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11. 05. 09

野越え山越え(7)

前回なんで延々と家持さんの話をしたか、と
言えば、やっぱり「歌の作られた現場へ
実際に行って自分の目で見た。」
ということの報告をしたかったからです。


ことに万葉集は古代の文学ですから、
土地に宿る神さま、自然界の神さま
風土、環境、天候、歌の中でそうしたものが
作者の感情とともに大きく影響しています。

ですからその土地に行ってみないとわからないことだって
あります。
だからこそ自分の目で見て確かめる、
ということを自分の研究の中心にしていきたいと思います。

あ、そうそう。
自分の目で確かめるのことで関連して。


あの食中毒を起こした焼肉屋、
肉を実際に担当者が見もしないで
ネット契約だけで仕入れていたのだそうですね。
どうして自分の店で仕入れる肉を実際に見て、触って、
においをかいで確かめないのか?
ネット上だけのやり取りで実物を見もしないで
仕入れた、と聞いて唖然としました。


うちの近所の肉屋さん、
たまたま行ったら、卸業者さんが肉を持ってきて
いましたが、肉屋のおっちゃんの御眼鏡にかなわなかった
のでしょうか、ダメ、と突きかえされていました。
魚屋さんでも、うちの近所の魚屋さんは
毎日魚市場に行って、店の人がちゃんと確かめたものを
仕入れてきて売っていますけど、、。
それが当たり前ではないのでしょうか。

そんな基本すらやっていなかったのですね。
呆れてしまいます。
やれやれ。

話を鳥取の話に戻します。
    


再びバスで今度は市内に戻ります。
県庁前でバスを降ります。
やっぱり細かい雨が降っています。
鳥取県庁舎は目下耐震工事中でした。
(工事中の写真は見てもあまり
おもしろくないので省略します。)

Bukeomon


県庁のお向かいには、こんな立派な武家門があります。
今はこの建物、奥の県立図書館の正門代わりになっています。


Kenritulib

鳥取県は以前から図書館については先進的な取り組みをして
きたところです。戦前、ひときわ目立つ立派な図書館が作られました。
また、単に建物の立派さだけでなく、読書会の開催とか、
移動図書館車のなかった時代から、図書の入った箱を
定期的に県下の市町村に送って、そこで県立図書館の本を
貸し出しする移動図書館の活動も活発に行われていました。


図書館の本、って必ず分類がされていて
その分類の数字とアルファベットの組み合わせのシールが
本のどこかに貼られていると思います。
これを請求記号と言います。まぁここで謙介が
改めて言わなくてもそんなことみなさんご存知でしょうけど。
Ndc1

こういうの。
でも、図書館使ってる人で一体何人くらいこの
図書の分類を見て本を探す人がいるのでしょう。(笑)


で、図書の分類ですが、
日本中の大抵の図書館はNDC(日本十進分類法)という
規則を採用していて、その本の分類方法によって
本を分類しています。

Ndc2

たとえば、明治以降の日本の小説なら
913.6です。漱石も谷崎も有川さんもみんな913.6の
ところにあります。ただ、図書館によっては「.6」まで
細かくせずに「913」で分類を止めているところも
あるかもしれません。

実はこの分類をつくったのが「もりきよし」という人です。
そのもりさん、お亡くなりになったのが平成2年ですから
結構最近まで生きていた人なんですけどね。このもりさんが
若い時に働いていたのがこの鳥取県立図書館でした。
もりさんはこの鳥取県立図書館で図書目録の整備
から図書館報の発行、イベントの企画実施まで
さまざまなことをやっています。確かに各県に
県立図書館なり、その県を代表する中央図書館は
あったのですが、戦前の時期に熱心にそうした活動を
行っていたのは鳥取県立のほかは数館だけです。

もちろん当時の県立図書館はこの建物じゃなくて
今は「わらべ館」という子どものための施設になって
いるこの建物が当時の県立図書館だったんですが。
Warabe1


残念なことに俺の鳥取に来た翌日がリニューアル
オープンの日で、俺はその中を見ることはできません
でした。(写真は前日に前を通ったときに撮ったので
いいお天気の背景です。)

県立図書館からお城の堀に沿って、お城の登山口のほうに
行きます。
途中陸橋があったのですが、思わずそうだった、と思いました。

Rikkyo

鳥取は国道9号線なのです。
9号線は京都から下関までの日本海側を通っている
国道です。
京都にいた時も9号線はおなじみの道でした。
桂から老の坂峠を越えて亀岡から園部まで、、
何度となく9号線を走りました。俺の9号線とのおつきあいは
せいぜい京都の丹波地方だけだったのですが、
9号線自体は鳥取、米子、松江、出雲市、、と走って終点の
下関まで走っているのですね。

道路標識を見て思い出しました。
でも左が西町で右が東町、って、、(笑)
途中鳥取のサッカーチームの
事務所の前も通りました。

Gaina


「がいな」は、ごついとか強い、という意味ですね。
西日本だったら広く分布していていて使われている
言葉ではないでしょうか。
この字、ちゃんと書道の心得のある人に書いて
もらった文字ですね。力もこもっているし
そして上品な字だと思います。いい字です。
武田なんとかさんとか紫なんとかさんの
字よりずっと上等です。

さて。 昨日は時間がなくて登れなかった
鳥取城に今から登ろうというわけです。
ネットで調べてみると、登山には大体30分から40分
かかる、とありました。 
Oshiroyama1

お城の入り口のところに案内所があったので
もう一度登り口の確認をして山に登るときの注意を聞きました。
靴はスニーカーだったので、まぁそれなら大丈夫でしょう、
でも坂が急なのと雨が降っていて湿っているので
足もとには十分気をつけてください、とのアドバイスを
いただきました。
はてさて、登山開始です、、が、入り口には
なかなかアナーキーな立て看板がありました。
Kumakanban

帰ってから聞いた話によると
鳥取では、去年の秋から、今年の2月くらいまでに
97件くらい人と熊が遭遇して事件になった、
ということでした。

ひえええ。熊が出るかも、、
なんて下の案内所では言ってくれなかったぞーと
思いつつ、ええい遭ったら遭ったときのこと、と
思いながら一歩ずつ上がっていきます。

鳥取城の最初は、この久松山の頂上にできた山城
でした。しかし、この山城の鳥取城は秀吉の中国地方
平定の時に兵糧攻めにあって落城してしまいます。
兵糧攻めは苛酷で、木や草まで食べてしまい最後は
体力の衰えた人が亡くなると、その肉まで食べた、
という話を読みました。そんな話のある鳥取城です。

登山道は、何百メートルか登ると、「一合目」「二合目」
という標識があって、それを頼りに登っていきました。
途中やはり長い年月の経過のため、石積みが崩れていたり
崖が崩落していて仮足場が作られているような場所を
登ったりしました。
ここで、半分くらいのところです。

Oshiroyamanaka

さらにどっこいしょ、とおっさんは登ります。
もう最後のほうは道なき道というのか、石段もなくなり
単に坂道に道がくぼんだだけ、の急坂が続いていました。

Tozando

何分かかったでしょうか。
もうさっぱりそんなこと
どうでもええわ、と息絶え絶えの状態になったころ、
ようやっと頂上に到着しました。
Chojyo1


頂上には天守閣があったのですが
江戸時代に火災で焼けて、その後は再建されないままでした。
鳥取藩は外様の池田家でしたから、やはりそういうところ
目立つといけない、という配慮もあったかもしれません。

天守台です。
Tenshudai

この日は天候が悪く視界がいまひとつだったのですが、、
この方向が鳥取砂丘方向です。

Sakyu

それからこっちが湖山長者の伝説の湖山池。
Koyama


本丸には井戸もありました。
Kurumaido


雨がちょっと強くなってきたので
下山することにしました。
ですが下山の途中に
ご近所の方なんでしょうか。
60代のご夫婦がジャージ姿で
登ってこられるのに遭遇して
ちょっとびっくりしました。

以上で山越え編終了です。
これで終わろうと思ったのですが
あともうちょっと続きます。


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Comments

こんばんは!
野越え山越えシリーズを拝読して思ったこと。
謙介にガイドしていただきながら、日本文学や日本史を学ぶ“歴史ツアー”を開催したら、きっと楽しいだろうな。
1問1答形式ではなく、流れや意味を理解しながらというのはとても意義深いと思います。
オキャマonlyの歴史ミステリーツアーを是非ヨロシクです。
あー、でも、ミステリーなだけのツアーになりそう(笑)。

沖縄は10世紀ごろまで土器時代です。
階級制度に基づいた社会がはっきりしてくるのは11世紀頃から。
国として統一されたのは1429年で、正式名称は琉球国です。
沖縄には日本のお城のような大きな建物はなく、天守閣もありませんでした。
日本本土のお城を見ると、立派だなと思います。
いろいろ勉強になります。
有難うございます!

Posted by: タウリ | 11. 05. 10 at 오후 9:49

---タウリさん
本土のほうも庶民は平安時代のころはまだ竪穴式住居で土器の生活がずっと続いていました。日本史で都の建物とか寝殿造りとか習うんですが、あれは本当に一部の特権階級の生活とか住まいですねぇ、、。
沖縄、俺が行こうとして飛行機の予約するでしょ。そうしたら必ず航空会社がスト突入したとか、台風が来て、飛行機欠航とか
何かしらの「邪魔」が入ってしまいます。きっとどこかで行かせないようにする力が働いているのかも。でもそんなものに負けず、いつかはお邪魔したいと思っています。

Posted by: 謙介 | 11. 05. 11 at 오전 6:15

きゃー、↑コメでお名前を呼び捨てにしてしまってました。
「謙介さん」もしくは「謙介様」です。
いやはやお恥ずかしい。
スミマセンでした(汗)。

Posted by: タウリ | 11. 05. 11 at 오전 8:21

---タウリさん
いえいえ。気にしていませんので全然問題ありませんよ。というのか、俺もよそ様のところで、相手ののお名前を打ち間違えるとかいうような致命的なミスをしたことありますし。なので、そんな人のことなんて決して偉そうには言えないのです。

Posted by: 謙介 | 11. 05. 11 at 오전 11:57

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