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14. 02. 05

アイスクリームが苦い

昨日も書きましたが
申請していた医療費の補助が受けられる、
ということになりました。

2月4日付で申請が許可されて
いまさっきその証明書が到着しました。

ひとつ大きなハードルを
越えることができたかな、と思います。

こういうことって、ひとつひとつハードルを
クリアしていかないといけませんね。


ただ今回の治療も本当のところは
主治医の強力な推奨があったから、
謙介もようやっと重い腰を上げた、というところが本心です。
正直、主治医の気持ちと、患者である謙介の間には
相当の隔たりがありました。
患者としては今回の治療はあまり積極的に
したくはありませんでした。
前向きにはなれませんでした。

なぜ治療にあまり前向きになれなかったのか、
と言えば、前々回、前回と経験してきて
この治療の途中で起こる副作用が
非常にきつくて耐えられるだろうか、
という不安がずーっとあるからです。


病気について今までに3度治療をしてきました。
その間に医学の進歩もありまして
治療の方法もずいぶんと変化をしました。

最初はインターフェロンの注射を毎日打つ、と
いうものでした。

それから2日目の治療の時は、インターフェロンを
週3回打つ、というのに変わりました。

それから暫くするとインターフェロンを体の中に
長期間とどまらせることができるようになったので
注射は週1回となって、一緒にリパビリンという
薬を毎日朝晩飲む、という方法になりました。

最初、インターフェロンの注射だけでは治癒率は
3パーセント程度だったのですが、
インターフェロンとリパビリンの
併用療法についてはマスコミ報道は
治癒率が60パーセントです、と、
発表されていました。

しかし実際のところは、あまりにきつい方法のために
途中で脱落者が大勢出て、そういう途中でやめた人も
分母に入れて計算し直しをすると、
実際は40~50パーセント行くか
行かないか、というあたりだったようです。

で、謙介の場合は1年やって、効果がなくて、
結局特別に延長をしてもらって1年半続けましたが
結局効果のないまま終了しました。

ただ、この時の治療は一番副作用がきつく出ました。


特にひどかったのは、発熱と貧血と皮膚の発疹と
食欲不振と脱毛でした。

中でもご飯が食べられない、という食欲不振は
体力の影響に直結しますから、相当にきつかったです。

実際は食欲がなくなる、というより、食べたときの 
味覚が変わってしまうのです。

アイスクリームを食べて味が苦いのです。


途中で一度、お見舞いにケーキをいただいたのですが
イチゴショートのケーキを食べてもただ苦いだけでした。
ケーキがゴーヤーみたいな味になってしまうのです。

甘みがほとんど感じられなくなってしまいました。

それからすっかり食べ物の嗜好が変わってしまいました。
今まで好きだったはずのものが全然食べられなくなってしまった
ということもありました。

小魚の佃煮とか好きだったのですが
それが全然食べられなくなりました。
食べると吐きそうになったりとか。

途中で友達が体力をつけないといけない、と
励ましてくれて、焼肉屋さんに行きましたが、、
焼肉のたれが全然甘辛く感じないのです。

普通なら甘辛い焼肉のたれが塩辛いだけ。
最後はもう焼肉にレモンだけ絞って食べる
ということになってしまいました。

そんなふうでしたから何を食べてもおいしくありません。
食事がおいしくない、味も感じられないから
自然に食欲がなくなります。
食べたい、という意欲もわきません。

ということで体重はどんどん減っていきました。

何度かお話しましたが、もう体力の4割くらいを
吸い取られてしまいます。

薬の副作用で、赤血球を壊していくので
大体血液1リットル抜いたのと同じくらいの
貧血状態になるそうです。


階段で2階に上がるのさえ、途中で
一度休憩しないと目の前が真っ暗になって
歩けなくなります。

ご飯が食べられない、加えて貧血ですから
立ち上がる力さえなくて
何をするにもそこいらじゅうのものに
しがみついてようやっと立ち上がって、、
というふうになります。

ほかの副作用として、髪の毛はどんどん抜けましたし、
皮膚は発疹だらけで、カサカサになった部分も
あるし、歩くのはふらふらになるし、、でそれはそれは
ひどい状態でした。

なので、今だったら普通にできることが、いざ治療が
はじまるとひとつのことをするのさえ簡単ではなく
ものすごく時間がかかってしまうようなことになります。

前の治療の時、同僚が後から振り返って、
「あのときはげっそりとやつれ果てた感じで、、
本当にひどかったねぇ、、」と
言ったほどでしたしね。

そんなしんどくても、まだ薬の効果が出ている
というのであれば、
気持ちも多少は前向きになれたのですが
1年治療をしてきて、「薬、効いてないね。」と
主治医に言われた日には、、。
もうがっくりとしてしまい、
(効果がなかったので一応、半年延長はしましたが
最終的に効果がなくて)効き目はないわ、
身体はボロボロになるわで
本当につらかったです。

そういうきつい副作用をまたしばらくの間
経験しないといけないのです。

それから、今回試す新薬は、もし、この新薬を使って
効果がなかった場合は、この系統の薬剤は
使えない、ということが明らかになるだけでなくて、
目下最終段階に入っている2年後くらいに
今の薬の発展形で出るらしい新薬についても
耐性ができていて使えない、ということになります。
ですから今回の薬についても使用に慎重な患者さんも
結構います。


だから今回は見送って2年後のさらなる新薬の発売を待つ
という人もいます。次の新薬はこの副作用のきつい
インターフェロンを使わない、という薬なので
そちらのほうがもっと楽かもしれません。

ただ、先のことは分かりません。
今のところ、2年先の新薬開始予定ということですが
それとて予定でしかありません。

人間って先のことを考えるとなったら
つい、自分の都合のいいように考えがちになります。
将来が自分の都合のいいようにうまい具合に
なればいいですが、、確かにそういう可能性もありますし
もちろんうまくいかない可能性だってあります。
だからわかりません。

謙介、それで今までに何度失敗してきたことか。(笑)

自分の都合よく予想とか想像をしていて
その想像が大きく外れてしまって、、
困ったり失敗したり、ということも多々ありました。

なので、今回は現実を考えました。

シメプレビルは1月7日から
利用開始になりました。補助が出ています。
これは現在の事実です。

現実にそうできるのであれば、
それを使って今できることをしよう、
という判断になりました。

ただまぁ今回の治療ではどんな副作用が出てくるのか、
前の時から10年経っていますし、あの時と身体の
状況も違いますし、今回はもうひとつ新たな薬も
入ってくるので、どんなふうになるか分かりません。

ただ今回の治療が以前と違うのが、期間の長さです。
前は48週 つまり1年間、ということでしたが(とかいいながら
結局1年半やりましたけど。) 

今回の治療は「半年」が基本なので
うまく行けば7月の末に終了、ということになります。
7月の末だってもう十分に暑いといえば暑いのですが
それでも8月に入る前には終わりそうです。
以前の1年半に比べたら、
ずいぶん体の負担も少ないのでは
と思います。

とりあえずこれを使わなければ治る見込みはないので
まぁ、がんばってやってみよう、と、いうことになりました。
本当は来週からでも良かったのですが、
京都の恩師のところに行かなければならない用事が
2月15日にできましたので、それを片付けてからの
治療開始になりそうです。


どうなりますことやら。(笑)

(今日聴いた音楽 again... ギター演奏 押尾コータロー
 なんだかこの曲を聴くと、ホッとします。 ラジオの
 かんさい土曜ほっとタイムのテーマ音楽だから
 ですかね。)


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心と体」カテゴリの記事

Comments

本当に謙介さんはサラリと書いているような感じはしますが、本当はいろんな葛藤があったんでしょうね。

謙介さんとは比較にもなりませんが、僕も今月は胃やら肝臓、おまけにストレスでご飯が食べられず、たまに食べても味がさっぱりわかりません。大好きなアイスクリームもケーキも食べていません。つらいですよね。好きなものの味がおいしく感じられないなんて。

今度は薬が効いて、一緒にアイスクリームやらケーキを『旨い!旨い!』と言いながら食べましょう!そんな日が来たらいいなぁ、なんて思ったりもしていますよ。

Posted by: takenii | 14. 02. 06 PM 4:47

お久しぶりです。

食事したいけど、吐き気などからどうしてもできないができない。でも、栄養を欠かしてしまうと、人体に影響してしまいますよね。だから、食べないわけにもいかない。その悪循環に対する大きな葛藤が食事のたびにあるのではないかと思います。

栄養補給の方法はいくつかあると思いますが、その選択が謙介さんにとって最良なものであるように願っていますよ。

おいしいものがおいしいと当たり前に言える、食べ物の制限がなくなる、そんな日がくればいいですね。

Posted by: ヒシ | 14. 02. 06 PM 8:47

食べられないって辛いですよね。私も何故か右こめかみに1円玉のハゲが・・・美容師さんに指摘され愕然としました、今も治ってませんが気にしないようにしています。いつか治るでせう。
こけら落としDVD\80000、ブルーレい\90000也。
母に幾らだと思うかと問えば「\20000」値段を伝えたら「高!!」それじゃ数が売れないのでは?
高くても買えない貧乏人に用はないってことですね。さすがシブチン松竹・・・歌舞伎が残って松竹が倒産なら良いのですが道連れになりそうで嫌です。役者さん酷使され過ぎですから

Posted by: ゆき | 14. 02. 06 PM 9:13

---takeniiさん
ありがとうございます。
昨年、新薬がこうやって承認されて
とりあえず使えるようになった、ということ
2、3年前に承認された薬よりは
それでもずっと使いやすい薬ですし、
飲みやすい(便利さというところで)
薬なので、副作用はいろいろ起こると
思いますが、トライしてみることに
しました。
厳密にはシメプレビルとリパビリン
インターフェロンが3か月、その後
インターフェロンとリパビリンの2剤
併用を3か月、ということのようです。
希望を持って治療を始める、
願いを持って治療を進める、
というのはやはり体にもいい影響が
あるように思います。落語を聞いて
笑いながら生活すると体の免疫機能も
向上するとかいいますよね。
takeniiさん、お会いしたらおいしいものを
食べましょうね。楽しみにしています。
それから、リンク、こちらもいたしました。
どうぞよろしくお願いします。

Posted by: 謙介 | 14. 02. 06 PM 10:52

---ヒシさん
年賀状ありがとうございました。
こちらこそすっかりご無沙汰ですが、
お元気そうでよかったです。
前にがんセンターに入院した時も
みつまめの缶詰とか、パイナップルの
缶詰とか、後、食欲がなくなった時に
ご飯にかけようと思って丸美○のすきやき
ふりかけ(これが好きなんです。)とか
たくさん持っていったのですが
全部食べられずに持って帰ったことが
ありました。薬の副作用がきつくて
食味さえ変えてしまった、ことに後から
気がつきました。
今度はどんな副作用が出るのかわからない
のですが、期間が前は1年半だったのに
対して、今度は半年、と3分の1に
なりました。多少は身体への負担も
少ないかなぁ、と思っています。
とりあえず今のうちに食べたいものは
食べておくことにしています。

Posted by: 謙介 | 14. 02. 06 PM 10:58

---ゆきさん
それはストレスから、でしょうか。
ゆきさんは文章を拝見していて
非常に誠実でいろいろなことを
真正面から真剣に考えている、という
印象があります。そういうことですから、
人一倍、考えたりするので、
そういう身体的な反応が出てきて
いるのではないでしょうか。
DVD8万ですか? もうぼったくり
というのか、そこまで行ったら
詐欺みたいなものです。

で、おまけにDVDだのCDだのって、
よく持って30年くらいです。
長期保存には耐えられません。
前から謙介何度も言っていますが
DVDの表面にいろいろと写真だの
レーベルを印刷しているでしょ
あのインクが30年くらいの
間に裏面にまで浸みだしていくわけです。
原理としては裏面にレーザー光線を
当てて読み取りをしているわけですが
裏面にインクが染み出すために
正確な読み取りができなくなって
持っていても仕方ない、というような
ことになります。
ですから図書館なんかでは
CDとかDVDは消耗品で買っているところも
多いのです。 
そんなあほらしい記憶媒体に、8万だの
9万だのという価格をつけて、、、
本当に「ふてえ了見だなぁぁぁぁ」ですね。

Posted by: 謙介 | 14. 02. 06 PM 11:14

治療の補助が受けられるとのこと、おめでとうございます。
病も身のうちですから、治療では体を痛めることもあるのだと思います。
今夜から明日にかけて、全国的に大雪だとか。
どうぞ暖かくしてお過ごしください。

Posted by: mishima | 14. 02. 07 PM 9:50

---mishimaさん
さっき仕事場の街から実家に移動したのですが、降雪で高速道路は不通、国道もトラックが事故を起こして道路をふさいだとかでものすごい渋滞。致し方なく、瀬戸内海沿岸をずーっと通って帰ってきました。6時間かかってしまいまいました。治療も今度で4回目になります。副作用でしんどいだろうと思うのですが、少しでも楽しみを見つけて、すごしていきたいと思います。ありがとうございます。

Posted by: 謙介 | 14. 02. 08 AM 12:19

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