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13. 10. 23

瀬戸内国際芸術祭・秋会期:粟島(その2)

今年の瀬戸内国際芸術祭は島スープとか、この
コッペサンド舎のように「食べる作品」もあるので
おもしろいです。
場所が「学校」なので、給食の雰囲気です。

Pan1

1日に3回だか売り出す時間がありまして、、 数が少ないので
なかなか当たらない、ということでしたが、うまくタイミングが
あって、いただくことができました。
ふたつお願いしたのです。

一つは、地元の詫間の「へんこつパン」のパン屋さんの
コッペパンにこの辺で獲れた鯛のフライを挟んで
自家製のタルタルソースをかけたもの。 

もう一つは同じへんこつパンのコッペで作ったあんこバター。
鯛のフライを挟んだのが大きかったので、これをお昼にして
あんバタのほうは、お持ち帰り、ということにしました。

お皿もアルミの昔の給食の食器、という感じのものでした。
牛乳、と思ったのですが、もうコーヒー牛乳しか残って
いなかったので、、、。コーヒー牛乳も後3本くらいだったので
何とか、という感じでした。牛乳はもちろん地元の高瀬牛乳。


Pan7

あ、それからジンジャエールもおいしそうだったので
いただいちゃいました。
もちろん、これを炭酸水で割って供してくださるのですが。
このかんきつはなんですか? とお伺いしたら
「はるみ」だ、とのことでした。
このはるみもこの島から近い仁尾の辺でとれたもの、と
聞きました。 地元でとれたものを生かした品々です。

謙介、はるみ、もいただいたことはもちろんあって
名前も知っているのですが、
最近似た名前のかんきつ類が多すぎで、、
はるみ、はるか、せとか、せとみ、
もう何がなんだかわかんなくなっています。

こちらはかんきつ類の一大産地なので、
スーパーに行ったら、毎年新しい品種が並んでいます。

それは楽しみは楽しみなんですが、
マーケットリサーチかたがた出してきて
2、3年売り出したら、また次の品種、というふうに
次から次へと新しいのが出てくるのです。

だから、品種の名前を覚えられないのです。 
というのか覚える間なくまた新しいの、という感じで、、。 

Cupe


でも同じ言葉なのに自動車のほうは「クーペ」で
パンのほうは「コッペ」なんですよね。(笑)
 
縫うほうは「ミシン」で、単なる機械は「マシン」と
まぁ聞いた人によって発音が違う、っていうパターンのやつですね。

ちょっとアップにしてみます。 鯛も
この辺を泳いでいた鯛をフライにしたものですからね。
そんなフライ、まずいはずがありません。

パン粉はサクサクです。フライはまだほんのりあたたかい。
白身のお魚ですから、淡泊ですが、フライにしていて
タルタルソースがかかっているので、ちょうどいい感じです。
でも全体的に軽めの仕上がり。 
きっとフライの油も、いいものを使っているんじゃないか、と思います。

タルタルソースは丁寧な作りで、しかも既製品のような
ぼたっとして脂っぽいところがなくて(ちょっとさっぱりした感じ)
良かったです。
(いただいたどの品も、みんな丁寧に作ってありました。)

Pan2

あんバタはお土産にしたいです、と、言ったらこんな蠟引きの紙袋に
入れてくれました。いまどきまだ蠟引きの袋なんて市販されて
いるのですね。
(蠟引きの袋を知ってる人間だってどっちもどっちですが。)

Omiyage1

このコッペサンド舎のところで並んでいた時のことなのですが、
前に並んでいた40代後半のおっちゃん、
なんだかずーっとイライラしっぱなしみたいで、、

パンの発売直前に、売る方が
パン、いくらお召し上がりになりますか?
と個数確認のために聞きに来られた時も、
「え? 並んでるのに食べられへんの? 」
ってかみつくみたいに言うし、その人の番が来て
お金を払うようになった時もお店の人にお金を
放り投げていたし、、、。

親子連れで、小さい子と
奥さんとで来られていたようですが、
家族に話すときの話し方はすごく優しそうなのに
お店の人とかほかの人に言うときとか
自分の思うようにならない人やことに対しては、
言葉を投げつけるようなけんか腰で、、。

なんだか見てて、ああ嫌だなぁ、と思いました。

島って、何事につけても不便ですし、
(たぶん聞こえてきた言葉やアクセントからして
大阪の人だと思いましたが。)都会のように、ささっと
要領よくことは進むことなんてありえません。

自分が日頃やっている日常のペースとか、
自分の日頃の生活スタイルそのままにして
こんな島めぐりに来られると、そのギャップに
結局イライラするだけで、
フラストレーションだけ溜めて帰ってしまうことになる
ような気がします。

いつもと違った日常はどんなものなのかなぁ、とか
目の前に現れる不自由な現実を面白がる、とか
非日常の場所でのんびりと過ごしたい、という
気持ちで来られるなら、それなりに楽しかった、
おもしろかった、っていうふうに
なるんですけどね。

でも、日ごろスピーディ、とか便利さに慣れた人は
なかなか、そういった不自由さとか、
自分の思いのままにならない不便さが目の前に現れると
自分のペースを乱されてしまった、と思ってイライラと
感じるのでしょうね。

だからこのおっちゃんみたいな「いらち」が
こんな離島に来ると、あまりの不自由さ・不便さに
かんしゃく起こしてばっかり、ということに
なってしまうかもしれません。
(事実起こしまくりでしたけどね。この人。)

島なんて、大体が不自由なもので、
自分の思うようなことには
まず行かない、って
最初から思っておいたほうがいいです。


Umi1


瀬戸芸に来るのであれば
確かに生活の不便さはあるのだけど、
それ以上にのんびりとした瀬戸内の風景を味わう、とか
島の人と話してみる、というようなことをしないと、、。


結局はいらついたまま帰って、とどのつまりが
「あんなしょーもないとこ、もう二度と行かへんわ。」と
ぷいぷい怒る、ということになって
しまうと思います。

今回、いろいろと島を回ってみて、やはりそういうふうに
イライラと噴火しかかっていた人をあちこちでたくさん見かけました。

日常を忘れに来たのに、
日常をひきずったままやってきたのが
そもそも、、あきませんわ、ねぇ。(笑)


瀬戸内国際芸術祭2013を巡るための心得の
はじめに一応はこう書いてはあるんですが、、。

 瀬戸内国際芸術祭は、瀬戸内海に浮かぶ島々が舞台です。
 人々が自然と寄り添い、歴史を刻んできた伝統のある場所です。
 懐かしい空間、ゆっくり流れる時間や人々とのふれあいを
 通じて島を体感するための心得です。

まぁ万事、自分の思い通りににはならない。
たまたま僥倖で少しでもうまく行ったら儲けもの、
くらいに思っていないと、、。 

島の時間の流れなんてそんなものです。


たとえば、島に住んでいた時に
謙介がある時、「鰆、おいしいですよね。」と島の漁師さんに
言ったわけです。それが春のこと。 そうして夏が来て秋が来て
冬になって、翌年の春になった時に、「釣ってきたからおあがり」と
漁師さんから、鰆をいただいたことがありました。
「前に、そんな話しよったやろ。」という言葉とともに。

いや、俺も別に鰆が欲しいと思ってそんなことを言ったのでは
ないのです。でも、島の人はそういうふうに言葉をずーっと覚えていてくれて
あ、じゃあ、鰆の季節になったから、と言って持ってきてくださった
ということなのです。1年も2年も経っても、ちゃんとそうやって
覚えていてくれたりします。


島では時間の流れ方が都会とは全く違います。
すぐには思い通りにいかない、ことだってあるのですが
それは決してできない、しない、ではないのです。

ゆっくりとした時間の流れの中で
その約束はゆっくりとその果たされるべき
時を待っている。 

それが都会とは全く違って「スピーディ」というのではなくて、
長い時間を要する、ということです。

そこのところをわかっておかないと、
結局島に来たけれども万事遅くて、
いらいらいらいらいらして、「もうええわ、人に疲れて
何もおもしろいことなんかあらへんかったわ」
と思って帰る、ということになってしまうのです。

謙介、3年間、島で暮らしたので、その辺のことは
よーくわかります。


まぁそうした状況が、
自分の人生なんてうまくいくことなんてまずない、
と教えてくれることにつながって、
結局よかったのかもしれませんが。(笑)

島に行くのであれば、自分の日常は捨てていきましょう。
不便を楽しみましょうね、ということですね。

そんなの全く問題ない、
不便だってのんびりとしてて大好き、って
いうのであれば、

島に行っても楽しめると思いますよ。

逆にそうでないと、、いたるところで腹を立てたり、
イラっときたりして、、ちょっと厳しいんじゃないか、と
俺は思います。

最近、瀬戸内国際芸術祭関連の検索で
結構うちのブログにアクセスして
来る方が多いのですが、

行く前に、そうした心の準備ってできてます? 

行って何を見るかの前に、まずは
そういう心の準備が必要だと思いますよ。


長くなりましたので、今日はここまでにします。

おまけ。魚を取るときの網に使う樹脂製の丸い浮きを
加工して作ったネコさんです。
島のいたるところに置いてありました。


Uki

(今日歌った曲 男木島郷土唱歌 橋本仙太郎作詞
 1932年 1983年採譜 )

芸術祭の作品の中にもこの男木島郷土唱歌を使った
ものがありましたね。

Kyoudoshouka


↑の歌詞ですら11番ですしねぇ、、。
謙介が確認した時にでも40何番かまでありましたけど、、
100番くらいまであったんじゃないですかね。この歌。
延々と続きます。

それを島の人は延々と歌う。
宴会の締めはいつもこれでした。
そのときは5番くらいまで歌って
お開きにしてたけど、、。

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Comments

謙介さん

こんにちわ、
とても心にしみる、余韻の残るエッセイをありがとうございます。

先週末から、先週関東を襲った台風直後から急に体調が悪くなり、急性胃腸炎に喉の浮腫とダウンしておりました。
でも、毎日、エッセイを読んでおりました。

今回の「島の時間」について思い出しました。私が住んでいたイギリスも、まさにそうです。時間が季節が、本当にゆっくり流れます。イギリスに戻るたびに、心もゆったりペースに戻します。
東京で働いていると、毎日、時計を見ながら働き、ちゃかちゃかとオフィスで仕事を片付けていきます。メールでも電話でも、すぐに返事しなくては、と、自分なりのテンション、エネルギーで処理せねばならず。
それが当たり前になっている日常生活。

でも、ひとたび東京を離れると。。。
「あー、時間はこんなにも自分の手のなかにある」と感じられる瞬間があり、私の場合、樹木に触れるとなぜかとても心がなごみます。樹は私の生活のなかでは、とても大切な存在です。

今週、某大手ホテルの偽装表示メニュー事件が発覚し、やっぱりそうだったのかと、そのホテルの対応に失望しました。
いつから、偽装してまで、自分たちを大きく見せ続けるのか、そんな風潮になってしまったのでしょう。。。

近所の金木犀も、先週の台風で、花はすべて散ってしまいました。あの香りと、春の夜の沈丁花の香りが好きです。

また体調を取り戻してから、フォローさせていただきます。
そちらの大雨は大丈夫でしょうか、
日本の空は今、変化の時期なのでしょうか、
お体、御自愛くださいね。

Posted by: 都会のひまわり | 13. 10. 25 at 오전 11:32

---都会のひまわりさん
 ここ最近、気候も急に寒くなるかと思えば、また暑くなったりで、不順な状況が続いていました。加えて夏のお疲れとかも出てきたのではありませんか。どうぞご自愛ください。
 前にここでも何度か書いたのですが、栄養士の友人に聞きますと、ホテルの宴会料理の大半がもう冷凍食品をチンしたものになっているそうです。というのが、京都駅のホテルグランビ○で恩師の出版記念会がありまして、そこでいただいたケーキが、まだ解凍ができていなくて、「シャリ」っと口の中で氷が融けたことがありまして、で、聞いてみたら、今やビジネスホテルだけでなくて、そこそこ名の通ったホテルですら、料理は冷食だの一部外注だそうです。
 もうそれ以来、ホテルの料理から距離を置いて見るようになりました。今回の偽装だって、そういう冷食とか外注をするような最近のホテルの考え方の延長線上に出てきたような話じゃないか、と謙介は思っています。
 東京のいろいろなことの速さ、たまに行くと刺激があっていいのかもしれませんが、ずっと仕事をしようとすると、本当にしんどいところもありますね。
 今、ちょうど須賀敦子さんのエッセイを読んでいるのですが、都会のひまわりさんのことばと併せて、人の生きていくためのペースって、、、ということを改めて考えさせられました。ありがとうございます。
 台風ですが、今朝は大雨で、出勤するのに難渋しましたが、ちょっとおさまっているようです。とはいえ、油断は禁物ですね。これからそちらに台風が進んでいきますが、どうぞお気をおつけください。いつもあたたかいお言葉ありがとうございます。
 ご体調が早く回復されますように。

Posted by: 謙介 | 13. 10. 25 at 오후 12:28

ホテルの食品偽装ですが頑なに誤表示…無理があるような?今回の事で他でもやってるんだろうなと…赤福・白い恋人etc。イオ○ですが父はソフト ○ンクと同じで大きくして潰れないようにしてるだけだと…澤○屋がどうでもいいという気はないんですが猿○が今までやってきた事の後始末を猿之助さんが身を削ってしているようで正直お気の毒だなと、ご両親も襲名自体に賛成してはいなかったようですし。で応援してはいますが威勢良くご祝儀をという程の経済力がありません、母曰く「10円玉でもばら撒く?」 銭形平次じゃあるまいし。幸四郎さん本当に大丈夫何でしょうか?海老蔵さんのブログはTwitterだなんていう方もいますが、御本人が好きでやってるならいいんですが。歌舞伎役者も贔屓が人によって違いますし、花形で片岡亀蔵さんを観て以前から気になってはいたんですが素敵だなと。主役ばかりでは舞台として成立しないですし。松竹にとっては良い役者=切符が売れるなんでしょうけど。歌舞伎ファンの方も周囲に歌舞伎が好きという人はいない、吉右衛門・菊五郎・幸四郎・仁左衛門辺りがいなくなれば本当にどうなるか。
松竹は目先の小金に執着してるのか?気がつかないふりをしているのか?どちらにしても早急に対策をとるべきなんでしょうが、肝心の松竹が…

Posted by: ゆき | 13. 10. 27 at 오후 8:09

---ゆきさん
ホテルの誤表示のことは明日、書こうと思っています。前にもゆきさんとここでお話しましたよね。お歳暮なんかでホテルのシチューの缶詰のセットとかありますが、あんなの、本当にそのホテルで作っているかどうか怪しい、って。ホテルのクッキーの詰め合わせだって、あんなのホテルオーク○なり、ニューオータ○でホンマに作ってるんですかね。どうも、どこかの工場で作っている、それを「ブランド」になるから、と言って冠しているだけのような気がしてなりません。
 澤瀉○さんもおっしゃる通りだと思います。先代の猿之○が好き勝手になってきたことの後片付けを当代さんが目に見えないところで、片づけている、と伺いました。当代さんは、本当に目に見えないところでものすごくお気遣いをする方です。そういうところで、下げたくない頭を下げたり、言いたくないようなことも言わないといけないようなことが多々あった、と聞いています。亀蔵丈、いいですね。こんぴら歌舞伎の勘三郎丈が俊寛をやった時に一緒にお出になっておいででした。ああいう方を見出すなんて、ゆきさんさすがです。勘三郎丈のような方がいて、亀蔵丈のような方もいる、そうでないと歌舞伎は面白くありません。舞台に厚みも出てこないし。
 ちょっとこんなことを言うのはあまりにも縁起が悪くて不見識のそしりを、、なのですが、もし仮に仁左衛門丈がお亡くなりになったりしたら、もう歌舞伎を見るのもよしてしまうかもしれません。

Posted by: 謙介 | 13. 10. 27 at 오후 11:15

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