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13. 04. 10

近づかない

前の職場に勤務していたときのこと。

ちょうど今頃だったと思う。新しく着任した人と
お花見を兼ねて宴会をしたことがあったんですよ。

その後、二次会、というのか、雰囲気を変えて
お茶でも飲みに行こう、ということになんとなくなって
それで、歩きながら適当な店を探していったんです。

喫茶店といっても、総勢が20人くらいだったので
小さなお店では入れませんし、そこそこの大きさがないと、
ということで探すのって結構難しかったんです。

歩いているうちに、あ、ここなら広そう、
という店がありました。

で、そうしたら入るか、っていうことになって、、。
入ったら店の人がやや驚いていましたが、、

だって、日中のランチタイムならともかく
夜の9時過ぎにいきなり
20人ほどの客がなだれこんできたわけですから。

で、謙介はお酒が飲めないので、コーヒーか
紅茶かの簡単にできる飲み物を注文したのでしたが
中には、チョコレートパフェとかプリンアラモード
というような手間のかかりそうなものを注文した人もいました。

でもまぁ別にうな重の松を、とか天丼を、っていうような
そこの店のメニューにはないものを頼んだわけでもなく
全部底のメニューに載っているものばかりだったのですが。

一緒に行ったその時の上司(この人とは俺が中途退職
したので結局1年だけでしたが、本当に部下の仕事の
しんどさをよく理解してくれて、適切なアドバイスもくれる
良い方でした。)がちらっと厨房のほうを見ました。

店の人は40代後半の男の人がひとり、だけでした。
いきなりどやどやと入ってきたし、みんながみんな
違うメニューを頼んでいたので、出てくるのが
やはり遅くなっていました。

しばらくすると「イタッ」という声が厨房からしました。
何かと思ったら、缶切りで缶を開けていて手を切ったようです。
その処置でさらに出てくるのが遅くなったのですが
上司が「そうしたらできたらカウンターに出してください。
後はセルフ! 」と言いました。

俺のコーヒーとか、上司の頼んだレモンティーは
早かったわけですが、さすがにプリンアラモードは
時間がかかりました。(途中で手も負傷したし。)
もうずいぶん前のことで忘れてしまったのですが
それから、まぁ、頼んだものは遅くなりつつも
出てきたのでしょう。

その翌日。
上司と朝、話をしたときに
「あの店、普通の喫茶店と違うなぁ。」
と上司が言ったのです。
「は? 」と言ったら
「あの街中のあれくらいの大きさの喫茶店だったら、
事前に仕込みやってちゃんとやってるやろ。パフェとかでも
そう時間がかからんと出てくると思うけど、あの店で
ああいうものは基本的に頼む人がおらんのと違う? 」
と言うのです。「まともな普通の喫茶店ではないで。」
「え? そうしたら、何かやばいことをやってる喫茶店
なんですか? 」
「ゲーム賭博とかなぁ、、、そういうのをやってて
カモフラージュするためにとりあえず喫茶店の看板
出してるだけと違う? 」
と上司が言いました。「ちょっと普通の喫茶と違うてたで。
店のおっちゃんの目つき見た? 」
「ええ。 ただ単に温和、という感じじゃなかったですよね。」
「目がな。あれは何か裏のありそうな目つきやったやろ。」
「そうですね。」
「やばい店というこっちゃなぁ、、。」


というような話をしたことがありました。

前にも少し話したことがありますが、大阪とか京都とかのような
古い街になると、街の中に、地元の人なら、
ちょっとあの辺は行ったことがないなぁ、、という場所があるんですよね。
たとえば親から「あんた、あの辺は行ったらあかんし。」
というような言われ方をするところ。
それがね、大阪なんか、普通のガイドブックに載ってる盛り場の
道を一本隔てた通りがそんな場所だったりするんですよね。

それは俺なんかは歩いていると、雰囲気で
あ、ちょっとここいら辺は、物騒な場所かもしれへんな。
道変えよ、って、分かることもあります。

新しい街って、あんまりそういうの感じないんです。
大阪とか京都とか、謙介が今住んでいる街にも
そういう場所があるんですよ。
決してそういう場所に近づいてはいけません。


それは口に出して、こういうことだから危なさそう、
ということができないのです。歩いていて感じる
雰囲気です。空気です。あ、ちょっとこれは
普通の人が来るようなところでないなぁ、と
歩いているとなんとなく身体のレーダーが
危険を感知して知らせてくるのです。

かつての上司もその店に入った時に、そういう
店全体から感じる雰囲気を察した、ということだったのでしょう。

そうして、その上司の見立てはやはり的確だった、
ということです。昨日その店で殺人事件がありました。
やっぱりやばい店だった、ということでですね。


돼지에게 붙이는 약은 ,,근본 바보천치에게 붙이는 약은 없다 .
(ブタに付ける薬、もとい、アホに付ける薬はない。)ですねぇ、、。


(今日聴いた音楽 宝塚この25年 「おゝ宝塚 逸翁に捧げる夕べ」
 1981年宝塚大劇場公演 宝塚歌劇団・宝塚音楽学校
 逸翁は阪急の創業者小林一三の雅号です。そのお孫さんが
 あの熱血テニスの松岡修造ですね。)


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いなかのせいかつ」カテゴリの記事

Comments

殺人事件って怖いですね。
被害者はもしかして缶切りで負傷したというその方だったのでしょうか。
一人は逮捕、もう一人は指名手配中ということですので、もうしばらくゴタゴタしそうです。

海外でもそういう場所、多いですね。
マニラに行ったときは警察が近づかない地域がありました。
その地域の“治安”はマフィアが牛耳っているのだそうです(苦笑)。

小学生の頃、実家の近くに「純喫茶」と看板を掲げた喫茶店がありました。
「純喫茶」もよく分からなかったのですが、「不純喫茶」というはどんな所なのだろう?と幼心に考えていました(^_^;)。

Posted by: タウリ | 13. 04. 11 at 오전 11:56

---タウリさん
それがあれ以来、やはりちょっと怖い店、ということで行っていなかったので、その人なのかどうかは分からないのです。(ごめんなさい)でも、ひょっとしたら年格好からいってそうかもしれません。
どうもそういう街の雰囲気を敏感に感じる人と、え? 何? そんなのあるの? って全然気づかない人がいるみたいなんです。そういう雰囲気を感じる力、とか空気を読むってやっぱり必要な場合だってありますよね。外国に行ったら、そういうところ結構ありますから、そういうところに来たなぁ、と思ったら、さっと逃げて安全な場所に移動する、ってこれも自分の身を守る、っていうことで必要な能力だ、って思うんですが、、。
純喫茶、っていう言い方、ひところすごくはやったんでしょうね。今もそんな呼びかたを残している店がたまーにありますね。以前にオフクロに「純喫茶」って何? って聞いたら、「純粋な喫茶店」といまひとつ要領を得ない回答をもらったことがあったんですが、、。そのうち金閣寺の近くに「ノーパン喫茶」というようなものができまして。(これももうすんごい昔の話ですけど) あ、不純な喫茶ってこれか、と妙に納得したことがありました。

Posted by: 謙介 | 13. 04. 11 at 오후 12:57

怖いですね…。
でも、そういう雰囲気を読み取るチカラって、子供の頃から養わないといけないのかもしれません。
それも、地域教育の一環というか。
社会って、いろんな要素から出来上がってるわけで、善悪は別として、そういうアヤしい世界も社会の一部として組み込まれてるわけですし。
それを、利用するかしないか、良しとするか否か、どう付き合っていくかを感覚的に養っていく必要があるかもしれません。
僕は、そういう世界は苦手なので「近づくな」と反応するようになってるのかなぁ。
感覚って必要ですね。

Posted by: まさぜっと | 13. 04. 14 at 오후 2:44

うわ、なんだかぶっそうなお話の喫茶店ですね。確かにあやしい、こわい、喫茶店ってありますよね。僕の街の駅前の喫茶店も、その筋の人ばかり出入りする喫茶店があります。

かと思うと街の喫茶店で、そんなに流行ってなさそうだけど、何年も続いてる喫茶店とかもありますよね。
長く何十年も喫茶店だけで続けられるってやっぱり裏があるのか?っていろいろかんぐってしまいますね。
喫茶店経営って、やはりある程度回転率がよくないと単価も単価だろうし、そうもうからないように思うんですけどね?
どうなんだろう。

喫茶店って、入りにくい店は、やはり何かあるのかな…。
僕は、喫茶的の席に関しても、たぶん前の人のマイナスなオーラみたいな残存を感じてしまうと座らないけど、やっぱり入りずらい喫茶店は避けたほうがいいかもですね。

でも殺人事件ってこわいかも…汗

Posted by: ホーリー | 13. 04. 14 at 오후 3:16

---まさぜっとさん
日本って、一応治安は(以前より悪くなってきたとは言うけれども)まだまし、とは言われますが、結構恐い場所、というんでしょうか。謙介の仕事場の街にも市立図書館があるんですけどね。そこに行く途中でちょっと変わったところがあるんですよ。
同じような家が3列くらい並んでて、、
それだったら長屋、っていう感じなんですが、いつもその入り口の辺に女の人が立ってて、、、。仕事場の人で、この街に生まれて育った人に「あそこってどういう場所ですか? 」って聞いたら、「売春窟」というお答えがかえって来てびっくりしたことがありました。「謙介さん、あんなところ絶対行ったらいけないですよ。」ってすごいきつい調子で言われましたけど。そんなの、絶対に行くはずありませんよね。でもやはりそういう場所って今も街のどこかに必ずあるんだと思います。いろいろな場所を歩いてみて、子供づれとか普通の家族が歩いているような場所だったらいいのでしょうが、あんまり人通りがない、とか、さびしいような場所っていうのは、やはりちょっと避けたほうがいいのかもしれませんね。

Posted by: 謙介 | 13. 04. 14 at 오후 7:57

---ホーリーさん
犯人は二人だったそうなのですが、後の一人は自首してきたそうです。ただ犯行は否認しています。でも、店内のカメラに暴行した映像が残っているようなので、そんなもの、明白なことだと思うんですが、、。
なんかあんまり流行ってそうにないのだけど、何十年もずーっと営業しているような喫茶店ってありますよね。黒いレースが窓にかかっていたり、、。(笑) 最近は食べロ○がありますから、そんな流行ってなさそうな店を入力してみたりします。そうしたら、意外に、その店のカレーとかホットケーキが名物で、結構ファンが多くて、それでずっと持ってる、なんていう店もあります。謙介の近所の中華料理屋なんて本当に汚くて、歩くとニチャ、って油のねばりがあったりするんですが、それでもラーメンがおいしいとかで、つぶれていません。かと思ったら3年くらいで無くなってしまう店もあって、、本当に商売ってわからないですねぇ、、。

Posted by: 謙介 | 13. 04. 14 at 오후 8:02

怖い…小学校時代同級生の家付近で殺人事件!以前自宅近くで殺人事件が犯人は近所の大学生!キープアウトのテープが貼られ警察官に聴き込み?されましたよ。犯人逮捕報道直前に新聞社の人にもインターフォンごしに聴き込みされました。
こんぴら歌舞伎ですが猿之助さんのファンクラブツアーは都合つかなくなって口上のある午後だけ見てきました。近くて迫力ありましたよ。チケット転売屋から購入するのだけは避けました。同じ宿に秀太郎さんの御贔屓さんがいて色々教えてもらって、金丸座に並ぶ間某宿の方が役員の方の席確保に並んでいらして色々聞きました。結構勉強になり良かったです。目指せ!竹三郎の会ですが、プラチナチケットなので電話繋がらない気が…シネマ歌舞伎で我慢しますか?

Posted by: ゆき | 13. 04. 16 at 오후 7:05

---ゆきさん
その後どうなったのかな、と、思っていましたが、午後の部をご覧になれたとのことよかったですね。午後の部には口上がありましたから、午後の部を希望された方が多かった、と聞いていました。お話した通り、都会の歌舞伎の劇場と違って、本当にこじんまりとしていますから、声の通りもいいですし、(南座なんか染五郎の声が聞き取れないことすらありました。)また役者さんと観客の近さ、ということもお分かりいただけたのではないか、と思います。それから升席でしかも歌舞伎の好きな方が来られているので、自然発生的にいろいろなお話を聞くこともできたりしますし、それがまた魅力かもしれません。不便で興行的にどうだろう、っていうことも多々あるんですが、役者さんのがんばりがそういうマイナス面を補ってあまりあるものにしている気がします。だからこそ、みんな文句はありつつも(笑)金丸座への坂道をえっちらおっちら登っていくのだと思います。
今年は、瀬戸芸で週末ごとにあっちこっち回らないといけなさそうで、金丸座はお休みにしました。でも、楽しんでいただけたようで、安心しました。
 この喫茶店のおっちゃんを襲った犯人は二人とも捕まったので、ちょっと安心しています。

Posted by: 謙介 | 13. 04. 16 at 오후 7:50

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