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12. 04. 16

着物

やっとこさ、気候も安定してきたかなぁ、と
思います。振り返ってみましたら
ここ数年の4月、って、結構急に寒い日が
あったりしますよね。
花冷え、なんていうようなものではなくて
冬に逆戻りしたのか、というくらい寒い日が
戻ってきたり、、。

一昨年の4月、徳島に出張があったのですが
あの時も、4月と思えないくらい寒い日で
コートにマフラーをして、まるっきり真冬のいでたちで
行った記憶があります。 おまけに雨がしとしとと降って
すごく寒かったです。

今年もたまに最低気温が一桁、
最高気温も10度台前半
の日があって、、本当に4月なの? 
という日もあったのですが
ようやっと、実家の周囲でも鶯が鳴き始めて、
春らしい日が来たなぁ、という気になってきました。

というところで、今日は着物のチェックをしました。
箪笥に入れてある着物の防虫剤、大体効力が半年なので
ぼつぼつ効果がなくなる時期です。
あわせて、ちょっと状態のチェックもします。

謙介は以前京都の右京区に住んでいたので、
西陣もそう遠くなかったし、周囲に染工場とか
家庭内で下請けのようにやっている機織の工場も
たくさんありました。歩いていると、ガッチャガッチャという
電動式の織機の音が聞こえてきたり、そういう家の友達も
いました。

家族がお茶を習っていたので、普通に家の中に着物が
ありましたし、呉服屋さんも定期的にうちに来ていました。
なので、最近の流行みたいにわざわざ「和」を取り入れる
とかいうような意識は全然なくて、物心ついた時には家に着物が
普通にぶらさがっていました。

学校の同級生の中にも
機屋の子がいて、そういう子の家に行くと自然に
着物の話をいろいろと聞く機会があったりして、、
だから着物自体、自然に自分の中に
在ったように思います。

でもね、びっくりしたのがやっぱり学校の卒業式でした。
機屋の子の着物のそれはそれはすごかったです。
もうその家のプライドにかけて作ったというような着物でした。
友禅の着物に刺繍もあしらってあって、、、
帯は帯で、金糸銀糸を使った刺繍があちこちにあって
それ以降もいろいろな場面で振袖姿の人を見ましたが
あれほどの着物と帯を見ることは、いまだにありません。
うーん、たぶん今で言えばトヨ○のレクサ○1台くらい
買えるような値段ではなかったかなぁ、と思います。

まぁそれはともかく。
最近そういう「和」ブームとかいうのがあるせいですかね。
「着物を着たい」という人がいて、
たまに着物の相談を受けることがあります。

着物が着たいんだけど、でも
その前に甚平とか作務衣で、着物に慣れたほうが
いいのかなぁ、、、という相談を受けるのですが、
甚平とか作務衣と着物はやはり全く別のものです。
甚平や作務着は洋服のときと
同じように足が動かせますが、着物だとまず
襦袢を着ているし、その上に着物を着て帯を
結いますから足の運びからして、そういう
甚平を着たときの足の運びなんかとは
全く違う歩き方になるし、身体の動きだって
違ってきます。 

着物の前に甚平を着て、着物に
慣れるようにしたいと言っても、違い過ぎるから
「慣れ」になんか全然なりません。
着物は着物ですから
最初から着物を着ないと、
着物には慣れないです。

着物を着たい、というのであれば
やはり一枚、着物を買ったらいいと思います。
(でないと何もはじまらない。)

そうしてそれをしょっちゅう着ることです。
どんなところにも着物で行って
その一枚の着物を着倒すまで着るのがいいと思います。

そうやって着慣れていく中で着物とはこういうものなのか、
着物を着たときの身体の動かし方はこうなんだ、というところまで
徹底的に身体に覚えさせる。そこまでが第一段階です。

そうしておいて、その次にはもうちょっと違う着物に
チャレンジしてみる。その間に今度はこんな着物を
着てみたい、とか、こういう色のものを、、という
思いが出てくると思います。そうやって幅を拡げていくのが
一番いいのではないでしょうか。

 
でも、着物って高いんじゃないですか、って
いうことですが、どうしても高いのが、抵抗ある
ということであれば、中古の着物、という手も
あります。 最近はおしゃれにリサイクル着物
って言ったりしていますが。

東京だと浅草
辺に結構そういう店がありますから、そういうところで相談して
みながら、買うというのもいいんじゃないですかね。
ただ、着物はリサイクルでも、
その下につける襦袢は新しいものを買ったほうが
いいと思います。だって襦袢って、下着ですし、、。

もしくは「アンサンブル」という形でセットになった着物を
呉服屋さんで売っています。いわば着物版のスーツ一式セット
みたいなものですが、それでそろえてしまう、という方法もあります。

着物が面倒、ということのひとつに
羽織なら羽織紐がいるし、その羽織紐をつけるためのかんがいるし
足袋もいるし、ぞうりがいるし、襦袢用の紐がいるし、、という
こまごまとした和装用の品物がいる、ということがあるようです。
でもね、ぞうりたって、そんなもの
ナイ○のスニーカーより安いですからね。
足袋たって、ゑちごやとか高島○で買えば高いけど、
スーパーで買ったら福助足○のそう高くないのを売ってるし、、
買いようだと思います。
冬場は、洋服と着物だと保温力がまるで違います。
着物のほうがよほど暖かいです。

さて。
防虫剤を換えます。

前に入れたのはとっくになくなっていたので、
新しいものにします。
ゴ○とかプレパラなんとかも
ありますが、謙介は何となくいつも昔からの
樟脳を使います。
これが樟脳の箱。


Shonou1
鍾馗さま印の樟脳、
普通のドラッグストアとかスーパーにあります。


鍾馗さまのマークが恐そうで効き目ありそうでしょ。
でも、鍾馗さまと仏教のお坊さん、って天敵同士ですからね。
よく京都の家の瓦屋根に魔よけで鍾馗さまの像を
飾っている家がありますが、鍾馗さまを飾るということは
坊さんは来るな、ということですから、、
仏教以外の宗教の家かもしれません。
もしくは、鍾馗さまにそういう意味があるのを
知らないで飾っているか、ですかね。

開けるとこういう個包装になっています。

Shonou2

パラジクロールペンゼンに似たような
鼻を刺すようなにおいがします。
もうこのにおいだけで虫は寄り付かないだろうな、
と思われるようなにおいです。
これをティッシュにくるんで
箪笥の箱の四方に置くのです。

Shonou3


着物はそれぞれ畳紙(たとうがみ)という
紙の入れ物に入れて保存しています。

Tatou

さっそくその畳紙から出して状態を見てみます。

Tsumugi1

これはつむぎの着物。
こないだのこんぴら歌舞伎はこれを着て行きました。

つむぎには大島紬みたいに
一反が100万円とか、(反物状態で着物にしていない値段でです)
車が1台買える値段のものもありますが、
たとえ値段が100万も200万もしても
つむぎはもともとくず糸を「つむいで」作った
ものですから、正式の場所には着て
いけません。(正式の場所にはお召しを着ます。)

でも、正式の場所以外であれば、
その分どこにでも着ていける、という応用範囲の
広さはあると思います。

Tsumugi2

これもつむぎです。
着物の基本で必要なものは、襦袢と襦袢の紐、着物、帯、羽織、羽織紐、
羽織紐のかん、足袋、草履ということになりますかね。
最初、まずそれだけは最低限必要です。
と、書くと、うわーなんだか面倒そう、って
思われるかもしれませんが

襦袢・襦袢の紐 →アンダーシャツ
着物 →シャツ、パンツ
羽織 羽織紐 →ジャケット
帯 → ベルト
足袋 → ソックス
草履 → シューズ
まぁ衣装の構成要素ですから同じじようなものです。 
羽織紐のかん、はちょっとした金具です。

最初は安いつむぎの着物でいいんじゃないですかね。
洋服で言えば、ジャケット、綿シャツにジーンズ、という程度でしょうか。

Jyuban2

襦袢。まぁアンダーシャツです。

これは紋付。(見りゃ分かりますね。)

Montski2
紋付の生地は羽二重です。さすがにどっしりと重たいです。
着物の上に羽織を着ます。
正式の5つ紋です。
うちの家紋は梅鉢なので天神さんと同じ。

Hakama


袴。 紋付羽織袴の一式は大学院の修了のときに作りました。
機屋の友達が、ええのが出てるけど、あんた買うか? と口を利いてくれたのです。
さすがに仙台平の袴、とまではいきませんでしたけれども。(笑)
礼装の時には扇子が必ず要ります。

これがこまごまとした小物類。

Komono


一応、着物の状態をチェックをして、また畳んで、畳紙の中に納めて
着物のチェックは終了です。

着物もどこにでも着ていって、着慣れることが必要だと思います。
こないだ、京都ホテ○で朝ごはんを食べようとしたとき
隣のテーブルに紋付、羽織の人が座ってご飯を
食べていましたけれども、その人、妙に紋付が
似合っていて、、たぶんいろいろな機会に紋付を
着て着倒したんだと思います。
着物も着慣れると、その人の「自然」になります。


たまにしか着ないから、着物が歩いている、
着物に着られている、という状態になるのだと思います。

そのためには、一枚とりあえず着物を買って、
それを着て、着て、着て、
身体に着物をなじませること。
着物が着たいということであれば、
まずそこからはじまるように思います。

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Comments

謙介さん お久しぶりです。私は、体調が化学療法の副作用で毎日どんどん悪化しております。とはいえ、今も生きているので文句も言えませんが。

私も、実は着物は箪笥一棹分持っているのですが(あまり着ないのに、理由は自分でも分かりません)、化学療法を始めてから着ていません。粗相をしそうで、トイレにそれこそ1時間おきにいかなければならないこともあるので、諦めかけていますが、とはいえ、着ないと着物が駄目になるようにも思うので、謙介さんの記事を読んで、歌舞伎か、能に行く機会に、無理してでも着てみようかと思いました。

私は紋付袴は持っていないのですが(お茶も仕舞も習っていないし)、何故か親が仙台平だけは勝手に作ったため、持っていますが、未だに着たことがありません。このまま、一生着ないで終わりそうです。袴は、慣れなんだそうで、短い着物でも化繊でも何とか格好がつく便利物らしいのですが、私には難しいです。紐が結べません。歩き方もだめだし。

歌舞伎はやはり着物ですよね。升席ですもんね。また、書家が洋服じゃ、ですよね。

Posted by: まさぞう | 12. 04. 26 at 오후 4:57

---まさぞうさん
書家と言っても、本当に頼りないようなものですが、、。こんにちは。 メール、出したかったのですが、さりとて、お出しすれば、まさぞうさんのお人柄ですから必ずお返事、ということになりましょう。それも却って体のご負担になるのではないか、と思い、案じてはいたのですが、メールを積極的に打って、というのも、、なぁ、とためらっておりました。 着物、箪笥一竿ですか。それなら、一度、お召しになってみられたらいかがでしょう。なんでもないときに着られてもいいんじゃないでしょうか。袴、そうです。上は化繊の着物でも、袴のちゃんとしたのを着ていたら、みんな目が袴のほうに行って化繊の着物は、、ごまかされます。(笑)そういうちょっとした気分の変化をつけてみる、というのも、思わない気持ちに効果があるようにも思えます。一度お試しになってみられたらいかがでしょうか。

Posted by: 謙介 | 12. 04. 26 at 오후 8:38

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