2012年春・ふたたびの京都へ(3)
今回は自転車、歩きで、京都の街の北のほうを
走り回ったのですが、やはり元、住んでいた街でしたから
自転車でうろうろしていると、過去の記憶があれこれと蘇ってきました。
たとえば千本北大路の佛教大学の前に来ると
自主映画の上映会で、ここまで映画を見にきたなぁ、、とか。
いや、その映画なんて、謙介、はっきり言って、大して興味は
なかったんですよ。ぶっちゃけた話。
その誘ってくれた相手が、当時、いいなぁ、と思っていた先輩だった
わけです。(打算打算。笑)
それでお誘いがあったので一にも二もなく行ったのですが、
その映画が全然楽しくない映画で、、
俺、途中でとうとう眠くなってしまって、、、。
終わってから、「寝てたやろ。」
って言われて、、なんだか気まずい感じになって
帰ってきたことを思い出したりしました。
その佛大からさらに上がった玄琢の辺に
ゼミの友達が住んでいて、よくいろいろな話をしに
そこまで自転車をこいで坂を上がっていったよなぁ、と
思い出したり、、。
あのころは、話をしよう、というだけで
自転車をこいで右京区の常盤から北区の玄琢まで
行く「情熱」があったのですね。
それからあれは小学生のまだ3年くらいのころですかね。
大晦日に、祇園の八坂神社のおけら詣りに行ったのですが
(その日、当時烏丸車庫の近くに住んでた親戚の家にいました。)
そのおばさんが、市電、終日動いてるわ、市電で行ったらええのよ。
と言ったので、謙介、ねいちゃんと間にうけて、烏丸車庫(今の
北大路バスターミナル)の場所から、南に南に歩き始めたんです。
12月、大晦日の晩です。
でも、市電なんて、一向にこない。
市電は他の日と同じように夜の11時過ぎで運行終了
していたわけです。
どこまで歩いたかなぁ、、
左が森みたいだったから、おそらく御所の辺まで
歩いたんじゃないですかね、、。
結局電車は来ない、しんどくなって
ほとんど半泣きになりながらまた烏丸車庫まで戻ってきました。
今も、暗い中に建っていた、大谷大学の塀とか、
御所の森のこととか、覚えています、、。
そして、1978年の9月30日。
この日は土曜日でした。
円町からこの日を最後に廃止される
京都市電に乗って、着いたのが、この
烏丸車庫前でした。
あの頃は烏丸車庫前、と言った駅も
今は北大路、となってしまいました。
夕方からまた市電に乗って、祇園に行って
祇園会館でオールナイトの映画を見ました。
映画を観終わって出てくると
10月1日の早朝になっていて、、、
びっくりしたのはもう早々と架線を外す工事が
はじまっていたことでした。
今回自転車で京都の街を走っていると
そういえば、ここも前に来たなぁ、とか、、
ここで○○とアホな話をしたなぁ、とか
いろいろなことを思い出しました。
その思い出す人の半分くらいはもう
今では音信不通になってしまった人なのですが
元気でいて、またどこかで会えたらいいなぁ、
と思いました。
それからご贔屓だった店が無くなって
しまったのも、やはりなんだか切ないです。
やっぱり謙介の中では本屋さんと
ジャズの店が無くなってしまったのが
残念です。
○善も北野白梅町と四条河原町にあった○ーム社も
河原町通りにあった京都書○も駸々堂も
あのころあった本屋さん、すべて無くなって
しまいました。ジャスの蝶類図鑑も
しあんくれーるも、、。
久しぶりに京都の街を走ったのはいいのですが
なにやらあれこれと一緒に記憶も蘇ってきて
(しかもそうしたものはほとんど無くなってしまったものばかりで)
ちょっと複雑な気持ちになりました。
これは春の今の時期だから、かもしれません。
4月1日は、午前中、ちょっとゆっくりして
お昼すぎに北大路まで出ました。
京都駅でバスに乗ろうと待っていたのですが、
俺の前には中学を卒業したくらいの
まだ少し幼い感じの女の子がバスを
待っていました。
その横にはおじいさんと彼女のおかあさんでしょう、
一緒にいて、、。
ちらっと見ると、香川の高校の入学案内を
持っていました。
おそらくスポーツ特待生かなんかで京都から
香川の高校に進学することになったのでしょう。
バスが来ると、そのおじいさんとお母さんは
バスには乗らずに、その女の子だけが乗りました。
バスに乗るときの彼女は
やはり泣きそうな顔をしていました。
この時期、故郷を離れて違う土地に行って
新しい生活をはじめようとする人も
多い時期ですね。
自分もウン十年前に学校を出て
四国に行くことになったとき、本当に
辛かったことを今も覚えています。
しかも最初の赴任地が離島でしたし、、
ちょっと前まで、本当に便利な生活に慣れていたのが
何も無い島で、、というのは、面食らうことばかりで
6月ごろには、すっかり自信をなくして
毎日落ち込んでいたことを思い出しました。
彼女のこれからの生活がどうか
有意義なものになってほしい、と
祈らずにはいられませんでした。
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