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12. 06. 11

るにれいのは

え?
「るにれいのは」ってなんだ?

なんだ、ったって、
日本銀行券にそう印刷されているんだもん。


こないだお久しぶりに
おつりで、こんなのを頂戴したわけです。

Omote


久しぶりだったので、やはりためつすがめつ
見てみました。

今まで2千円札にお会いしたのは、
数回しかなかったですし、もらっても使い勝手が悪いですから
さっさと使おう、って思って、
じっくりと見ることなんてなかったのです。

そういえば、裏になにやら書いてあったなぁ、、
と思って、暇だったし、時間もあったので、
その部分をしばし眺めてみたわけです。

Ura

あーあ。こりゃ、「うんこ文字」だわ。

もちろん元はかな書の作品なわけです。
この時代のかなは後の仮名と違って
墨の濃淡がきちんとありました。
ですから筆の墨の濃いところと
渇筆と言ってかすれが出るところが
あったのですが、
お札のデザインとして印刷化してしまったために
かすれの部分を作ることが
できなかった。

そのため
全部濃い墨、という設定にならざるを
得なかったのでしょう。墨がかすれたり薄いところが
普通に濃く印刷され、原典で濃いところがさらにもっと
濃くなってしまった。
だもんで、全部濃いところばっかりなって
必然的にうんこ文字化してしまった、という
ことなのでしょう。

で、何を書いてあるのかですが、
読めない。
あ、違う。読めたけど意味が分からない。

読める部分だけ書いてみると
こうです。


 すゝむし(すずむし)

 十五夜農(の)遊(ゆ)ふ
 二(に)宮於(お)盤(は)して八(は)
 堂(た)万(ま)ひつゝ念珠
 あ万(ま)支(ぎ)三(み)多(た)ち二(に)
 徒(つ)るとてなら須(す)
 のけ者(は)ひなと(ど)き
 いと那(な)三(み)にい所(そ)支(き)
 流(る)二(に)連(れ)いのわ
 いとしけく

わかります?

るにれいのわ、たって、なんやねん、
っていうようなものじゃないですか。
でも、そう印刷されているので、そうとしか読めない。

どうしてこんなことになったのか、と言えば、
絵巻物の上のほうの部分だけ
切り取るようにして
お札に転写したからです。

しかも絵は源氏と冷泉宮ですが
文章は別の場面ですから
全然文章と絵もあっていない。

おまけに最後から手前に3行目
最後の字は支(き)なんですが、
途中でぶった切られて、印字されているのは
上半分の「十」の部分だけです。
これだけだったら
何の文字やら判読できません。

しかも
下の結びの部分が切れています。
たぶん変体仮名を知らない人が見たら
「し」か? としか読めないでしょう。

でも「き」なんですよ。
なぜ「支」か、といえば、「所」から下に行くところの
途中にホンの少しですが結びが見えるのです。
こぶのようなものが見えます。それで専門の
人間は「支」(き)だ、と判読するのです。

絵と文はあってない、字は途中でぶった切られている。
どうしてこんなむちゃくちゃなことしちゃったんでしょうかねぇ。

たぶん文字を文字として見ていなくて
どうせあんなもの「みみずがのたくったような模様」
としか見ていないから
こういう雑なことをしてしまったのでしょう。

たとえれば日本銀行券、としないといけないところ、
「日本金」と印字してあるようなものです。
文字の途中でぶった切っているわけですから。

確かに日本銀行券と、関係ない字とでは、お札の中での
重要度が違う、といわれたらそれまでですが、
樋口一葉の顔のデザインがうまくいかなかった、
って言って発行を遅らせたのであれば、
字だってもっとちゃんとやれよ、って思います。

なにか引用したいのであれば、ひとまとまりでも意味が
分かるように歌の部分を使うとか、短い一節を全文収録するとか
もうちょっと何とかならなかったのでしょうか。


表を守礼の門にするのであれば、裏だっていっそのこと
『おもろさうし』にでもすれば良かったんじゃ
ないですかねぇ。

デザインしたのは誰か知りませんが、いまさらながら
この紙幣、裏を見ていて、あーあ、なんだかなぁ、って
思いましたです。


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Comments

二千円札、本土ではほとんど流通していないようですね。
沖縄では時々見ますよ。
ATMで9,000円おろすと、2,000円札×3枚、1,000円札×3枚とか出てきます。
タイバーツや米ドルの感覚があるからか、20THB、$20と同じく、2,000円もふつうな感じがします。
手渡しで使う分には充分良いと思うのですが、日本のように自動化が進んだ場所では券売機やATM、販売機で使えずに不良紙幣扱いになってしまいますね。
個人的には500円も紙幣のままが良かったです。
あとは20,000円札とかあると便利かなと思います。

守礼門、実物はちゃっちいですよ。
観光に来た方がびっくりすることがあります。
首里城自体がもともと拝所の場所に建てられていますから、施設の配置は幾何学的なものはなく、琉球風水に基づいた建築になっています。
本殿正門と本殿は上空から見ると若干斜めになっていますし。これはgoogleマップで確認できますよ。

Posted by: タウリ | 12. 06. 12 at 오전 9:42

---タウリさん
2千円札の解説、というのも見てみましたがさすがに日本銀行那覇支店になっていました。やはりデザインに守礼の門ということで、沖縄での流通はあるのですね。
 沖縄は一度行きたいのですが、、行く予定を立てると、必ず謙介の乗る予定の飛行機が欠航なんですよ。(なぜか)一度行きたいのですけどね。それからお金の地域差があるかもしれません。ずいぶん前に九州に行ったんです。下関からフェリーに乗って門司に。そうしたら四国の辺ではもう見かけなくなっていた、百円札が普通に置いてあって、びっくりしたことがありました、(って一体いつの話をしているんだか。)紙幣だと耐用年数が短いので効率が悪いのだそうです。でも、最近はスイカとかの電子マネーが出てきたので、昨年は記念セット用の硬貨以外の普通に出回る用途の硬貨は発行されなかったそうですよ。平成23年度の硬貨が出てきたら、ちょっとだけレアかも、という話でした。

Posted by: 謙介 | 12. 06. 12 at 오후 2:36

うちの社長は2千円札推進派で、何度か銀行で2千円札に両替していたんです。それが、2年位前からでしょうか、在庫無しと言われて、それっきり見なくなりました(ノ_-。)
2千円札が出てくるATMも評判が悪くて、いつの間にか2千円札は出てこなくなりましたね。
2千円札のイメージは、沖縄サミットと小渕さん、もうずいぶん昔の気がします。

Posted by: mishima | 12. 06. 12 at 오후 4:58

---mishimaさん
確か2千円札だけ別に出てきた記憶があるんです。あれがほかの紙幣のデザイン変更と一緒に出てきて、受け入れる側の社会も機械の変更を一度にできる時期であればもうちょっとよかったのかもしれないのですが、いきなり出てきて、はい、って言われたから、結局さほど流通しないでいる、ということになってしまったのかもしれません。それに創案者の小渕さんもお亡くなりになってしまいましたし、、。本当に「ずいぶん昔のこと」になってしまいましたねぇ、、。

Posted by: 謙介 | 12. 06. 12 at 오후 8:17

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