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13. 11. 08

瀬戸内国際芸術祭・秋会期:小豆島・犬島(4)

土庄から芸術祭用の臨時増発のバスに
20分ほど乗ると常盤橋というバス停に着きました。

ここはその芸術祭の
「肥土山(ひどやま)地区」の作品が
ある場所の入り口になるのです。

まずはじめに見たのは、長澤さんの「うみのうつわ」
という作品でした。 外からは農家の納屋なんですが
入ると、この船がつるしてありました。
この船は西陣織の織り方によって繊維が織られているそうで
さまざまな色に発光するのです。
(ここは撮影禁止だったので、報道の方から
写真をいただいてここに掲載します。こんなの。)

Uminoutsuwa

謙介が作品の船を眺めていますと
係の人が、「乗ってみます? 」と
声をかけてくださいました。
「え? 乗れるんですか?」
「乗って船の中で寝てみてください。」とのこと。
乗って、ゆらゆら揺れる船の中で寝そべってみました。
暗い周囲、蒼くなったり翡翠色に変わったりする船。
胎内というのはこういうものだったのかなぁ、と
ゆらゆら揺れる船に寝転がって、そんなことを思いました。
それはそれはなんだか夢のような幻想的なひと時でした。


ここから今度は、山沿いの道を東に向かって歩いていきました。
Hitoyama1

これはイノシシが田畑に入ってくるのを防止する
「シシガキ」なのですが
そのシシガキをアートにしてみました、という作品。
ウルトラマンやら
仏像ちっくな像がそこここに。
Shishigaki1
ふたたびこんな田園風景の中を歩きます。
芸術作品を見るのも楽しみですが、こうした
のんびりとした風景の中を歩くこともまたこの
芸術祭の大きな楽しみのひとつです。
 
Hitoyama2
で、いきなり、、現れたのが
これは武蔵野美術大○の人たちの作った
わらアートです。
Wara1

ひとつ見て、東をみたら、おやぁ、、
Hitoyama3

こっちはゴリラでしたぁ。
Gorira1

ゴリラを見て、再び田んぼの中の道を歩きます。

この風景、見たことある、という方もおいでかもしれませんね。
ドラマ・映画にそれぞれなった『八日目の蝉』で、この場所が
出てきましたから。虫送りの場面がここで撮影されたのです。
Hitoyama4

この肥土山は農村歌舞伎が盛んで
今も春とか秋に地域の人たちの力で上演されています。
Hitoyamabutai1

これがその舞台です。手前の緩やかな階段状になった
ところに、地区の人がそれぞれござやら敷物を敷いて座って
お弁当を食べつつ、歌舞伎を見る、というふうになっています。

何も都会の大きな劇場で名人・名優の出し物を
見るだけが歌舞伎とか文楽でもないはずです。

こうした地域に根差した伝統芸能を見ることもまた
楽しい経験ではないですかね。
都会の一流の劇場で見るような、
そうしたものとはレベルが違う、といえばそれまでですが、

江戸時代以来綿々と伝えられて演じられてきた
伝統や土地の人の温かみとかおもしろさを直に感じることが
できるように思います。

Hitoyamabutai2

田園の中の道を歩いていると柿を見つけました。
実の色づきはまだもうちょっと、という感じでしたが
枝振りが美しかったので、1枚撮りました。

Kaki

西日に照らされていた家です。
見た感じ、玄関にも雑草が茂っていて、
人は住んでいないようでした。
Ie

道は次第にのぼりになって、山の中へと入ってきます。
何か所か立札に「おさるに注意」というのがありました。
Hitoyama5

作品が見えてきました。

台湾のアーティスト王文志さんの
作品で「小豆島の光」というもの。
5000本の竹を使って、40日で編み上げた作品だそうです。
Hikari2_2

違った角度から見たらこんなふうです。
Hikari8

中はこんなふうに落ち着いた空間でした。
来た人が三々五々、靴を脱いで中で寝そべっていました。
風がとてもやさしく心地よかったです。
Hikari3

夜は光るんですよ。
Shoudoshimanohikari


この小豆島の光は、山間部の一番低いところにあるので
これからバスの走っている道路のある高みに行かなくては
なりません。この辺は湧水があって、その湧水を利用しながら
こうした棚田を作ってきたのでした。
Nakayama1

道路のあるところまで上がって、今度は棚田(千枚田)
を眺めてみました。もう刈り入れも終わっています。
Nakayama2

ここにはさっきの肥土山と同じように
歌舞伎の舞台があります。
Nakayamabutai1

舞台の案内板です。
Nakayamaannai

ここは毎年秋に公演があって、その間近な時期だったので
ちょうど土地の方が準備をあれこれとしているところでした。
この時は特にライティング(提灯の電気がつくかどうか)関係の
チェックをしておいででした。
Nakayamabutai3

こちらが観客席側です。 肥土山と同じように敷物を敷いて
弁当やお菓子を食べつつ、歌舞伎を見ます。
Nakayamabutai6


Nakayamabutai4

ちゃんと回り舞台もある本格的なものです。
香川には現存する日本最古の芝居小屋の
金丸座がありますが、あれだって、こうした各地の
歌舞伎を見る、という文化があったからこそ、
できて存在しえた芝居小屋だと思います。
Nakayamabutai5


大道具や小道具の準備中でした。
お浄瑠璃の大夫やら鳴らし方の場所です。

Nakayamabutai7

それからここはロイヤルボックス。
天皇皇后両陛下もここにいらっしゃって、
中山の歌舞伎をご覧になっています。
Kihinseki

この後が、スリルに満ちた行程でした。
バス停で待っていたのですが、予定の時刻になってもバスが来ない。
10分くらい遅れてバスが来ました。
で、バスは動き出したのですが、、、。

香川のバスは小銭がないときは、乗車中に両替をして
降りるときまでに運賃を準備しておかないといけない
仕組みなのですが、
地方によったら、降りるときに精算する形式のところもありますよね。

今回のバスはそういうことで、地元の人が少ないので
状況がわからずみんな降りるときに精算されるのです。

で、もともと遅れていたバスはさらにどんどん遅れて、、
港に着いたら、、船の出航1分前でした。

桟橋をもう脱兎のごとくというのか、飛鳥(ひちょう)のようにというのか
(はしる豚、というのが正しい。笑)
どどどどどど、と駆けぬけて、船員さんにパスを見せて
席に座るやいなや、船室のドアがバタンと閉まりました。

もし、パスを持っていなくて、乗船券を窓口で買っていたら
おそらくその船に乗ることはできなかった、と思います。
Kousokutei6


と、いうことで、再び桟橋に戻ってくることができたのでした。
Sanbashi


今回の見学、犬島の風景も良かったですし、
小豆島の肥土山の風景も本当に印象に残りました。
肥土山は、ぜひもう一度訪れてみたい、と
思いました。
その時はこうした展示物はもうないでしょうが、
この山と里の風景は心にしみて
印象深いものがありました。

瀬戸内国際芸術祭は展示を見るだけでなくて
こうした山里や海岸を歩きながら
景色を見る、というだけでも
楽しいものでした。

これで1日目の行程は終了です。


(今日聴いた音楽 いんせんよろかじ
 人生いろいろ 歌 島倉千代子
 ♪いんせーんよろかじ なむじゃどーよろかじ
  (人生    いろいろ  おとこもーいろいろ)
 よくソウルのノレバンで、この歌を歌っておりました。
 この方の人生も本当に苦難の連続ではなかったの
 でしょうか。前に、記録を読んで本当に山と坂ばかりの
 人生だなぁと思ったことがありました。 
 つつしんでご冥福をお祈りしたいと思います。 

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Comments

綺麗で幻想的な船ですね。謙介さんの疾走はきっと華麗だったと思いますよ。でもあまり無理はしないで下さいね。私も歌舞伎の遠征に上京すると超山奥在住ですので走るのですが…最近某女優さんじゃないですけど以前のようには走れなくなってます。食品偽装案の上際限がない。
歌舞伎 家と血と藝を読もうかなと謙介さんが紹介していた歌右衛門さんの本も読みたいですね。にわかですのでせめて本で補わなくては…歌舞伎についてもっと知りたいなーと
知れば知るほど松竹には呆れますが!

Posted by: ゆき | 13. 11. 09 at 오후 10:29

---ゆきさん
ご紹介した「歌舞伎・家と血と藝」ですが、今年の8月に出た講談社現代新書ですので、大抵の本屋さんだったらあると思います。定価は1260円です。新書本にすれば分厚い本の部類に入りますが(444ページもありますから)名優の各人の話は、短くまとまった形式で並んでいますので、興味のあるところから先に、読んでいけばいいと思います。(ただ、ほら、好きな役者さんを優先して読んでいきますと、梨園は係累関係がいろいろありますから、適宜その整理もしないと、頭の中がごちゃごちゃになる可能性はありますが。笑)もう松竹は、、三下り半というのか
愛想もこそも尽き果てて、、ですねぇ。
先日のゆきさんのコメントのお返事のところ、ゆき、だなんて失礼な表記になっておりました。ごめんなさい。お詫びします。

Posted by: 謙介 | 13. 11. 11 at 오전 9:52

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