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11. 09. 26

のりもの

このブログをお読みのみなさんのところ
先日の15号台風は被害はどうでしたか。
本当にちんたらちんたら行って
おまけに1回転までして、、
この時期日本では台風、ってやはり毎年の
ように来るものではありますが、
3月の大震災、こないだの12号台風で
大きい被害が出ている上に、、と思ったら
やはりどうかこれ以上もう被害が出てくれるなと思いました。
それでもまた今回も大きな被害があちこちで
出たようで、、。
テレビニュースの画面を見ながらため息が出て
しまいました。

さて。
先日の東京行きのお話をこれから少しします。

旅に出る、となるとやはりいろいろな乗り物に乗ることが
できるのが楽しみです。
(ただし、船旅だけは絶対に嫌です。離島で暮らしたときに、
謙介は自分の人生の一生分は船に乗ったと思うので、
もう船での移動はごめんです。)

今回もいろいろなものに乗る、ということだったので
いろいろなものに乗れるのを楽しみにしていました。

まずは乗り物に乗るためには、その乗る場所に出かけ
なければなりません。
ということで、ここからスタートです。

Kuko


この写真だけ見ても「へ? 」というものですね。
この場所は映画のセカチューの中で森山未○くんが
「助けてください! 」って叫んだ場所なのでした。

セカチュー、っていうと、
これをごらんのおそらくほとんどの方は
あああれね、でおそらく済んでしまう、と思います。
安っぽいお涙頂戴の映画じゃないか、とか。
中には「病人を勝手に連れ出しておいてアホか。」とさえ
書いてあったブログも見ました。

でもね、謙介、毎週がんセンターに行って、
「○○へ一度行ってみたいんよ。」と何度も言いながらとうとう
最期までどこへも出かけることができずに
そのまま亡くなってしまった人を何人も見てきました。

実際にそういう人が何人も周囲にいた身としては、
あれを映画のお話と、一方的に片付けてしまうことが
できないのです。
 
やはりどうしても現実の問題として
考えてしまう映画です。

もし、自分の家族とか身近に死期は近づいているけれど
「どうしても○○へ行きたい。」という願いを
持った人がいたら、あなただったらどうしますか?
病人のくせにわがまま言うな、って
言ってしまいますか?

あの映画を見ると、やはりがんセンターで出会った、
そうした人たちのことを思い出して、ふと
考えてしまうんですよ。

自分だってとりあえず今は、こうやって日常の
仕事をしていられますが、将来はどうなるのか
分かりません。 主治医は99.9パーセント悪化する
と言います。死ぬ前に一度○○に行きたい、
という場所があって、そこに向かおうとしていた、
そこへのあこがれの気持ちとか、
やはりダメだったときのものすごく深い失望感とか、、
やはりどうしてもそういうことが
リアルにこちらのほうに響いてきて考えざるを
得ないのです。

あ、話が重くなってしまいました。すみません。
最初はこれに乗ります。

777

カウンターに行って、手続きをします。
誰かさんときたらマイレージを別の”星組”加盟の航空会社で
貯めているので、カウンターのおねいさんにやってもらいます。


この日の初発便の機材は777。
ちょうどこの時刻、JLとNHが同時に羽田に向けて出発します。

搭乗時間になって飛行機に乗り込みます。
同じ時刻出発で、しかもJLより謙介の乗る
飛行機のほうが大きいのに搭乗時間は
JLより後でした。

この日はスクリーンが故障していたために
非常用設備のご案内は画面ではなくて
CAさんのデモンストレーション実演つきでした。
久しぶりに実演の非常用設備のご案内は
とても新鮮な感じでしたね。
そうこうしているうちに先に離陸するJLの羽田行きが
滑走路から離陸していきました。
謙介の乗った飛行機も続いて滑走路の端に止まりました。

エンジン音がひときわ高くなったと思うと
ゆっくりと走り出した機体はどんどん加速していって
あっという間に地面からふわりと浮いて地上を離れます。

田園の中の空港がどんどん小さくなっていきます。
この空港、3月の地震以来、見方が変わってきました。
というのが、四国のほかの3県の空港はすべて
海辺にあります。
ですが、ここだけ山の中の空港です。
今までは山間部で視界が悪くなって欠航が
多い、という批判が多かったのですが
東南海地震が起こった場合
津波の害を受けない唯一の空港、ということで
緊急時の輸送計画という側面から
にわかにクローズアップされてきている
と聞きました。


雲の間を抜けて飛行機はさらにさらに上昇を続けていきます。
 
やがて水平飛行になりました。

何を聞こうかな、と思って機内誌を開けたら
Tsubasanookoku_1
先週行った倉敷の特集でした。あはははは。


音楽で聴きたいのはなかったのですが
落語が米團治さんと米朝さんの上方落語親子競演。

米團治さんが「はてなの茶碗」、米朝さんが「鹿政談」。

ちょうどヘッドフォンを耳にかけてチャンネルを合わせると
米朝さんの声が聞こえてきました。
うーん。いつごろの録音だろう? この声だとたぶん50代のころかな、
と思います。
とすると30年くらい前かなぁ。

窓の下を見ます。

Sora2

奈良の上空とCAの方のアナウンスがありました。
ヘッドフォンから聞こえてくるのは米朝さんの「鹿政談」
これも奈良の鹿のお噺。

米朝さんの一席が終わって米團治さんの「はてなの茶碗」も終わったころ
飛行機の翼が補助翼を出しはじめました。ウイーン、ガチャンと
車輪も出たようです。
飛行機は東京湾を東から西に横断していきます。


アナウンスがあってまもなく着陸とのお知らせが入ります。
飛行機は定刻に羽田に着きました。
しかしまぁ四国便なんて、ローカル線の極致ですから
到着エプロンはいつも端の端のはるかかなたの遠国です。
そこからターミナルビル中央のバス乗り場まで
本当に根性を入れて歩いていかないといけません。
ここを歩くだけで15分くらいかかります。

ようやっと真ん中まで来ました。今度はバスに乗ります。
途中、バスは横浜の市内を抜けていきました。
(動いているバスの中から撮るのって難しいですね。)

Yokohama1

その日、お約束をしていたのは、うちのブログに
お話をくださるまさぞうさんです。 
待ち合わせの時間は11時、という
ことだったのですが、バスは道路の混み具合によって
到着時刻が大きく変わるので、時間通りに待ち合わせ場所の駅に
着くかしらん、というのがちょっと心配でした。

渋滞に巻き込まれず、羽田から1時間ちょっとで
まさぞうさんとの待ち合わせ場所に到着して
ホッとしました。
バスを降りると、まさぞうさんはすでにお迎えに
来てくださっていて、さっそくご挨拶をしました。

まさぞうさんがわざわざ自動車を出してくださって
向かったのが旧白洲邸の武相荘でした。
まぁ無愛想と場所が武蔵と相模の間なので
武相、とかけたんでしょう。

ここは1940年に白洲さんが戦争がはげしくなって
都心に住むことが危険になってきたので
パッと見に惹かれたこの鶴川の農家を買って
自邸にした、ということだそうです。
お引越しは戦争さなかの1943年だった、と
ありました。

最近白洲さんは静かなブームのようで
あれこれと本が出たり、ドラマにもなっています。
でも、謙介自身とすれば、どうしてあの人が
ブームになっているのかちょっとよくわかりません。
旦那の次郎さんは、終戦時の対米交渉をしたとか、
吉田首相のブレーンであったとか、あるのでしょうが
正子さんが何かしらの技量があったのか、
と言えば、本当によく分かりません。

字のセンスを見ましたが
うーん。正直言って趣味で昼間カルチャーセンターに通う、
っていうレベルですし、、。

各地の古寺とか工芸家を発掘した
プロデューサ的な手腕からでしょうかね。
出自が樺山家で、名家の出だったから、それがミーハーな
人の中にあるセレブ人間願望をくすぐるからでしょうか。

まさぞうさんのお姉さまもここに来られたそうでしたが
あまりいい印象ではなかったとか。
おふたりが使っていた家具什器類が、並べられています。
(展示、という感じではなくて、並べてある、という感じです。)
確かにもとのそれぞれのお品は良いものなのでしょう。
しかし展示のセンスがあまりにも、、ひどすぎました。
十把ひとからげです。

さっきから謙介、なんだか文句ばっかり言っていて
折角お連れいただいたまさぞうさんに失礼じゃ
ないか、とお叱りを受けそうですが、、
まさぞうさんのご厚意は本当に感謝しているのです。
それに一度来てみたかった場所でした。
(あんなふうに言っていてよく言うよ、と
言われそうですが、笑)

謙介がどうしてここに来たかったのか、と言えば
家はなかなかおもしろそうな家だと思っていたからです。

Shirasu1

建物は母屋と作業用の二階建ての家からなっています。
Shirasu2

内部は撮影禁止なので写真はありません。
さまざまな展示の中でことに興味深かったのは
やはり彼女の部屋の書架でした。やはりどういう本を
読んでいたのか、使っていたのか、ということは興味が
ありましたから。その並んだ本の中には俺が以前
町史編纂室で古文書の解読のバイトをしていたときに
書架にあった奈良市史だとか明日香村の発掘報告書
とか近畿圏の市町村の70年代から80年代に発刊された懐かしい
本がそこにありました。
俺もよく資料として使っていた『奈良市史』がありました。

ちなみに『奈良市史』の題字は聖武天皇の字です。
もちろん聖武さんの生きていた時代に奈良市はありません(笑)から
聖武天皇の書いた書物の中から集字をしたものです。


その本のコレクションを見ていると人となりが
見えてきますね。書架を拝見しながら
こういう本を見ていたのだなぁ、ということが
よく分かりました。

Shirasu3

もちろんこうして白洲邸のあちこちを見ている
間もまさぞうさんといろいろな話をしました。
Shirasu4

白洲邸を見てから、お昼、ということで
まさぞうさんが選んでくださっていたお店に行ったのですが
あいにく駐車場が満杯で入れませんでした。

まさぞうさんのお家に行って車を置きました。
どうぞ、ということでお家にご案内いただいてしまいました。
それからお昼をということで
お家の近くのお店に行ってお昼をいただき
解散、しました。

あっちこっち車を出してご案内いただき、
本当にお疲れになったのでは、と心配しています。
でも、日ごろメールのやり取りだけだったので、
実際にお会いして直接お話できたのが
本当によかったです。
さて。ここから小田急に乗って一路、新宿に向かいます。
今日はここまでにします。

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Comments

 ・・・ポイントはOZで貯めてらっしゃるんでしょうか?(微笑)

 正子さんは,自分が何かを生み出すのではなく,趣味に合ったものを見つけ出しそれを本来とは違う場所で生かす天才だったんだと思います。
 近江かどこかの農家に転がっていた農具(だったかしら)を懇請して持ち帰って,何かの容器として使い慣らしていたとか,アンテナを常に活性化してた人なんでしょうね。
 なんとなく利休さんみたいな・・・ちょっと違うか(笑)

Posted by: Ikuno Hiroshi | 11. 09. 26 at 오후 10:54

---Ikuno Hiroshi さん
そうなんです。ABC(アシアナボーナスクラブ)の会員なもんで。(笑)以前はものすごい勢いでマイレージがたまっていたのですが、今はさぁ、、というようなものです。 白洲さん、そうかもしれないですね。白鳳期の鈴でしたか、持っていらっしゃって、装身具、ということでしたもんね。そういうさりげないところから見つけてきて「見立て」をして使うのは、やはりIkunoさんがおっしゃる通りで茶道をやっていて、お茶の道具で「見立て」を習ってきたことの応用、ということなんでしょうね。俺の学部のときの言語学の先生の実家が滋賀のお寺で、白洲さんにエッセイで書かれてしまい、人がわんさか来るようになって、「かなんねん。」ということでした。 やっぱりあの人のファンって多いということなんでしょうね。

Posted by: 謙介 | 11. 09. 27 at 오전 12:10

謙介さん

台風の最中、無事にお帰りになられて、なによりでした。

白洲正子の家では、なんだかガラクタばかりという印象でしたが(ファンの方には失礼かな。例えば日本民藝館の所蔵品あたりと比べて、という意味でですが)、書庫は立派なのでびっくりしました。旦那の本はあまりなさそうだったので、奥さんの本ばかりという感じでした。

旦那は、私の学校の先輩にも当たるので、興味があったのですが、神戸のぼんで、突然英国に送られ、苦労したんだろうと思います。正子さんも同じ境遇だったので、共感するところがあったんでしょうね。美男美女で似合いのカップルだったというのもあるでしょうし、帰国子女同士で、周りの人間とはなんか価値観が違うなというのもあったのでしょう。また、恐らく、似非洋館のような家に住むのは耐えられなかったんでしょう。屋敷そのものは、古民家で、素敵な家でした。

正子さんのごったな蒐集を見ていると、そうした視野の広さを感じる一方で、素人ゆえの底の浅そうな部分も感じてしまいました。 

Posted by: まさぞう | 11. 09. 29 at 오전 8:50

---まさぞうさん
まさぞうさんからお姉さまのここに行ったときのご感想を伺って、「鋭い」と思いました。何も見ないで感情的に言葉は言ってはいけない、と思っていろいろと見てきたんですが、彼女の古美術を見る目、って、どうしても青山二郎や小林秀雄の亜流に見えてしまうんですよ。二番煎じというのか、、どうしてもそんな気がしてしまいます。 あの展示で何がひどかったといって、食べ物の蝋細工。あんなものやめたらいいのに、って思いました。それからあるだけのものを全部並べて、、なんか品がないというのか、、もうちょっと展示に工夫をしたらいいのに、って思いました。素人がホラって、自分の家の家財を持ってきて精一杯出して並べた、という感じです。もうちょっとテーマごとに分けて少量ずつ展示するとか、方法はいくらでもあるのになぁ、、と思いつつ見ておりました。
旦那のほうは本より畑仕事だったのかもしれません。(笑)

Posted by: 謙介 | 11. 09. 29 at 오후 10:45

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