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11. 12. 14

日の丸みかん 

このあいだ、11月29日のこと、宮内○正さんという
農家の方が89歳で亡くなりました。
謙介の通勤途中におうちのある方でした。

事情の知らない人であれば、それがどうしたの?
ということですが、実はこの方の
農園に植わっていたいよかんの木に
今までのものと違うものがあるということを発見し、
その果樹を園芸研究所とともに調べ、これは酸味の少ない、また
たくさん実のなる品種であることをつきとめ、県下の農家に
その苗を安く分け、栽培面積をどんどん増やしていったのです。

Miyauchi


現在のいよかん、「宮内いよかん」が正式名称
ですが、その「宮内」の名前はこの方の名前なのです。
今のいよかんの味はすべてこの方が作ったのです。
みなさんが食べているいよかんは、この方の
おかげでここまでおいしくなったのです。
(はじめのいよかんは酸っぱくて収量も一定せずに
あまり食べられたものでなかった、といいます。)


ただそのいよかんもこのところ消費が頭打ちです。
毎年のことですが、こちらのスーパーでは
後継品種の試作品が売りに出ています。

去年から出ているのは「紅まどんな」という
ものです。
まどんな、と言っても、謙介とそう歳の違わない
外国のあの人ではなくて、この辺では
夏目金ちゃん作の『坊ちゃん』の中に出てくる
「まどんな」であることは自明の理とでもいうべき
ものでしょう。

でも1個200円のみかんなんて買いたくないぞ。


Hinomaru1
さっきスーパー行ったら、
日の丸みかんがありました。

前にもお話しましたが、この辺のスーパで売っているみかんは
すべて産地がこと細かに書かれています。
単に「温州みかん」などというものは存在しません。


松山市中島産 松山市興居島産 (ごごしま) 八幡浜市真穴産(まあな)
という具合です。 そして産地によってみかんの値段も
大きく差があります。
その中でもやはり燦然と輝くブランドのみかんが
日の丸みかんです。

ラベルからして凄そうでしょ。
普通のスーパーのみかんなんて赤いネットに入っているだけですが
この日の丸さんだけは別格です。

中に篆書体の字で「千両」と書いたラベルが入っています。
みかんの中の千両役者ということなんだそうで。
みかんの箱も千両箱をイメージしたものとか。
もうJA西宇○の気合の入り方からしてすごいです。

Hinomaru2

隅っこのほうに小さく「日の丸」とかかれています。
うつくしいみかんです。

Hinomaru3

さっそく官能検査をしてみます。
甘いです。 酸味と甘みの絶妙のバランスが
取れていて、非常においしい。
値段もすごいですが。

Hinomaru4


ですが、1個食べたらもういいや、という気になりました。
普通の温州みかんなら1度に2,3個は食べるのですが
このみかんは1個食べたら、もういい、という気になりました。
脳とかおなかが満足しちゃうんですね。
不思議なみかんです。

あんまり食べ過ぎないから却ってみかんの食べ過ぎには
いいかもしれません。
おいしかったです。
でも次からはお値段安めの興居島のみかんでいいや、と
思いました。

今年は夏に雨が少なかったために
味のいいみかんができました。

いつもの年なら、味がちょっと薄くて
大味の某産地のみかん(だからいつも安い)が

今年は夏に雨が少なかったために味が濃縮されて
よい味になっていました。

別に日の丸みかんでなくても
安いみかんでも今年は十分よさそうです。


さて。みかんの選び方ですが
Lサイズなんて論外です。
MかSのみかんがいいのです。

小さくて皮の薄いみかんが
おいしいみかんのポイントです。
大きくて皮の分厚いのは味が薄い場合が
多いですから。
後、産地が書いてあったら、
そこは海辺かそうでないか、
グーグルアースで場所を確認してみることですね。

海辺の急傾斜地のみかんだったら
オッケーです。
みかんは潮風が当たらないとおいしくなりませんから。

とはいえこの辺の人はみかんなんて
わざわざお金を出して買ったりすることはあまりなかったりします。
親類とか近所の人がくれることが多くて、、


知らない間に家の中に自然に「そこに在る」のが
この辺でのみかん、というくだものなのかもしれません。


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