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11. 06. 03

鉄ちゃんツアー (その4)

さて。以前はここで線路が二つに分かれていたそうです。
一本は今も引込み線として残る右のほうへカーブしていく線路。
これが琴平行き。
まっすぐが丸亀行き、だったそうです。

Bunki
まっすぐのほうの線路は、多度津駅が移動してしまったために
線路のコースが変わって、ある部分は廃線になって
しまったそうです。
今から歩くのがそのまっすぐの廃線になったコースです。


Tettoumichi
昔、汽車が走っていた道です。なので普通の道路ならよくあるカーブが
ほとんどなくて、まっすぐです。

さて、今の鉄道との合流地点に来ました。ここからは
現役の線路と合流です。


Goryu

茶色い傘をさした人の前あたりに線路のほうに向かってある斜めの
道の痕跡が見えていますよね。ここから電車の見えている向こうの
方向は明治22年に開通して以来、変わっていない線路部分、と
いうことです。


この下の写真の風景、みなさんはどう見ますか?
別に何にも? でしょうか。

Arechi


謙介は非常に悲しく見えました。
この時期、普通ならこの場所では
田植えが終わっているはずなんです。

現に田植えの終わっている田んぼを何枚も見ました。
でも、ここは何も植えられていません。
ただ単に放っておかれている状態です。

つまりは耕作放棄地、ということです。
今、田舎では、お年寄りが増えて、以前のように
田んぼをする、とか畑作をする、ということを
やめる人が増えています。
跡継ぎのはずの若い人は農業だけでは生計が立てられないし、
しんどい仕事なので農業をしよう、とは言いません。

なので、こうした今、田舎では耕作放棄地がものすごい勢いで
増えているのです。この辺もそうした
放棄された土地がそこここに見られました。
見渡したところ、半分くらいがそういう耕作されていない土地、
と見ました。


一度放棄された田畑に再び作物を植えて、それが実って
一定の収穫量が得られるようになるまでになる、というのは
また結構長い時間がかかります。決して簡単なものではないです。

謙介だって、田舎に住んでいるのでその程度のことは知っています。

もう一度一から土作りをして、加えていろいろな環境の整備をして
いかなければなりません。
何年もかかります。
それに関連してですが
今回の東日本大震災で塩水をかぶった農地は、本当に
大変だと思います。
単に田畑の塩分を抜いたら、それで作物が作れるか、
というと、決してそうではないですもんね。
塩が入った土地は、それまで何十年とかかって
農家の人が丹精込めて作ってきたであろう
田畑の土地のコンディションそのものを一瞬にして
崩壊させてしまいました。

塩を抜くのは農地改良の単に第一のステップに過ぎません。
それから、土地に再びいろいろな栄養分を与えて再び農作物
のできる土地に直していくという作業をしなければなりません。
そのためには、もしかしたら10年とか、それ以上という
長い年月の単位で土壌改良を行っていかなければならない、
その程度のことは容易に想像がつきます。

他の参加者の人たちも皆こうした状況が分かる
人たちだったので、「ここも田んぼしとらん。最近、
こういう土地がますます増えて
しまって、、」という話になりました。

それからもうひとつ。
台風が来るたびに、農家のお年寄りが
なくなる、という事故が起こります。

どうして台風がきているさなかに、突然、
外を見に行くなんて危険なことをするんだろう。
本当にむちゃくちゃというか危険きわまりないことです。


今回も田んぼのあぜを見に行く
と行って、立体交差のガードのところで増水した水で
おぼれて亡くなったお年寄りが出ました。

うちの職場で、家が農家の人に聞いたら「じいちゃん、止めても頑として
言うことを聞かんのよ。」ということなんだそうです。それから
「若い頃のように、まださっさと身体が動く、と思っているからねぇ。」
とも。こういうの、一体どうしたらいいんでしょうかねぇ、、。

閑話休題。

しばらく野中の道を歩き、再び線路に近づきます。
「ここです! 」と講師の先生がおっしゃいます。
この橋を見てください。
と、橋の下に案内されます。

French1


うわわわわわわ。橋のすぐ下です。
上の写真でいえば白いところを
電車が轟音で通過していきます。
遮るものは何もありません。

50センチくらい上は
すぐ線路だぜ、と思った時
かたんかたん、という音が聞こえてきたかと思ったら
どどどどどと、すごい音で電車が通過していきましたぁ、、。
ひえええええ。

「この橋台を見てください。」
この下半分の石積みの部分が1889年(明治22年)の
ものなのだそうです。122年前のものです。上のコンクリートの
部分は昭和5年前後の補強工事で変えられた
部分だそうです。それにしても昭和5年です。
1930年。これだって81年前です。

しかも、今お話したように上を電車が走っているのですから
「現役」バリバリの構造物なわけです。

20世紀どころの騒ぎではありません。19世紀のものがいまだ
現役なのです。

レンガとか石積みの積み方には「イギリス積み」という積み方
と「フランス積み」という方式があって、この積み方は
フランス積みなのだそうです。
イギリス積みとは、煉瓦を長手だけの段、
小口だけの段と一段おきに積む方式なのだそうです。

Igirisutsumi

それに対してフランス積みは
一段に煉瓦の長手と小口を交互に積む方式です。
French2_2

この積み方は、縦の線が揃ってしまうので、耐久性に
問題があるといえばある積み方で、普通には建物では
使われるのだけど、こういう鉄道構造物にはあまり
使われないんですけどね、ということでした。
おそらく明治22年に開通したこの鉄道の建設担当を
行った、平井晴二郎 が、フランス積みが好きだったのだろう、
ということです。最近の言い方をすれば「こだわりのフランス積み」
ですね。(笑)

平井さんは明治8年に最初の官費留学生として
ヨーロッパに渡り、先進の工学を学んで帰ってきた人だったのです。

平井さんこの鉄道を設計する前に、北海道の
これも今に残っている手宮機関庫を設計しているのですが
これまたフランス積みなのですよ。(笑)
おそらくこの平井さん、フランス積みに相当のこだわりが
あったのだろう、ということらしいです。

説明を聞いていたら、またかたんかたん、です。
キターっていうようなものです。そしてどどどどど、と
列車が通過していきました。

本当に手を伸ばしたら(絶対に伸ばしゃしませんが)
届きそうな近さに電車の車輪とか床下の機器が見えて
ものすごく恐かったです。

でもフランス積み、というくせにフランスには
あんまりこういう積み方はない、そうで。(笑)
おそらくフランダース地方にはこういう積み方が
あるので「フランダース積み」だったのだろう、と。

でも、フランダース地方というのが明治の初期の
日本人にはピンとこなくて、
まだしも知っている「フランス」と
ごっちゃになって、「フランダース? 」
「フランスの間違いじゃねえのか。」ということで
「フランス」で定着して今に到ったのではないか、
という説が有力なのだとか。

これが昭和5年に架け替えられた橋の
銘板です。
Meiban_2


確かに昭和5年の印字がありました。ほら、そこに
レールが見えているでしょ。おばさんのんきに手を橋に
あてていますが、その30センチ上を
電車が轟音立てて走るんですよ。
しかし、、あ、また来た。かたんかたんどどどどどど。
こわいです。心臓によくありません。
今日はここで措くことにいたします。

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Comments

 ぶらタモリの鉄道版みたいで,読んでてわくわくしますよ〜(微笑)

Posted by: Ikuno Hiroshi | 11. 06. 03 at 오후 11:39

---Ikuno Hiroshiさん
やっぱり専門の先生にお話は聞くべきだと思いました。こんな話、今まで何度もこの辺も通りましたけれども、全部はじめて聞く話ばかりで、こちらも聞いていてわくわくしました。でもね、参加者がすごかったんですよ。半分が女性でしかもみなさん、60代以上(ひとり小学生の女の子がいた)でした。おばちゃんたち、鉄道なんか興味ない、って思い込んでたのは謙介で、本当に鉄橋に行ったら、さわりまくるわ、どんどん講師の先生にどんどん質問するわ、その積極度から行ったら、男の人よりすごかったかも、、。(笑)

Posted by: 謙介 | 11. 06. 04 at 오후 4:29

でえpなてっちゃんばなし、普段乗らない電車に乗りたくなりました。

水田の話ですが、温暖地では温暖化に伴う夏の高温障害を回避するために、田植えを6月に行っているところがたくさんあります。一応耕されているようですし、耕作放棄と悲観しないで様子を見てやってください。

Posted by: たく | 11. 06. 05 at 오전 12:47

---たく、さん
コメントありがとうございます。今回のツアーは鉄道、より鉄道構造物中心だったようにも思いますが、でも専門家の人からいろいろな話を聞いてとても参考になりました。田んぼ、そうですね。他の作物を植えるのかもしれない、と思ってちょっと見てみます。ただ、あまりに悲しい写真だったので、撮影はしなかったのですが、この場所の横に苗が田んぼに植えられないまま、大量に捨てられていたので、おそらくその苗を植える、ということはしないのだと思われます。なんか他のものを植えてもらったらいいのですが、、。

Posted by: 謙介 | 11. 06. 05 at 오전 9:40

線路+電車+恐い
スタンド・バイ・ミーを思い出します。
リバー・フェニックス、可愛かったなぁ~(笑)。

鉄道の発達もすごいけど、現代のそれを指させる技術もすごいなと思います。
田園風景を走るディーゼル列車は格好いいなと思います。
都会を走る電車と違って風情がありますね。

ちなみに、僕は旅客機が好きです。
今のマイブームはB717-2xxとA350-xxx、Fokker70です。

Posted by: タウリ | 11. 06. 06 at 오후 10:38

---タウリさん
リバー・フェニックス、本当に早世が残念ですね。生きていたらどんな感じで歳を重ねていっただろう、って時々思います。田園の中のディーゼル列車、ぜひ四国にお越しください。(それしかなかったりする。笑)謙介も飛行機、好きです。中国にいたときに、ずいぶん変わったのに乗りました。アントノフ24とか(笑)ボーイング707とか、イギリスのトライデントとか。フォッカー、と言えば、小さいころフォッカーフレンドシップという飛行機に乗りましたです。言われて思い出しました。

Posted by: 謙介 | 11. 06. 06 at 오후 11:01

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