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11. 10. 16

電子書籍はどうして流行らないのか(その2)

電子書籍についての研究会に行ってきました。

Kenkyu4_1

2種類の電子書籍を読むことのできる
デバイスをそれぞれ直接使って、どんなものか
実感してみました。結論から言って
使用感としてはやはり非常に使いづらい
ということでした。

思い浮かべたのが電気自動車ですね。
もうちょっとしたら使いやすくはなるだろうけど
今はまだ要らない。(笑)

これはipadのデモです。

Kenkyu4_2

Kenkyu1_2


横書きの源氏なんて要らね。

研究会に来ていた人たちと
話をしてみると、まだまだ相当の誤解が
あるなぁ、というのも分かりました。
ipad とかkindleが電子書籍、って
思ってる人が結構多かった、ということです。
あれは電子書籍を読むためのデバイス(道具)
にすぎません。

まずもって問題なのが、この「道具」がやたら
かさばるのです。
文庫本とか新書サイズだと
いいのですが、一体どこからあのサイズが
できたのか。B5でもない。A4でもない。
非常に中途半端なサイズです。

しかもやわらかくなくて板状ですから、
硬い上にそこそこの重さがあります。ipadだけ
もって移動するならともかく、他のものも一緒に
入っていてさらにこれが入ると重いです。
しかも曲げられなくて板のまんまなので、
それだけでカバンの中で自己主張します。

こんな使い勝手の悪いデバイス、
何とかならないんですか?
と聞いたら、後数年後には下敷き程度の薄さに
なって、折り曲げられるのも出るようです。
もう試作段階では下敷き程度の薄さのものも
できているようですし、自由に曲げられるものも
あるようですから、もうじきその形状のものが
市販品として出てくるでしょう。

今、わざわざあんな使い勝手のよくないものに
飛びつかなくたって、、デバイスがもっと
便利なものになってからでも、ということを
思ったのが、まだ買わなくもいいや、と思った
理由のその1です。

しかも今、ipad一台が30000円台から40000円
前後ですよね。
これもおそらく価格はどんどん下がると聞きました。
謙介はkindleであろうとipadだろうとどっちでもいいです。
値段が安くて薄くて軽いといった使い勝手のいいほうが
出たら、より使い勝手のよいほうにするだけです。


まぁこれでとりあえず道具のほうは
将来的になんとかなりそうだ、と。
しかし、もっと問題は中身の「本」のほうです。

この本のことが正しくは電子書籍、というわけですね。
これが問題です。

しかし、正直言って読みたい作品がありません。
どんどん新しいものが出るのは
携帯配信のマンガくらいであって
新刊書が電子書籍で配信される、
ということにはなっていません。
読者が読みたいと思っているような作品に限って
電子書籍にはなりません。

どうしたら電子書籍は流行るのか?
そんなもの簡単なことじゃないですか。
読者が読みたい作品をさっさと電子化しろ、
っていうことだけだと思います。
ろくでもない作品しか電子化しないでおいて
これではダメだろですよね。

図書館なんかでも、電子書籍のエイジェントと
契約して雑誌の講読をしようとすると
必要度の高い雑誌の契約と
抱き合わせで大して必要のない雑誌も
一緒に契約させられたという事例もあるようです。
そういうふうな抱き合わせ契約って、法律違反じゃ
ないんですかね。

それと俺、思ったのですがそういう
電子書籍の雑誌を配信している
出版社がこけたらどうするんですか? 
と俺が質問しました。今どき、突然会社が
倒産するなんていうこと、当たり前にあるじゃ
ないですか。一部雑誌ではサーバーに保存
しておく、という動きもあるようですが
それはまだ外国のことであって、しかも
一部の学術雑誌にしか過ぎません。
だからそういうときのバックアップがありません。

後、それから著作権の法律の兼ね合いが
あって、簡単にページのコピーをすることが
できないようになっているものもあります。

ただ、それから書き込みとか線を引くことは
できるようになっています。これは知らなかった。

今まで↑山のように文句を言ってきましたが
可能性が全く無いということはありません。
いいところだって結構あります。
それでは、どういうところが便利なのか
といえば、一つは、百科事典とか辞書辞典類の場合
キーワードさえ入れたら、自分の探すところに
ピンポイントで行き着くことができます。
それから写真の色も綺麗でしょうから
紙と違って印刷の色の具合で実際のものと
異なる色になってしまった、ということも
ありません。それから、デバイスがもっと
改善されて下敷き程度になったら、薄くて
軽くて持ち運びはよくなるでしょう。

それから障害を持った方々が
本屋とか図書館まで行かなくても、自分の家の中で
いろいろな本を読む、ということもできますよね。

しかし、俺がひそかに思っているのは
図書館でさっさとこれやってくれないか、ということです。

たとえば国会図書館の本を読みたい、
と思った場合、今であれば近くの公共図書館
に行って、その図書館から国会図書館に
ILLで現物貸借をお願いして、
送ってもらってその公共図書館に行って読む、
ということになっています。

それを国会図書館から自分の持ってるデバイス に
配信してもらったら、わざわざ図書館に行かなくても
いいじゃないですか。今まで貴重書で貸し出し禁止に
なっていた図書だって配信ですから何の問題もなく
閲覧ができるでしょう。
それに開館時間とか閉館時間なんて関係ないですし、
返却日に遅れるということもありません。
期間がきたら閲覧終了になるだけです。

図書館だって、実物を送るわけではないので
本は傷みません。しかも、図書館にその本が
一冊しかなくて、読みたいという人が20人来た
としても、配信したらみんなすぐ読めるじゃ
ないですか。(まぁこれは著作権の問題が
あるでしょうから、そこをクリアして、という
話ですが、この話し合いは目下進行中です。)


確かに今、図書館でipad を貸してくれている
ところもあるようです。でも、まだまだ読める
作品が限られているので、本当に限定的な
ものになっています。

電子書籍が流行るようになるためには
使う側の意識をもっともっと汲み取ってくれ
ということだけだと思います。

ただ、ここ1、2年のうちにこうした電子書籍関連の
著作権制度も相当に整備されてくるようですので
そうした法的な整備が整ったら、多少変わって
くるのかなぁ、という気は少ししました。

ですが、正直まだまだもうちょっと先(と言っても
1,2年くらい)のものであって、今はまだ電子書籍は
イラネ、と思った謙介でした。

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おべんきゃう」カテゴリの記事

Comments

ネットと書籍の中間ぐらいの物が良いですね。
電子書籍ではなくて、電子図書館というものです。
膨大な書籍やマイクロフィルムデータをネットで検索し、閲覧できるSystemができたら良いです。
しかも、タブレットのような簡単な装置で。
活字に直した古文書ではなくて、現物の複写を見ることができると素晴らしいです。

先日話題になった、あるタンパク質の3次元構造の解読の話し。
学者先生が十年近く悩んだものを、ゲーマー達が数週間で解読したそうです。
現在は古文書・歴史資料の現物は一部の専門家の占拠物ですが、これを複写という形で公開すると、思わぬ所から解析や意見が出てきて面白いかもしれません。
古代文字の解読も進むかも。

そんな夢のある形で電子書籍~電子図書館の開発が進んでほしいです。

Posted by: タウリ | 11. 10. 19 at 오후 10:02

---タウリさん
この研究会で聞いた話では、国会図書館がその準備をはじめていると。というのか、今の長尾館長さんがそういう面の推進に熱心なので、近い将来そういうサービスが始まるのでは、という話でした。ただ資料の電子化はもう始まってはいるのですが、やはり多大の経費が掛かるので、年度ごとの順序で、ということになりそうで、、果たして謙介の生きているうちにその資料を家の「下敷きタブレット」で閲覧できる日が来るのか、、。(笑)いや、来てほしいですね。

Posted by: 謙介 | 11. 10. 19 at 오후 10:46

日本にある資料、史料を電子化することは大変なことですよね。
僕が想像できないぐらいに膨大なものだと思います。

ヒトゲノムの解析を全世界の科学者が分担して取り組んだことがありました。
1国が手柄を取ろうとしても不可能なことでしたが、手柄云々ではなく、科学の発達のために世界が手を取り合った出来事でした。
日本には膨大な数の大学や研究機関があり、様々な資料・史料を収蔵する施設もたくさんあります。
こういうときこそ、文部科学省が先頭にたって、日本文化保全と学術的検証・解析への寄与を目的として、予算付けや計画をおこなってほしいものです。

地震や津波だけでなく、様々な歴史的事実が全国に埋もれていることと思います。
所持者は気付かなくても、ある目的を持って閲覧した人には宝玉の情報が含まれているかもしれません。
できれば無料で、もしくは手頃な閲覧費用で公開してほしいですね。

Posted by: タウリ | 11. 10. 24 at 오후 10:37

---タウリさん
今、各大学の研究紀要とか調査書を電子化して、大学のホームページにぶら下げる、っていう作業をしています。ですが、これが非常に難しいのです。やっぱり著作権の関係が大きいです。日本から見る外国雑誌でも、筆者の著作権の許諾状況から、タイトルだけの公開しか許さない、という人も居れば、サマリーまでだったらいい、という人もいるし、全文公開オッケーという3種類に分かれます。だから電子化もなかなか難しいです。
まぁそれでも一応はやっているんですよ。国立情報学研究○(NII)という機関がありまして、そこで目下集中的に国の予算も結構つけてやっています。ですが、今、日本には国立大学はありません。小泉内閣のときに国立大学は民営化してしまいましたから。ですからたとえば沖縄の琉球大学も国立ではなくなってしまいました。前のように国立大学は全部予算をつけて、ということはできにくくなりました。各大学独立した機関なので、資料を電子化するのは各大学の判断になるんです。その辺、どうやって総合的に資料の電子化を系統だててしていくのか、ということもこれからの大きな課題だと思いますです。

Posted by: 謙介 | 11. 10. 24 at 오후 11:13

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