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12. 09. 14

奈良へ(その4)

謙介が中学の頃に住んでいた家はもちろん風呂はあったのです。
深夜電力でお湯を沸かす電気温水器もあったのですが
うちの家族、外の銭湯に入りにいくのが好きな人間で
よく外に入りに行きました。

その時に銭湯に行ったのですが、
今にして思えば、その銭湯、少々変わっていました。
風呂屋の脱衣場にコンテンポラリーアートのオブジェが
置いてあったのです。
ひとつではありません。そこここにです。
別に謙介、その時は不思議とも思わなかったのですが、、
(でもよく考えたらちょっと、、変わっていますよね。)

それから番台にはおばあさんが座っていたのですが
そのおばあさんいつも読んでいるのが、『婦○公論』でした。
女性自○とか、女性セブ○とかじゃなくて、婦○公論。
普通おばあさんが番台で読む雑誌ではちょっとないように
思います。

そのうちその風呂屋はおばあさんが亡くなり廃業しました。
ところがです。その番台に時々座っていたおっちゃんが
結構有名なお芸術家さんだった、ということを知ったのです。
画集なんかも出しているのです。

え? 風呂屋のおっちゃんと奈良の斑鳩と
何の関係があるのかって?

法隆寺の隣に尼寺の中宮寺という門跡寺院があるのですが
この風呂屋のおっちゃん、こともあろうに
ちょっと前から中宮寺書院の襖絵、屏風絵、を全部担当して
描いた、というのです。

でもねぇ、さっきも言ったように、この方、コンテンポラリーアートの
人なんですよ。 

描いた場所が@中宮寺。
この関係性がいまひとつ、、、うーんよく分かりません。
だから、襖絵だってこんなの。↓

Hamano1

で、聖徳太子絵伝、というのも描いて、それから正面の
左は「如意輪観世音菩薩キリク御像」、
右はご本尊・弥勒菩薩半跏思惟像(これはレプリカ 本物は本堂にあります)
のお身代わりさんだそうです。

Hamano2


お寺って、それも伝統のあるお寺って、
外側はいかにも伝統のあるお寺の雰囲気を保ちつつ
格式ある門跡寺院でっせ、という感じで人をたぶらかしているのですが
実際中に入ってみますと、とんでもなく
現代の最先端だったりすることがあります。
 
お寺の”イメージ”にだまされてはいけません。

いつだったか謙介、京都の妙心寺に行って
裏のお蔵を見せていただいて驚愕したことが
ありました。
お蔵の中で最新鋭のIBMのコンピュータが動いていたのです。


謙介、コンテンポラリーアートと門跡寺院のコラボレーションに
頭がぐらぐらしました。

加えて作者はたまに番台に座っていた
謙介の知っている風呂屋のおっちゃんです。
あの風呂屋のおっちゃんがこれを描いたんか、と思うと、
ぐらぐら度がよりいっそう激しかったわけです。

さて。
いい加減頭がぐらんぐらんしたところで
気を取り直して
駐車場に戻って、次の目的地に向かいます。

今度は法隆寺から道を真東に走ります。
今の表示で言えば国道25号線と県道192号線なのですが
この道、さすがに奈良だけのことはあります。
奈良時代にできたとても古い道で、昔は北の横大路と呼ばれた道です。

これが法隆寺から櫟本(いちのもと)まで走っていて、この道で
謙介は奈良盆地横断をしようと思ったのでしたが、、、。
国道25号線から途中県道192号に変わった段階で
道がとんでもなく急に細くなってしまいました。
車が対向できない場所が何か所もあるような、、。
まぁねぇ3ケタ県道なんてこんなものといえばこんなものですが。

奈良盆地横断です。
東の山なみが近づいてきました。
「たたなづく青垣」というヤマトタケルの歌、そのままの風景です。

何とか曲がる目標の櫟本小学○が見えてきたのでホッとしました。
ここで左折し、今度は北に向かいます。
奈良教育大○の近くで右折し、どんどん山の中に入っていきます。

山道をうにょらうにょらと走って到着したのがここでした。

Chaen

え?
一体なんだ?
茶畑が山の斜面に拡がっています。
その茶畑の間の道を上るのです。
もうこれは坂道、というような軽いものでは
ありません。れっきとした登山です。
「えらいー。」
「おっさん、足がもつれそう。」
「息が切れるぅぅ」
と口々にいいつつも山を登っていきます。
で、到着いたしましたぁ。

Konose


ひっそりとした山奥の、南に開けた山の中腹に
目指す場所はありました。

Yasumaro


はい。ここが太安万侶さんのお墓だったのでした。
平城京から、結構な距離があります。
車でも奈良の東南の高畑のあたりからだと20分くらいかかりました。
周囲だってこんなふうです。

Konose2

この墓所は、見つかった1980年当時、茶畑になっていたのです。
茶畑のお茶の木を植え替えようとして、地面を掘ったら、
お墓が見つかり、その墓碑銘によってこのお墓に埋葬されて
いたのがあの太安万侶さんだった、ということが分かったのでした。

この場所で安万侶さんは眠っていたのです。
茶畑になってしまっていて、お茶の根っこが
お墓に侵食してきて、ちょっと眠りを邪魔されたかもしれません。

でも、静かで落ち着いた山峡の見晴らしのよい山の斜面で
ずっと眠っていたかと思うと、なんて素晴らしいところにお墓が
あったのだろう、と思いました。
3人でお参りをしました。

お墓詣りも終えることができて、、時計を見ました。
もう1時前です。おなかがすいています。
おっさん3人は急に我にかえると、車のところに戻って
再び元来た道を走りはじめたのでした。

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Comments

 茶畑から発見されたとは聞いてましたが,けっこうな斜面なんですねえ。埋葬当時も,さぞや眺望絶佳なところだったんでしょうね。
 そういえば,この7月に安万侶さんの遺骨の一部が,安万侶を祀る地元の多神社に納骨されるという記事が4月に出てました。お帰りなさい,って感じでしょうか。

 中宮寺,こんなアートな襖絵(笑)があったんですか・・・! そうと知っていれば,お訪ねした時に中も拝観させてもらうんだった・・・

Posted by: Ikuno Hiroshi | 12. 09. 15 at 오전 12:41

---Ikuno Hiroshiさん
中宮寺の本堂の東側に鳩和殿という新しい書院ができて、その中にこの襖絵やら、屏風が置いてあるんですけど、、。本当に格式のある門跡寺院ですが、この新書院の中だけ入ってみたら、ぶっとんでしまいますです。(笑) 
安万侶さんのお墓の茶畑、もうそれはすんごい急傾斜の場所でした。急傾斜といえば、謙介は愛媛の八幡浜の辺のみかん畑で結構慣れているはずだったのですが、そのみかん畑よりもっと急傾斜で、、(スキーのジャンプとか滑降競技のような角度)あがるだけで息がぜえぜえ言いました。でも、本当に見晴らしはよくて静かで穏やかでいい場所で、、。ここに眠っていたのか、と思いますと、ちょっとうらやましかったですね。

Posted by: 謙介 | 12. 09. 15 at 오전 11:00

中宮寺も変化しているんですね。関係無いですが、お誕生日おめでとうございます。

Posted by: ともぞう | 12. 09. 16 at 오전 7:55

---ともぞうさん
そうなんですよ。古いお寺でもあっと驚くような変化があって、、。ありがとうございます。誕生日、また新たな一年を迎えられて本当にうれしいなぁ、と思いました。

Posted by: 謙介 | 12. 09. 16 at 오전 10:07

>謙介さん
 お久しぶりです。三重は、時折強い風と
雨が降っていますが、そちらはいかがでし
ょうか?
 伝統的なお寺のイメージとは、随分はな
れた感じですね。芸術に無知な私には、コ
ンテンポラリーもクラッシックも分かりま
せんが…
 こんな山の中のお茶畑に囲まれたお墓って
なんだか、韓国みたいですね。以前、友人に
つき合ってヨンインという所にあるお墓に
行ったとき、行けども行けどもお墓が見えて
こないので、謙介さんじゃないけども、まだ
登るのか?登山しにきたみたいだと思ったこ
とあります。

Posted by: yoko | 12. 09. 18 at 오전 10:23

---yokoさん
三重のあたり、相当雨が降ったとのことですが、被害はなかったでしょうか? 今日の雨はまたすごかったですね。 お墓、本当にそんな感じですね。これでもっと土盛りがこんもりとおまんじゅう型だったら、まるで韓国のお墓です。しかも日当たりとか眺めのいい場所にある、っていうのも似ている気がします。そうですね。本当に山を登って、という感じです。
ええええ、永仁まで出かけられたのですか。永仁というと子ども公園があって、一度行ったことがありましたよ。

Posted by: 謙介 | 12. 09. 18 at 오후 7:51

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