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11. 09. 06

仕事について

9月の2日から4日、実は出張があって、
そのついでに福井に旅行するつもり
だったのですが、
台風で全くダメになってしまいました。

何せ交通機関が全てストップしてしまい
道路も橋も通行止めで、四国外のどこへも行けない
状態でした。
でも本当に今回の台風、被害が大きかった
ですね。奈良とか和歌山ではいまだに集落まるごと
孤立していて連絡さえ取れない地区が何ヶ所も
あると聞きました。
奈良の十津川、本当にすごかったですね。

実はこの9月3、4、最初は友達と
高野山から熊野に行くつもりでした。
(例のいきなり不比等くんです。)
それが友達が忙しいのでダメになり
俺のほうも出張が入ったりして、それで
熊野行は中止になってしまったのですが、、。

俺の友人、三重の大台町在住の奴も
連絡がいまだについていません。
無事だといいのですが、、。

さて。今日は仕事のことを書きます。
前々から何度か話をしたことが
ありましたが、
謙介は目立たなくていい。
縁の下の力持ち的な、
大変で人から注目も
されない仕事を黙々とする、という
職人的な仕事が好きです。

世の中にはいろいろな考えの人がいるなぁ
と時々他の人のブログを見ていて
思います。
その人は目立つ仕事じゃないと嫌なんだそうで。
俺なんか全然そういう目立つ仕事に興味関心が
持てないので世の中いろいろだなぁ、とそれを
読んで思いました。

何で俺がそういう地味な仕事が
好きなのか、っていうと
縁の下の力持ち的な仕事、って
後ろで黙って支えている、っていう
ことなんですが、そういうセクション、
って、案外仕事の全体が俯瞰できる
場所だったりします。

黙って全体の状況をじっと見ることができるので、
全体を見てあそこがああなんだ
ここがこうなんだ、って分かります。

それから仕事のしかたを工夫する、というのもしてみます。
じゃあ、これを今までとは違う方法で
やったらどうなるか、とか、どこまで時間を
短縮してできるのか、そのためにはどこを
端折って、どこをきちんとやる必要があるのか
はっきりわかってくると思います。
それとかどこまでこの縁の下の仕事をサボったら
影響が出るか
とか、こっそり実験してみたり。

どうして謙介は飽きないの?
って質問されたらですねぇ、、。
どうしてか、って言えば
おそらく書道をやってきたからですね。

これも何度も言ってきましたが、
書道は一つの作品を仕上げるのに1000枚2000枚と
書きます。

バカの一つ覚えみたいに同じように書いて行ってたら
作品はできません。さっきはこうやってみたけど
今度はこうやってみよう。この線はまずい、
全体にもっと鋭い線を書く練習をしてみよう
今回はこの紙を使ったけれども次回はこの紙に、、
今回はこの墨を使ったけれども次はこっちの墨にしてみよう、、。
というふうに練習と実験の連続です。


横で見ている人には
同じように見えるかもしれないですが
本人の中では毎回毎回いろいろなことを
試してみているのです。
ですから全然飽きない。
決して一枚一枚同じじゃないんです。
それから書いた直後と墨が乾いてからでは
また作品の雰囲気が違ってきます。
書いた直後は、なんだかなぁ、、って
思ってたものが乾いて、壁に吊って見てみると
案外良かったり、また逆に書いた直後は
なかなかうまく書けた、と思っても乾いたら
全然あかん、ということだってあります。
本当に不思議なのですけど。

これはものを作る、という仕事でも
同じ部分があるかもしれません。
出来た製品は同じように見えるかもしれません。

でも、原料が全く同じ性質のものとは限らないことだって
よくあります。でも、一般の人の分からないところで
それぞれをうまく平準化して、同じ規格のものに
仕上げる、それから作る人のコンディションだって
いつもベストとは限らない。でもできたものは
同じ水準の同じようなものになっている。
これもすごい職人の技じゃないか
と思うのです。

と、いうのも、書道で日本の筆、
中国の筆をそれぞれ使います。
筆は動物の毛を使いますから、
本当は1本1本そのくせが違うわけです。
筆として仕上がったときに一本一本の筆が違う
品質だったら困ります。

実際中国の筆は同じ銘柄の筆でも一本一本
性質が違います。買うのがばくちです。
2000円の細筆を買って、ひどい筆に当たる場合も
あるし、同じ銘柄の筆で、これはいい買い物をした
という筆の時もあります。全然品質が一定していません。
中国の筆を買うのは正直、ばくちみたいなものです。


そういうことは日本の筆では考えられないことです。
同じ銘の筆を買ったら、ほぼ同じような
品質です。

自分の仕事にプライドを持って、
仕事に責任を持つ、
そういう仕事をしていきたいなぁと思います。

職人の世界であれば個人技が多いのですが
お勤めをしていると、昇進とか
管理職・非管理職、の立場の違い、
ということもありますね。

俺の最初の職場の同期たちも2,3年前から
そろそろ管理職に昇進しはじめました。

さっさと管理職になった人もいれば
「昇任試験受けてるの? 」って聞いたら「うん。」
と聞いたのが5年前だったけど、まだ昇任ならずに、、
ずっとその職のままという人もいます。

ずっと昇進のない彼なんか
謙介から見たら人間的な魅力もあるし、
人を見る目もちゃんとあって
おもしろい人なのですが、
その組織の管理職としては
何かが欠けているのかなぁ、と思います。


うーん。よく考えたら謙介とウマが合う人間って
どっちかといえば、最初のとっつきは悪いのだけど
でも時間をかけて、じっくり話をしたらいいヤツだった、とか
心は正直な人なんだけど、口が悪くて誤解を受けやすい
っていう変わり者というのか不器用な人間が多くて、、、。

組織の管理職タイプのそつなく効率よく
というタイプの人間とはあんまりお友達になれないような
気がしています。

でもまぁ管理職は管理職で本当に大変では
あるんですけどねぇ。

うちの家では管理職の定義は「謝る係の人」です。
組織とか、部下の対応に不適切なことがあったら
「えらいすんまへんな。フン。」と会見で頭を下げるのが
基本の管理職の仕事だと思っています。(笑)

だからこそ、管理職の立場の人は
「今、自分の組織の人間がどういうことをしているのか、誰が
どういう目的に向かってどう動こうとしているのか。」は
ちゃんと知っておかないとダメじゃないかと思うのです。
でないと問題が起こった時に、「自分の言葉で説明」ができない
じゃないですか。
いちいち横の人間に聞いて、「こうです。」って説明したって
それは全然信用がないですし、不信感しか見ている側に
伝わってきませんよね。
 
今日、謙介のところに他所の機関の課長さんから電話がありました。

実はその課長さんの部下の人と謙介は協力して今、仕事を
している案件があるのですが、その課長さん、そのことを
全然知りませんでした。
俺が、「いつも○○さんと一緒に協力業務をさせていただいて
おりまして、○○さんには本当にあれやこれやと
お世話になっているんですよー。」と俺が
申し上げたら「うちの○○とですか? 」
っていうびっくりされたようなお返事で、、。

管理職が把握していない、ってさー、
ちょっとこれはまずいんじゃないの?って
謙介さんは思いましたですよ。

と、同時に向こうの機関で、今一緒にやっている仕事が
どの程度のものなのか、ということも
はからずもわかってしまいましたが。(笑)
管理職も関知してない程度の瑣末事だったなんてねぇ、、
あーあ。


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