っていなくて、自分の情熱だけを
相手に対する愛情と錯覚して一方的に
押しまくった、そういう自分をようやっと
客観視できるようになって、あのころの
相手のこともようやっと考えられる余地が
出てきて、、っていうような歌ですね。
大和魂、意外とみなさん、誤解している
方が多いように思ったんです。
今回、ワールドカップ関連で
結構その大和魂の鉢巻をしている
人をテレビで見たので、あ、もしかして、
違う意味でとっていないかなぁ、と思って
今回書いてみたのでした。

Posted by: 謙介 | 14. 07. 15 at 오후 10:25

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