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13. 10. 31

猪熊弦一郎現代美術館:大竹伸朗展へ

先日の台風の日、
実は瀬戸内国際芸術祭の秋期会場の島の
ひとつ、丸亀市の本島に渡ろうと思っていたのですが、
ああいう天候で断念せざるを得ませんでした。

いろいろとスケジュールを調整してみたのですが
今回の秋会期の間に本島に行くのは無理だなぁ、、
と思いました。秋会期が終わってから行きたいと思います。

瀬戸芸参加作品は見ることができませんが
おそらく訪問者も減るでありましょう会期外の分、
島そのものをのんびりと見学することは
できるのではないか、と思います。


とか言いながら、謙介11月の週末って何かしらの
予定が入っていて、、ちょっとバタバタするのですが。

台風はお天道様のことですから、仕方がありません。
本島には渡れなさそうなので、その手前の丸亀の市内で
お茶を濁そう 別の展示を見ようという計画です。

丸亀市。
今やここの名前をつけたうどん業者の店が
日本各地のあちこちにあります。

丸亀に行きました、って言ったら、
え? 丸亀、って地名だったの? 
とか言われたことがあって、、
丸亀製○は知ってても丸亀市は知らない人が
結構いるのだなぁ、と改めて知りました。


あのうどん屋、前にも書きましたが不思議なことに、
丸亀、という名を冠しているのに
丸亀市の中にただの一軒もが存在しません。

香川県内のあの会社の出店地がなかなか興味深いです。
県外の人が多く来て、あ、讃岐うどんの店がある、って思って
騙しやすい場所にしか店を出していません。(笑)

あそこは神戸の企業で別に丸亀発祥のうどん屋でもありません。

 社長の実父の出身地坂出市に隣接し
 讃岐うどんの聖地とされる地名、
 香川県丸亀市にちなんで「丸亀製麺」と名付けた、

とウィキにあるんですけど、、地元の人からは
「そら違うわ、おまはんのぅ、うどんの聖地やゆうんわの、
仲善(仲多度・善通寺)か、まんの(満濃)じゃろが。」
という反論が起こってきそうです。


まぁいいや。よその会社のことは。

で、謙介さんはその丸亀に来たわけです。

丸亀は6万石の城下町で
港町でありました。
こんぴら参詣の人はこの丸亀か隣の
多度津に上陸して、ここから
琴平を目指しました。
そういうわけで、市内に、こういう
江戸時代の道しるべも残っています。
Marugame_030
「すぐ古(こ)んぴら」と書かれています。
(この写真、信号待ちの停車中に車の窓を開けて撮りました。)

「すぐ」は距離的な近さの「すぐ」ではありません。
「まっすぐ」の「すぐ」です。
この道をまっすぐ行くと「琴平」に行きますよ、
という意味です。


丸亀駅、高架になってから、本当につまんない駅になって
しまいました。 ここは丸亀城があるので
白壁のお城をイメージした、ということです。
これが今の丸亀駅。
Marugamesta

こっちが好きだった前の丸亀駅。
この古いほうの丸亀駅って、昭和11年に出来ました。
戦前の田舎の駅(ごめんなさい)にしては、垢抜けた感じがして
前の駅舎のほうが好きだったんですけどね。

179marugame01

さて、おそらく日本中に美術館はたくさんありますが
駅から一番近い美術館がこの猪熊玄一郎現代美術館
だろうと思います。駅の前ですから。
Inokuma4


この美術館ですが、猪熊さんがご存命中に
猪熊さんの意志や、考え方を十分お聞きして
そうした考え方をもとにこの美術館は作られました。
そういう意味では理想的な美術館だと思います。 
Inokuma3

瀬戸内国際芸術祭の開催に合わせて
大竹さんの展覧会が今、この丸亀の猪熊さんの美術館で開催中、
で、それを見に来た、というのが今回のお出かけ目的なのです。
Otakekanban


これが美術館の前部。
Inokuma1

え? お前、今、丸亀駅、って言ったよな?
ええ。それが何か。

これはなんだ。
Otake11

ギャグです。(笑)


実はこれ、今回見に行った大竹伸朗さんの作品のひとつなのです。
大竹さんはここ25年、宇和島に住んで作品制作をしておいでです。
地元に対する愛情のあらわれ、で、これを作ったんだそうです。


大竹さんの展覧会を見るにあたって、ちょっと予習をしておきました。

Marugame_037

ガジャというJR四国が中心となって制作している
季刊誌があるのですが、その56号の前半が
大竹さんの特集のようになっていて、そこで
作品の背景とか制作の意図が書かれていました。
今回の作品は2008年以降に制作された近作の
展示だとか。だもんで、「ニューニュー」なんですね。

でもねぇ、不思議なことに、宇和島においでなのですが
宇和島はおろか、松山でも新居浜でも今治でも
ともかくも愛媛県内で大竹さんの展覧会があった、ということは
一度も聴いたことがありません。

予習で読んだ雑誌の中に都築響一さんと大竹さんの
対談があったんですが、、

 都築:ところで、これだけ世界各地で展示しているのに、地元で
     個展をやらないのはどうして?
 大竹:声がかからないから。 運搬の費用もかからないのにね。(笑)
 都築:ドイツに持っていくことを考えたらゼロに近いでしょう。
 大竹:嘘じゃなくて俺が嫌がってるわけじゃないよ。

まぁねぇ、なんとなくわかる気がするんです。
あそこの街、評価のきっちりとしたものについては、まぁいいだろう
(あくまで上から目線) で、御許可をするんですが、うみのものやら
やまのものやらわかんないもの、とか新しいものについては
すぐにそろばんをはじくんですよ。 あんなわけのわからんものに
金を出すような冒険はしたくない、とか。
もうすっかり古くなった話ですが「世界の中心で愛を叫ぶ」は
実は宇和島が舞台の話です。 宇和島の地理がわかっていて
あの本を読んだら、主人公たちがうろうろした場所がすっと
頭に入るんですが。

で、あの映画を作るときに最初に
宇和島市に話を持って行ったのです。 「宇和島を舞台とする
映画を作りたい。資金の補助として300万出してもらえないか。」って。
そうしたら市長が(いまもその市長ですが)
「そんなわけのわからんものに金は出せん。」で、断られてしまい、
困っていたときに香川から「うちだったらなんでも協力します。
お金も援助します。」という申し出があって、ほとんどを香川で
撮影した、ということになりました。

大竹さんの話を読んでいて、まぁあそこだったら
うーん、そういう「わけがわかんけどおもしろいもの」なんて
認めないだろうなぁ、、とちょっと思ったりしました。
すでに誰か、高名な批評家がこの作品はこれこれの価値が、、
と認めたら、お芸術、って言って許可するでしょうが、、。
大竹さんの作品では、まだ新しすぎて、無理なんでしょう。
大竹さんの展覧会を地元でしない、というのは
そういうことだろうと思います。


入ろうとしたとき、すごく魅惑的な匂いがしてきたのです。
え? どこから? と思って見たら、
美術館の前のピロティのところにある黄色いオブジェに
子どもがまたがってたこ焼きを食べていました。

うわーん、おいしそう。


彼らはいつか大人になったとき、
猪熊玄一郎さんのオブジェにまたがって
たこ焼きを食べたことを覚えているでしょうか。

1階で観覧券を買って、入ります。
それがあなた、観覧券がまた、、こんなの、、。

Nyujyoken1


入り口のところに作品その1が。
時憶・美唄 という作品だそうです。
時憶は Time Memory を日本語に直したもの。

Otake1

2階は猪熊さんの作品の常設展示で、3階が大竹さんの
今回の展覧会のスペースです。
Uchikanban


最初のこの作品はネオン管を雲のようにしていて
とてもきれいでした。 時憶 雲 というタイトルでした。
Otake11_2

これは時憶 ゾーン と題された作品。 謙介は今回の
展覧会の作品の中で、これが一番好きでした。
Otake2

これは モンシェリー スクラップ小屋として自画像、という作品。
去年ドイツの「ドグメンタ13」という世界最大の現代美術展に
出展されたものだそうで、、。これ、運ぶの、相当に大変そうですが、、。
でもなんだか場末の飲み屋のようなごちゃごちゃ感がいいですよね。
謙介の頭の中なんていつもこんなふうです。
Otake3

これはペインティング カールスアウエ公園、と題された連作群。
Otake7

時憶 13 という大作。
Otake5

それからこの小品。時憶と時場というテーマの作品群でした。
前室のちょっと雑然とした雰囲気からはまた違ったトーンの
作品群で、これはこれでいいなぁ、と思いました。
Otake6

全部見終わってまたもう一度自分の好きな作品の前に戻って
もう一度見直したり、近寄って細かいところを見て
また退いて全体を見たり、、。
気がつくと結構な時間が経過していました。

美術館を出ると、お外はもう夕焼けの空になっていました。
先日までの台風がうそのような澄んだ空の色でした。
Inokuma5

       ×      ×

芸術と言えば。

朝日の日展の書の談合記事読みました。

朝日新聞、というところがミソです。

読売は「読売書法展」を開催してますし
毎日は「毎日書道展」を開催しています。

とてもじゃないけど書道界を敵に回すような
あんな記事、絶対に書けやしません。

ですが、朝日新聞は書道展はしていませんから
何のしがらみもありませんもの。

あんなこと、大昔からですよ。
謙介が大学で書を習っていたころだって
すでにああでした。

そういうのが嫌だから、謙介
書道の展覧会に出すの、
降りちゃったわけです。

作品は書くけど、それは謙介の作品がいい、
と言ってくださった方の依頼に応じて書く。
そういうスタイルにしました。

まぁ昔の書家は賢かったので
そんな割り振りのことは
頭の中でやって記録に残さなかった。

お互いに口と目だけで、
「あそこが○点だったら
こっちは○点、それでええな。」
「まぁ、そんなとこやろ。」
「よっしゃよっしゃ。」
で済ませていたのにね。
今回は記録に残しちゃってたから、、ねぇ、、。(笑)

この手の話なんていっぱいあります、って。

どうしても勲章欲しいから、って、
現ナマでお渡ししたら、あまりにあけすけだから
っていうので、2億分くらいの作品を
一括寄贈して、(予定通り)勲章をもらった、っていう
人もいたし。

これも何をいまさら、のパターンのヤツです。

(今日聴いた音楽 ムソルグスキー作曲
 組曲 展覧会の絵 
 ピアノ演奏 スヴャトスラフ・リヒテル 
 1958年 モスクワにおける録音)
 

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Comments

パリのピカソ美術館の中庭にブロンズのヤギがおいてあり、さわっても大丈夫なんです。娘は乗っかって遊んでました。ところが、こちらでピカソ展をやったとき件のヤギも来ていたのですが、警備員さんが立って近づかないようにロープをはって見張ってました。たくさんの人が触ったら大変なのでしょうけど、ちょっとがっかりしたのをおぼえてます。オブジェの上でたこやき、すてきな思い出ですねぇ。

Posted by: アリクイ | 13. 11. 02 at 오전 5:56

---アリクイさん
実は、昨日・今日も瀬戸内国際芸術祭に行っていたのですが、立体のオブジェなんかでは
触れる作品も結構ありました。彫刻とか、立体の作品で、触るとか、その作品そのものに乗ってみる、とかして実際に自分の五感でその作品を感じる、ということがもっともっとあってもいいように思いますよね。作品でございます、って言われて遠いところから眺める、というだけでなくて、実際の作品に触れてその質感も確かめてみる。もうちょっとこんなふうな作品があっても、展示されてもいいように思うのですが、、。

Posted by: 謙介 | 13. 11. 02 at 오후 5:46

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