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11. 10. 21

秋色探訪(その9・了)

お風呂でよーく温まりました。
というのか、この日は夏のようで非常に暑かったのです。
やはり熱いお風呂のあとは冷たいものが一番ですよね。
本当ならお風呂あがり→フルーツ牛乳、と行くのですが
今日は違います。

このラヂウム温泉から東へちょっと行ったところに
玉屋があります。 正式には玉屋サントノー●というお店です。

Tamaya1

しかし、たまや、というとっても日本的な名前の後ろに
パリの地名がついて、なんだか怪しさ爆発の店名ですね。


看板にフランス菓子、とありますが
それは冬場のことです。
夏は(と言ってももう秋でしたが、、。)
この店はかき氷の店になるんです。
かき氷、と言っても謙介がわざわざお客人を
お連れするのですから、普通のかき氷屋では
ありません。

これまた食べログの文章なのですが
四国の店のあちこちの記述で、お客が座ったのに
注文をとりに来ない! って怒った文章を
書いているのを見かけます。
見てみると大抵他地方の人が書いています。

それは四国の店を知らないから、だと思います。

たとえばセルフの形態のうどん屋を想像してください。

今でこそセルフのうどん店も
「そういう店」だということで、そのシステムだって
全国的にも理解されるようになりはしました。

しかし今から20年くらい前のこと、実家の近所の
いつものうどん屋に昼ごはんを食べに行きました。
そうしたら見慣れない人が座っていました。
その人は店の真ん中のテーブルにいたまま
俺がうどんを取って、てんぷらを取って、お金を払って
食べ終わるまでずーっとそのままでした。
するとその人、不意に怒りだしたのです。
「この店は注文を取りに来ないのかぁぁぁ。」って。

はい来ません。(笑)
少しは周囲の状況を観察しろよ。
とも思ったのですが、、。
そこにいたってようやっと周囲にいた人が
この店の「流儀」についてレクチャーしてあげて
ようやっとその人は理解をした、のでした。


そういう光景は1度だけでなく何度も見ました。

どうしてセルフの形態ができたか
といえば、店の人が手が回らないから、
客が「自主的にやった。」からです。

四国の店の場合、注文をとりにこない、
ということがしばしばあります。
店の人がお年寄りで耳が遠い、ということも
ありますし、一人でやっていて十分なことができない
ということもあります。
そういうときは、調理場の入り口とか、帳場のところに
行って、「す・い・ま・せ・ん、だれか居りませんか? 」と
怒鳴るのが一番です。


ええ。怒鳴るんです。

小藪温泉のときだって、帳場に旅館の人が
いなくて、たまたま来ていた出入りの業者の人が
怒鳴ってくれたから、旅館の人が来たわけですしね。

場合によっては店の裏の畑に野菜を調達しに行っている、とか
2階のように離れた別のところで何か用事をしている場合も
ありますから。単に声をかける、とか、ちょっとやそっとの大きな声で
言っても、耳の遠いおばあさんには聞こえやしませんから。

いつまで待っても店の人間は気づきません。
他の地方の人は、失礼な、と思うかもしれませんが
四国の店ではそういうことがよくあります。

まずは客が店にいるぞ、という存在を知らしめないと
四国の店では食べられない、ということもあります。
どうしてこんな話を延々と書いたのか、といえば
この玉屋についても、店に入ったけれども
しばらく誰も注文を取りにきてくれず放置された、
と他地方の人が書いていたからです。
これもまた、「それは単にあなたが四国の店の流儀を
知らなかっただけじゃないか。」と謙介は思います。


この今治にはかき氷で有名な店が2軒(2件なんて
誤字書くなよ。笑)あります。
1軒はお城の近くの登泉●、もう1軒がこの
玉屋です。登泉●のかき氷は9月までしかなくて
もうシーズンが終わっていたので、必然的に
玉屋で食べる、ということになりました。

ここで人気のあるのは、ミルクセーキ味かイチゴ味なのですが
ちょっと見て欲しいものがあるので、
おばさんにイチゴミルク2つと注文します。
あ、今日は、ちゃんと注文をとりにきてくれましたです。
しばらくしてお待ちどうさま、と言いつつ運んできて
くださったのがこれです。

Tamaya2


大抵の店の氷イチゴなんて、
単に赤くて甘い色水にイチゴの匂いをつけた
ものを氷にかけただけですが、
ここはそんな安易な氷イチゴではありません。
イチゴの季節に本物のイチゴを使ってソースを大量に作って
おいたのを保存しておいて、そのソースを氷にかけます。

だからホラ、イチゴの粒粒が見えますよね。
しかも氷がスムージーとまでは行きませんが
とてもきめ細かい氷で、口の中に含むとさっと溶けていきます。
もうここのかき氷を食べたらよそのはちょっと、他所のでは
満足できない、というかき氷なのです。
氷のきめがこまかいのが ↓ お分かりいただけますよね。


Tamaya3

お風呂からあがって、氷イチゴをいただいて、ほんとにすっきりしました。
帰り、やはり店の人がいませんでしたので
謙介は、調理場の入り口のところに行って
大声でごちそうさまでした。お会計お願いします、
といいました。
ほらね。 これをしなくっちゃ。(笑)

この後、一度家に戻って晩御飯を食べてもらって
港までヒシさんをお送りしました。
楽しかった、と後でメールをいただいたので、
こちらもホッとしました。
謙介も前々から気になっていて
機会がなかった場所、お客人を伴ってで
ないと行く機会のないような場所に
今回まとめて行くことができて、
長年の懸案を一挙に片付ける(笑)ことが
できました。
こんな秋の休みを過ごしたのでした。

(今日聴いた曲 フランツ・リスト作曲 巡礼の年 第1年 スイス から
 泉のほとりで ピアノ ホルヘ・ボレット 1983年 ロンドンにおける
 録音)

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Comments

会う前から「食文化、食文化!」の繰り返し、謙介さんにはご負担ではなかったでしょうか?そんな我がままなリクエストに貴重な時間を割いてくださったこと、大変感謝しています。

とても楽しい旅でした。城や温泉、食べ物など大切な思い出になりました。ありがとうございました!

Posted by: ヒシ | 11. 10. 21 at 오후 10:07

---ヒシさん
いえいえ。今回の旅行は前々から行きたかったのですが機会がなくて行けていなかったところを大体行けたので、謙介の中でも満足しています。おいしいものも食べられたし、、。清○にいけなかったのが残念です。また今度、ということで置いておきましょう。こちらこそありがとうございました。

Posted by: 謙介 | 11. 10. 22 at 오후 3:09

食い逃げしても分からないですね(笑)。
呼んでまでお金を払うなんて、四国の皆さんは律儀で素晴らしいです。

僕が小さい頃に行ったことがあるおそば屋さんでのこと。
おばあさんが一人でやっている沖縄そばのお店でした。
店に入ると12席しかないのですが、他のお客さんがすでにいるときは、おばあさんが出てくるまで大人しく待っています。
先客の注文を作っているので、呼んでも出てこないからです。
先客のそばを出すと、いよいよ注文を取りに来ます。
「いらっしゃい! 大ねぇ?小ねぇ?」
この店は「沖縄そば大」と「沖縄そば小」しか、そばメニューがありません。
しばらく待つとそばが出てきます。
出しながらおばあさんが聞いてきます。
「ご飯食べるねぇ?」
食べると答えると、ご飯を持ってきてくれます。
お金を払うときも、おばあさんが奥に作りに行っているときは、無理に呼ばずに出てくるのを待ちます。

そんな長閑なおそば屋さんを思い出しました(笑)。
そのおばあさんは数年前に亡くなり、娘さんが継いだのですが、そばが美味しくなくなったので行かなくなりました。

謙介さんの地元紹介がとても素敵なので、四国に一度行ってみたくなりましたよ(^^)/

Posted by: タウリ | 11. 10. 24 at 오후 10:49

---タウリさん
まぁのんき、と、言えばのんき。性善説に基づいた商売といえばそうですね。うちの近所のうどん屋なんて、セルフですから、自分で好きな量のうどんを取って、好きな天ぷらとかお揚げさんとか載せて食べてから食器を返す時に自己申告して食べたものを言って精算する、というシステムです。 もう究極の性善説に立った店だと思います。 まぁこれも近所の人しか来ないので、そういう「ずる」はしない、という前提があるからだと思います。 前に高知と愛媛の県境の集落の旅館に泊まったのですが、ここも究極のセルフ旅館でひっくり返りました。 台所に「おかずを適当に作ってあるから、それでご飯を食べて。部屋の入口にシーツが置いてあるからそれを使って寝て。一泊3000円。」と言われたのには、、あははは。言葉がありませんでした。今はさすがにそういうところもなくなったとは思いますが、(ひょっとしてあるかもしれない。) 四国って結構そういうディープなお店が今なおあったりします。そういう店をめぐるのも案外隠れた楽しみだったりするのです。 タウリさんならいつでも大歓迎です。ぜひぜひ。

Posted by: 謙介 | 11. 10. 24 at 오후 11:02

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