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12. 11. 21

俳句ではなくて

このあいだ、丸亀のお寺で蕪村の屏風の展覧会が
あったので、行って来ました。

テレビの「なんでも鑑定○」なんか見ていますと
蕪村の絵、というのがたまに出てきていまして、、
鑑定に出す人は、意気揚々と500万とか
言うのですが、鑑定結果を見てみると
大抵、○河内さんあたりが、辛らつに「真っ赤な偽物です。」と
告げて、3000円とか5000円、とか言うような値段を
つけていたりしますよね。

でも、ここのお寺の蕪村は素性が明らかです。
なぜなら、このお寺に蕪村が滞在して
本人が何枚もの絵を描いた記録があるのです。

丸亀の街の中にこのお寺があります。
蕪村の絵、常時公開はしていません。
不定期で、お寺の都合で公開されます。
前に公開したのは7年前のことだそうです。
また今度公開される日もあるでしょうが、
それはいつになるやらわからなかったので
あんまり体調はよくなかったのですが、今見ておかないと
と思って出かけたということです。

Busondera1

明和3年(1766)、51歳の蕪村は京都を離れて
讃岐へとやってきました。
琴平に望月宋屋門下の俳人が多く住んでいて、その人たちに
会うためです。
その中に当時のこのお寺の檀家総代で
琴平の豪商だった菅暮牛という人もいました。
当時のこんぴら詣りの定石コースとしては
大坂から丸亀か多度津に着く、というものでしたが、
蕪村は丸亀に上陸したようです。

丸亀に到着して、ひとまず一夜の宿を借りようとして
このお寺にやってきたのだそうです。しかしひどい身なりで
おまけにお金も全然持っていなかったらしいのですが、
それでも、このお寺の
和尚さんは親切に一夜泊めてあげた、とのことです。

そうして翌日、蕪村は琴平に向けて立ちました。
やがて琴平で菅暮牛に会い、そこで逗留をします。
その後、菅暮牛の案内で再びこのお寺を訪れた蕪村は
住職とすっかり絵の話で意気投合し、その後も何度も
ここを訪れるようになりました。
そうして、明和4年から明和5年の初夏にかけてこの寺に逗留し、
お礼の意味を込めて、蕪村は客殿の襖を表装し、絵を描きあげる
ことになりました。 京都に帰るときに、蕪村の詠んだ句が

長尻の春をたたせて棕梠(しゅろ)の花

Busonndera2
という句でした。
蕪村というと、絵もですが、俳人としても有名ですね。

蕪村の俳句で思い出すのって、、

春の海 ひねもす のたり のたりかな

ですかね。やっぱり一番知られたの、って。

これがその蕪村の描いた作品のひとつで、蘇鉄図です。
元は襖絵だったそうですが、襖のいたみがはげしくなった
ために、幕末ごろに屏風に仕立て直しをした、とのことです。

Sotetsuzu_2


絵を見て、お手洗いを借りようとしたら、、
洗面所に感動してしまいました。

Busondera3

このお寺、丸亀の街の中心にあるんですが
丸亀の街中、ほとんどの店がシャッターを下ろしていて、、。
以前は、どの店も開いていて活気があったんですが
小泉首相の時に大きなショッピングモールの規制撤廃を
してしまったためにそういうショッピングモールが
あちこちにできて地方の商店街は
みんながたがたになってしまいました。

10年ちょっと前まではまだ人が歩いていて
それでもましだったのですが
小泉改革で地方は一気に衰退してしまいました。

カラー舗装の、がらんと暗い廃墟のような
アーケード街を歩きながら、
とても複雑な気持ちになりました。

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Comments

僕はほとんど芸術のセンスが無いので感想と言ってもとても陳腐なものにしかなりませんが、ソテツの絵は力強く生き生きしていますね。
日頃現物を見ているので、そうだなと思えます。
与謝蕪村といえば墨絵という印象です。
水墨画というのでしょうか?
あまり区別ができていません(>_<)。
多色よりも単色の濃淡で動と静、侘と寂、明と暗などの世界を表現し、あの当時なりの遠近法も表現されていますからね。
昔から絵心の無さは変わりないので、絵を描ける方のセンスというか能力にはいつも敬意をいだきます。

流し台、『おじゃまんが山田くん』に出てきそうですね(^o^)。

Posted by: タウリ | 12. 11. 21 at 오후 5:02

シャッター商店街、東京でも見かけます。
もう、日本全国寂れていく一方なのでしょうか。
どうして、こんなに悲しい国になってしまったのでしょう。
流し台、なんだかジーンと来ちゃいますね…。

Posted by: まさぜっと | 12. 11. 21 at 오후 9:35

---タウリさん
実は写真を撮るのを忘れてしまったのですが、このお寺の庭にこの絵に描かれた蘇鉄、今も立派に育っています。タウリさんは、そうですよね。毎日頻繁に見ておいでだけに、ちゃんと描かれているかどうか、っていうのが明確にお分かりですよね。その目で見られて、ちゃんと描けている、というのですから、さすが蕪村の観察眼、というのは一流だった、ということでしょうね。 俺も絵はさっぱりですが、そういうことができる方、というのは、本当にそれだけでもすごい、と思います。蕪村はその上に俳諧もですから、、ねぇ。すばらしいです。

Posted by: 謙介 | 12. 11. 21 at 오후 10:18

---まさぜっとさん
「丸亀製麺」って、まさぜっとさんの住む町にもありますか? あの会社、実は神戸の会社で、丸亀はおろか香川県と何の関係もないんですけども(丸亀製麺の店くらいはありますけど、別に丸亀市に本社があるわけではない)実はその名前の由来の丸亀がここだったりするんです。 前に丸亀の商店街に来たの、ってもうずいぶん前なんですが、そのころはまだ人通りがあったんですよ。それが行った日は11月3日でお休みの日だったのに、開店している店は商店街の中で数軒程度です。100軒くらいあって、4,5軒です。 郊外にショッピングモールがいくつもできてしまいました。本屋にしても、そのショッピングモールの中には紀伊国○さえあって、、ですから、本当に中心商店街に人が来ない、来ないから店を閉める、閉めるとさらに人の通行量が減る、という悪循環ですね。街中にマンションが結構建っているので、日用品の購買需要だってないわけではないはずなんですが、、本当にあの小泉改革で地方は一気に疲弊というのか、もう根こそぎダメになってしまいました、、。四国の中でも人口十万人以上の街ですら、ほとんど中心商店街はシャッター街ですね、、。誰がこんなにしてしまったのか、、。もうすぐ選挙ですが、そういうことだって俺は考えないと、って思っています。

Posted by: 謙介 | 12. 11. 21 at 오후 10:31

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