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13. 10. 16

瀬戸内国際芸術祭・秋会期:高見島(2)

きょうはまた台風がひどい被害をもたらしましたね。
今、たまたま島のことを書いていますが、
離島は平地が少ないので、今回のようなことが
あるんですよね、、。
行方不明の方々が
一刻でも早く見つかれば、と思います。

それからこれをお読みのみなさんのところでは被害は
なかったでしょうか。


さて、高見島の話に戻します。
以前はこの高見島には3つの集落があったのだそうです。
浜と、浦と、板持との3つです。
そのうち、今、人の住んでいるのは、
浜と浦の二カ所になってしまいました。

この時行こうとしていたのは、その人が住まなくなった
板持集落です。

しかし、遠かった。
この写真の地点からあと、1キロくらいありました。
Hamabi1


でも幸いだったのは島の周囲の道路だったので、
距離は結構あったのですが、道にアップダウンがなくて
楽ではありました。

海の色はもう夏のそれではありませんでした。

Hamabi2_2


ようやっと板持集落に着きました。
この集落には、以前は50人もの人が住んでいたそうです。

集落自体は、山の中腹にむかって段々に家がありましたから、
浜辺の道から上っていかなければなりませんでした。

実は、もうすでに「展示」が始まっていて、、。
「板持廃村再生プロジェクト」というテーマだそうで、、。

Itamochi1


途中にあった家です。もちろん今は誰も住んでいません。
Itamochi5


途中の井戸です。
おそらくこの集落に住んでいた人が、
天秤棒に桶をつけて水を取りに行っていたことでしょう。
のちには水道も通ったようですが。
Itamochi4


途中にこんな家がありました。
Itamochi2

ここには掲示板がありましたよ。
Itamochi3

実はここまで行くのに、道だけは一応通れたのですが
それは、今回のプロジェクトで、何とか人が道として通ることが
できるようにしたから、だそうで。 
人が住まなくなってもう10年近く経っていましたし、
その間、誰もこの集落に近づかなかったので
もう笹やら雑木やら草やらが好き勝手に生い茂り、
倒木などもあって、もう人が通れる状態ではなかった
そうです。それを何とかここまでにした、という
「プロジェクト」なのだそうで、、。

一番上の家に到着です。

Itamochi6


玄関にこうした門もありましたし、
中の庭はすっかり荒れ果ててはいましたが
端っこに石灯篭さえあったくらいですから
やはりこの集落の有力者の家だったのでは、
と思いました。
Itamochi10

Itamochi7

門の横は燃料庫、というのか薪が置いてありました。
その前にプロパンガスボンベ。
この家に最後まで住んでいたのは、おばあさんでしたから
そのおばあさんの連れ合いだった人が、かつて薪を作って
おいていたのでしょうか。
そのうち、燃料が薪からプロパンガスに替わって、
この薪は使われないままに、こうして置かれているのでしょうね。


Itamochimon


塀を隔てて向こうに海が望めました。
Itamochiumi

この家に住んでいらっしゃった方は、
2004年ごろまでここに住んでお花を作ったりして
暮らしておいでだったそうですが
さすがにご高齢になって、ちょっとここでは、もしものことが
あった時に大変、ということになって、
今は港に近い浜の集落に移られたそうです。
今年、86歳でお元気だとか。


謙介自身も経験があるのですが、
こういう離島で何が困るか、と、いえば
病気になった時です。

それも急病に。

高見には診療所がありません。

高松市であれば、救急艇を持っていて、
小豆島・直島・豊島・女木島・男木島
あたりまでだとカバーしてくれるのですが、
この西の海域になると、距離的にちょっと無理です。
方法としては、定期船か、さもなくば、島の漁師さんに
出してもらうか、県の災害用ヘリコプターですかね。
もしくは最後の手段は海上保安庁になると思います。

謙介の仕事場でも、海上保安庁に連絡をして
海上保安庁から消防署に連絡をして、陸上で
救急車に待機していてもらって
リレーで市民病院まで運んだことがありました。

あと、20分処置が遅れていたら、その人は助からなかった
と後から言われました。
本当に離島は、そういう時がこわいです。

集落にはおそらく何軒もの家があったのでしょうが、
ある家はまだこうしてかろうじて残ってはいましたが
あるところはもう木々や竹の中に埋もれたり、
土に戻っていたところもありました。


石垣の位置から、おそらくここに人家があったのだろう、
と想像できました。


板持集落を見て、再び港のほうに戻りました。

さすがに朝の始発のフェリーに乗って
ここまで見に来る人は少なくて、、
途中でようやっと一人、30代後半の女の人に会ったら、
「人にあったら、ホッとしました。」とさえ言われてしまいました。
結局、謙介は浦集落の入り口まで、その人以外に誰も会わず、、
でした。


(今日聴いた音楽 さよなら夏の日 歌 山下達郎
 1991年 アルバム アルチザン 所収 夏の終わりは
 夏が明るくてにぎやかだった分、さびしさが募ります。
 波は寄せては返し、返しては寄せて、、、ひとり島の浜辺を
 歩いていたら、いろいろなことが浮かんでは消えていきました。)

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Comments

謙介さん

こんにちわ。
今回のブログ、まるで一緒に謙介さんの後をついて、草やぶの中を歩いているように感じたほど、とてもリアルに感じました。息遣いといいましょうか、そこに住んだ人の気配も想像したり。。。その周りの生き物も想像したりと、いろいろ考えました。

特に、10年ほど前は住んでいたという、その住人の暮らしが垣間見える生活道具、井戸とかプロパンガスの残骸とか。。。今、日本の各地で見られる村の光景なだけに、この美しい海の光がなぜか、残酷といいますか、眩しい光の中の孤独というのも感じます。

細やかな描写のエッセイを今回もありがとうございます。楽しみにしている毎日です。

また山下達郎さんの選曲も、ありがとうございます!
まるで自分が、その、静かな海を見ながら聞いているように、その浜辺にいるかのような自分の心の声を代弁するあの歌詞を思い出しています。

それにしても、東京にいると、こういった海の光がとても眩しく感じます。コンクリートジャングルのど真ん中にいる生活なので。

今日は台風の置き土産で、
すっかり風が冷たくなってきました。
今年は一度も海にも山にも行っていません。
謙介さんの周りの景色はもう紅葉も進んでいるのでしょうか?


Posted by: 都会のひまわり | 13. 10. 17 at 오후 3:13

---都会のひまわりさん
光、そうですね。東京には東京の、京都には京都の、瀬戸内には瀬戸内の光がありますね。
 実は今回の瀬戸内国際芸術祭、昨日の香川県知事の記者会見で、10月4日からの秋会期、1週間で12万人の人がこの島々を訪れたとの話があったそうです。
 写真には人があまり写っていないと思うのですが、それは早朝の始発便で来たから、だったのです。謙介が島を後にしようとしたころ、入れ替わりにたくさんの人がこの島を訪れていました。島々を訪れていただいて、それぞれの島で島をテーマにした芸術作品を見るのも楽しみなのですが、刻々と変化をする風や光や風景も一緒に楽しみたいと思っていました。いろいろな島を歩いていると、その島独特の風景や、瀬戸内の島ならどこも似てる、という部分(家の建て方とか)も見つけられて、いろいろと発見がありました。
 四国の紅葉は、たとえば石鎚山の頂上とかのように標高が高いところではもう始まっているようですが、平地ではいまから、という感じがします。うちの仕事場に金木犀の木があるんですが、実はまだこれからだったりします。金木犀の花が咲いて、あの香りが漂って、それからようやっと紅葉が、というところでしょうか。都会のひまわりさんのほうは今回の台風の被害はありませんでしたでしょうか。大島は大変なことになっていて、、本当に驚きました。 
 この写真、大きくしていないのが、大きくするとすぐにココログで決められている容量に達してしまって、長く続けられないから、なのです。本当は、もうちょっと大きな写真を出したいのですが、、どうかご了承ください。

Posted by: 謙介 | 13. 10. 17 at 오후 8:26

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