« 行動を推理してみると | Main | 海王丸 »

13. 12. 02

さて、どうするか、たって決まってるんですけども

今日は月曜だったのでがんセンターへ行く日でした。

実は、つい最近、肝臓についての新しい薬が
治療利用に承認されました。
やんせんふぁーまという会社の出す
そぶりあーと(100mg)という薬です。

この薬は、主治医が2、3年前から出る出る
と言っていた薬です。
こっちは「出ない、出ます、出る、出るとき、出れば、、」
って茶化してたんですが、ついにご登場の運びと
なりました。

そういう新薬の開発に関して、主治医の話では
日本はまだまだ全然ダメで、今回も薬の会社の
名前の通りで外国の会社が開発した薬、なのだそうです。

3年ほど前にも肝臓の薬で「てらぶれびる」と
いうのが出ていて、その薬を使った場合の
治る確率というのが以前よりも
上がってきてはいました。

ですが、その薬については
ここでも何度かお話したように非常に使いづらい薬でした。
食後に服用の薬なのですが、その服用の間隔を
8時間厳密にあけなければならないのです。

ですから、朝食を朝の4時に食べて、
お昼を12時、夕食を晩の8時に、としなければ
なりませんでした。 朝の4時にご飯となると
3時半に起きて、ということになります。

で、朝の4時にご飯を食べるのが嫌ですと、
朝が6時としたら、お昼は午後2時になって
夕ご飯は晩の10時ということになるのです。

入院でもして治療目的だけで生活するのであれば、
それでもいいのでしょうが、通常の生活で朝の4時に
ご飯、、ってねぇ。

さすがに新薬が出たらすぐに薦める主治医も
この薬については、ちょっとこれはダメです、と言って
薦めようとはしませんでした。

「その代り、今、新しく作っている薬が
おそらく2,3年後に出るから、それだと
そういうことはないでしょう。もっと自然な形で
服用できると思うからそれが出たら
治療しましょうね。」と言われていたのです。

で、その主治医の言っていた薬が、今回
承認された、ということです。
本来は来年の3月に承認の予定だったのですが
半期前倒しで、9月の末だったか、10月はじめの
承認になった、と聞きました。

前の薬で問題だったドラッグコンプライアンス(服薬遵守)ですが、
これは1日1回朝食後だけ、ということのようですから、
むちゃくちゃなことにはならないで済みそうです。

ただ、謙介の心配しているのは
副作用の問題です。

今回の薬は単独に使用するのではなくて
インターフェロンの注射と、リパビリンという
薬とその新薬の三つを使います。
インターフェロンの注射を週に1回して
リパビリンという薬を朝夕2回飲んで
この新薬を朝だけ1回飲む、ということです。

前回はインターフェロンとリパビリンの2つだったのですが
それだけでももう体力の6割くらいを持っていかれてしまう、
という感じでした。

階段を1階から2階に上がるだけでも
途中で休憩しないと上がれないのです。
貧血が起こって、ちょっと何かをしようと思って
立ち上がっただけで目の前が真っ暗になって
しまいます。

頭髪もごっそりと抜けてしまいました。

それから食欲がほとんどなくなります。
皮膚がかさかさになって
やたらかゆくなりました。

中でも一番ひどかったのが体力がなくなることでした。
主治医からは治療が終わったら回復しますよ、と
聞かされていたのですが、結局、元通りに回復した、
という実感はあまりなくて、前のように体が動くようになるまで
4年くらいかかりました。

同僚も後から、「本当にあの時はひどい状態だったね。
げっそりやつれ果てていた。」と後後、何度も言っていましたし、、。
誰が見ても本当にひどい状況になるのです。
今回も同じ薬を使用するわけですから、
またその繰り返しになると思われます。

いつも治療をするときに感じるのですが
治療を受ける側としては、体力とか体調とか身体の状況全般を
やはり考えます。

ところが主治医は肝臓の病気の治療のことしか
念頭にありません。

体調が最悪になるとか、仕事ができない、ということについては
全く考えてもらえないのです。

肝臓はよくなりました。しかし体中ががたがたで
倒れそうです、ではいったい何のための治療なのか
わかんないではありませんか。

それから今回の新薬を使った治癒率は90パーセントを越える
というのですが、それも、本当のところはどうなのでしょう。

副作用がきつく出て、途中で治療をやめた人の数字は
カウントされていません。それから、そのデータ自体も
何万人、という単位ではなくて、何十人、という単位です。

まるっきり車の燃費みたいなものですね。
謙介の恩師が今、トヨ○のアク○に乗っていますが
夏場クーラーをかけて、京都市内を走行したら
燃費はリッターあたり25,6キロだ、って言っていました。

宣伝では30キロを超えたみたいに言っていますが
「そんなに行きますかいな。」というのがうちの恩師の言葉です。

それと同じで、9割超えた、っていってもそれは
治験段階で、実用になったら、もっと割合は下がるでしょう。


後、経済的な問題もあります。

その新薬の値段を聞いて思わずがんセンターの内科外来で
大きな声を上げてしまいました。

今までのインターフェロンとリパビリンの時の支払いが
保険適用で3割負担でも月8万から10万でした。

さっきも言いましたが1日3回8時間間隔で飲まないと
いけない「てらぶれびる」という薬もお値段が結構高くて
1日3回で1万7千円というお値段でした。


それがまぁ今回、その承認になった新薬のお値段が
1回分で1錠が3万1千140円だそうです。
それの半年分。180錠としてそれだけで565万2000円♪

この薬がその公的な補助の適用薬になるかどうか、
という問題があります。
(主治医はおそらく適用になるだろうとは言っていますが、
まだそれが正式決定したわけではありません。
あくまで今のところは未定です。)

加えて、謙介自身が、申請して公的な補助を受けられるのか
どうか、ということもあります。
予算の関係で、「あんたはダメ」と言われる人もいますから。

しかも今までの事例を見ていくと
謙介のように何度もやって治癒しなかった人より
初めて治療をして治りそうな人を優先するようになっています。

前にもお話したように、病気の治療の成果なんて
主幹は厚生労働省なのではありません。

そんなもの、現実的な話、主幹は財務省です。
厚生労働省がいくらこうしたい、と言っても、
財務省が「金がありません、ダメです。」と言ったら
すべてはアウトですからね。

病気の治療を経験して、本当にこういうことって
すべてはお金次第だなぁ、ってやはり思ってしまいます。

主治医は気忙しい人なので
もう謙介は「新薬の治療はするもの」と思っているようですが、
こちらとしては、治験段階ではなくて実用段階になって
種々の問題が起きないかどうか見極める必要もあると
思っています。

インターフェロンの副作用で
うつ状態になって自殺した人がいた、とか
いうようなことも、実際の運用が始まってから出てきた
副作用の問題でしたからね。

初期故障ではありませんが、治療が正式に開始されたら、
きっとその薬のいい面ばかりでなくて
問題点だって出てくるはずです。


公的助成の対象治療法となるのかどうか
申請をして通るのかどうか
という点についてやはり見極めてからでないと
治療にはかかれないなぁ、と思います。

でも、まだその薬の一般的な販売はじまってなくて
おそらく来年の早い時期から、ということのようです。
結局はすべてはそれから、ということなのですが。

後、さらに2、3年待ったら、インターフェロンを使用しないでも
オッケーな薬、というのも出ると聞いています。
今回のこの新薬も、インターフェロンの注射なしでも
使用はいいそうですが、インターフェロン注射をして
さらに服用すると、より治癒率が上がるようで
やはり注射は欠かせない、との主治医の説明でした。
しかし、さまざまな副作用、(体力の低下、貧血
皮膚病、脱毛)ってすべてインターフェロンのせいですからねぇ、、。
何とかしてほしい、というのが本音です。

ともあれ、今はこうして問題点を挙げていますが
そういう問題がクリアできたとしたら
やはり治療を開始する、ということには
なると思いますけどね。(笑)

(今日聴いた音楽 ペイパームーン 歌 大橋純子

 

生きていようね 駄洒落のように
いつか涙流して 笑う日も来る

そう思って治療することにしたいと思います。) 

|

« 行動を推理してみると | Main | 海王丸 »

心と体」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference さて、どうするか、たって決まってるんですけども:

« 行動を推理してみると | Main | 海王丸 »