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13. 05. 13

文學菓子

先週の金曜日、1回目のプレゼン(合計2回やった)
の終わった後で、「謙介さん、8月のプレゼンもやってね。」
とまたまた言われ、どんよりしてしまった謙介です。

8月のなんて、朝から晩までずーっと通しでします。
(一応3人で分担してするんですけど)
やれやれ。 今年は前から後2回、それぞれ別なところで
発表と司会をしないといけないことになっていて、、。

こちらは人前に出たくない、と、思っているのに
人前に出ることばかり重なって、本当に今から
気が重いったらありません。


話は変わって。
昨日は母の日でしたね。
親と子の立場というと、いろいろとその距離とか
立場を考えて、、複雑な気持ちになる方もおいでかもしれません。

謙介の場合もそういう時期もありましたが、
それが片付いたと思ったら
今度は親の老い、ということを考えるという
別な問題が生じてきているように思います。

母の日については、1週間延期ということで。(笑)

さて、今日のお題は「文學菓子」です。


謙介の住んでいる辺で知られた「文學菓子」といえば
「ぼーだん」でしょうか?

謙介さん、「ぼーだん」って何なんです???


え? 知らない?
これですよ。

Dango2

いや、この街にある野球場って
坊っちゃんスタジアム」っていうわけですよ。
ついでに言うと横にあるサブの野球場が
「マドンナスタジアム」というのは言うまでもない。

だけど、坊っちゃんスタジアムなんて地元の人は言いません。

どう言うんですか?

「ボースタ」です。


「え? 」


「だから坊っちゃんスタジアムを略してボースタ。」

なので同じ方法で坊っちゃん団子は「ぼーだん」

こらこら、なんでも省略するな。

それにしても脇に置いてあるのって、5円硬貨でしょ?

ええ。

なんだかこの団子、やたらでかくないですか?

そうお? これを一口でぱくっ、と食べるのが通♪
え? 一口で?


うそですうそです。そんなの無理ですって。
この写真のは、でかい特別バージョンのぼーだんですぅ。
ふつうのものはもっと小さいよ。(でも一口では無理です。)

ああ、びっくりした、ということで。

これ以外にこの辺にはもうひとつ、お文學作品から命名されたちなんだ
お菓子があります。

これがそれです。

Zensuke1


なんていうお菓子?

てんやわんやの善助餅。

へ?

だから「てんやわんやのぜんすけもち」。

何? どこまでがお菓子の名前?

全部、だと思う。たぶん。

獅子文六(ししぶんろく)という
(岩田豊雄の本名でも海軍、っていう作品があるけど)
戦中から戦後にかけて活躍した小説家がいます。

その人が、第二次世界大戦中に奥さんの実家の
ある愛媛の南のほうの田舎(南予地方)に疎開していたわけです。
で、そこでいろいろと経験したり聞いた話をのちに
いくつかの小説にしました。

そのうちの一篇が「てんやわんや」という作品でした。
その中の登場人物で善助さんという人がいて
この人が小説の中でもちを51個食べた、と。
その話にちなんでできたのがこの善助餅というわけです。

このてんやわんやはのちに映画になりました。
漫才師の「てんやわんや」さんの芸名もここから、と聞いています。

この「てんやわんや」ともうひとつ「大番」という作品も
あって、これもお菓子になっているのですが、
それはまたいつか。

Zensuke2
お菓子の裏側はこんな感じで、紙に薄くのりをつけてひねってあるだけです。


Zensuke3
お菓子屋さんの住所が書いてありますが、この住所にある
「岩松」こそが、獅子文六さんのおいでになった場所です。


おけてみました。これが善助餅です。
粉にまぶしてあるので、注意して開けないと、
そこいら中が粉で真っ白になります。
Zensuke4


Zensuke5
お餅の中に、よく炊いて練ったあんこが入っています。
このあんこが絶妙においしい。


三重の多気のほうにおきん茶屋、っていう街道沿いの
お茶屋さんがあって、そこにおきん餅、っていうお餅を
売っているのですが、そのお餅によく似ています。

Okinmochi

ですが、おきん餅よりずーっと小さいです。

しかも、合成保存料なんて入っていないので
日持ちが全然しません。買って3日くらい置くと
もう固くなっています。

買った当日か、翌日中には食べてしまわないと
いけないお菓子です。
そういうことなので、おいしいにもかかわらず
県外では売られていません。田舎の小さい菓子店の
お菓子なので製造数だって限りがあります。

ですが食べ物というのは
本当はこうでなければいけないのだと思います。

スーパーでサラダ用にシャキッとした野菜が袋詰めされて
売られていますが、あんなの、保存料の薬品の入った水槽にドバっと
漬けられて、それでパック詰めされた野菜です。

大体が普通なら野菜なんて切ったまましばらく
放置しておくだけで変色するし、しなびてきますよね。
パリッとシャキッとした野菜が袋で長期間保存できる、
なんていうのがそもそも変ですよね。


今回のお菓子も前日に宇和島に行った人が
お土産でくださったものでした。

謙介が就職してまだ最初のころは、
お菓子のことを「おくゎし」と文語体(笑)そのままのような
言い方で発音する人がいました。


そういえば学部生の時、鳥取県西部の田舎に
民話の調査に行きましたが、そこで出会ったおじいさんも
おくゎし、と発音していました。

三木首相も国会のことを「こっくゎい」と発音して
いましたが。
もはやそんな人もいなくなってしまって、、
文學菓子と書くとやはり発音は「ぶんがくがし」ではなくて
「ぶんぐゎくぐゎし」と古い発音でしてもらったほうが
ぴったりくるかもしれません。

(今日聴いた音楽 渚のハイカラ人魚
 歌 小泉今日子 音源はLPレコード
 土曜日にあまちゃんを見ていたら
 『転校生』の尾美くんはいつの間にか
 高校生の娘のおとっつあんの役だし、、
 あれ、まぁ、、ねぇ、、 と、時の経過に
 しみじみとしたのでした。
 しかし、よその人のことを歳とった
 なぁ、と思うとき、自分は棚にあげて
 いることが多いですねぇ、、あんた
 だって同じように歳を取っているんだろうが
 っていうような話ですが。)

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Comments

祖父が学芸会を「ぐゎくげいくゎい」と発音していましたので、古語(と言いますか、明治の方)の発音は意外になじみがあります。

祖父「ろうじんくゎいのくゎいぎにいってくるさー」
タウリ「どこでね-?」
祖父「ゑいぐゎくゎんのとなりさー」

こちらの方言には「どぅ」「とぅ」「くゎ」「ぐゎ」「ゐ」「ゑ」などの音が多く残っているので、おそらく自然にその発音をしています。
「八重山」は普通に読んで「やえやま」ですが、それらしい発音通りに書くと「やいま」、さらに話すときは「ゑーま」になります。
地方の言葉には、古い時代の言葉がたくさん残っていますから、表記と音が違うという事例が多いように思います。
言葉に敏感な謙介さんなら、各地の方と話していて直ぐにお気づきになることでしょうね。

文字表記を簡素化したときに発音まで訂正できれば良かったのでしょうけど、そもそもそういう音が存在したのは単語や文章の流れ上でそう発音したほうが良かったからということもあると思いますので、文字は消えても音は消えない、という状況が現在でも続いているのだと思います。
「伊江島」という島の名前も、現代表記の通りに「I E JIMA」と言うと発音しづらくして仕方ありません。
自然の流れを尊重すれば「I YE JIMA」が発音しやすいかなと感じます。

そうそう「おくゎし」ですが、こちらでは今でも「菓子小(くゎーしぐゎー)」という言い方をしますよ(笑)。
てんやわんやの善助餅、食べてみたいですo(^-^)o

Posted by: タウリ | 13. 05. 14 AM 9:51

---タウリさん
やはりお歳を召した方で、そうした「かい」を「くゎい」と発音される方、結構おいででしたよね。戦前生まれの方はそういう発音をされている方、結構おいででしたが、もう次第に少なくなっていくのだなぁ、と思っています。 文字と表記の問題は、何度かここでも言いましたが今に至ってもまだ片付いていない問題です。「地震」は「じしん」ですが「土地」は「とち」ですし、、。
 でも、この問題は韓国でもそうで、いまだに韓国語を英語表記した時の統一案が出ていませんし、、。耳で聞いた音をそのままに表記、というのも、簡単なような難しいような、。それでいまだに統一見解が出ていないのですから、、。沖縄の言葉、一度土地のご老人の方が話しているのを聴いてみたいと思います。理解はできないと思いますが、耳にどんなふうに聴こえるのかなぁ、と思います。

Posted by: 謙介 | 13. 05. 14 PM 12:11

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