世の中のしくみ
大阪府のハシモト知事が鳥取県の県会議員は
6人でいいとか言っていた、とニュースで
見ました。後から本人は陳謝したみたいですが
本音としては今もどう思ってるんだか。
今回の東日本大震災でも改めてわかった
ことですが、田舎は人口が少なくて
どうせ業務たって大したことないだろうから
少ない人数で仕事をしろ、
という意見があります。
今回のハシモト知事の話によらず
都会の人間と話していると
「(自分たちは忙しいんだけど)
どうせ田舎なんて仕事なくてヒマでしょ。」
って思ってる人がすごく多いんです。
お盆とかに帰省したら、田舎は
百年一日の如く変わっていない、と。
大した事件があるでもないんだから、
ヒマだろうが、っていうのが都会の
人間の固定観念なんでしょうね。
謙介、田舎、都会、で仕事をしてきて思うのは
(確かに仕事によって差はあるかもしれませんが)
今の世の中、田舎も都会も基本的な仕事の総量
って大して差がありません。
そこのところが都会の人は分かっていない。
確かに都会と田舎は何かあっても、その件数は
違います。違いますが、たとえば報告する仕事の場合
100件ありました、っていうのも
0件でした、っていうのも、報告する手間は
同じようにかかる、ということです。
田舎の仕事量も100なら都会の仕事量も100なんです。
それを都会だったら人がいるから20人でやれ、と。
田舎はどうせヒマでしょ、人数少なくていいよね、
で2人でやれと。
で、実際、田舎なんて人口が少ないですから
スタッフも少ないわけで、必然的に少ない人数でやっています。
というのか、みんなそんなふうにやらざるを得ません。
町役場に行っても、自分の仕事に余裕が
あったら、どんどん他の課の仕事でも
やっています。
今回この東日本の大震災で壊滅的な被害を
受けた町とか村の役場なんて、もうずっと前から
そんなふうに本当にぎりぎりのメンバーで
やってきていたはずです。
今回の6人でしろ、っていうのは
議会の議員のことですから
行政とはちょっと性格が異なるかもしれません。
でも、議会の仕事の幅というのか基本的な
量とか煩雑さだって
鳥取県と大阪府が違うか、と言えば、
そう大して違いはないんです。
そういうところをこの府知事は
分かっていないと思います。
もろにどうせ田舎はヒマなんやし、
人手なんかいらへんわ、っていう論理が透けて見えて
しまうのは、田舎の人間の僻みですかね。
謙介も仕事の関係で
中四国の村とか町の役場にお邪魔することが
あるんですが、本当にどこも人手が足りない中
何とか無理やり算段してやっています。
というのか、俺の仕事場だって実際は
そうなんですよ。
都会の大きいところだったら
全員のスタッフ30人とかそれ以上
いるところだって結構ありますが、
うちなんて3人です。
ですからみんな主要な仕事は
3つとか4つ掛け持ちでやっています。
実際はどうなっているのか、ということは
現場を見なくちゃわからない。見もしないで
自分の中の概念とか感想だけで話をする。
そして現場とその言った言葉が大きくずれていて
場合によっては前言訂正、なんていうことになったりする。
トップの言葉は重たいんです。
それを「あ、間違えとったわ、すまんすまん。」
では、そんなことが繰り返されたら、次第にその人の
言葉に誰も関心を払わくなって行きます。
どうせまたあいつ変更しよるで、っていうようなものです。
だんだん言葉の重みがなくなるどころか、
言葉の信用さえ失っていって、ということが
あります。
本当のトップの言葉は重みがあるはずだと思います。
だからこそトップの言葉は注目もされるし
それなりの意味がある、と言われるのですが、、。
どうにもこうにも、最近のトップの言葉の軽いこと軽いこと。
それから、このところ審議会の委員だの、政府の参与に
なった人が辞める、っていうことが続いています。
実はこの間からお話している研修の課題の一環で、
1990年から2010年までの国の施策の一部を
去年調べました。
そうしたら、
1.まず中央官庁が、専門家からなる審議会を立ち上げる。
2.そこで「論議をしたことにする。」
3.一応の結論が出て、審議会の答申を出す。
4.その答申に基づいて国が施策を発表する。
5.必要な法令の改正があればそれを行う。
という形になっていました。
謙介が調べたものは全てです。
こうしてみると形式としては「専門家」の論議を経て
政府がその答申に従って、とありますが、
実態をよく見たら、やれやれ、、。でした。
最初から政府は「こういふうにしたい。」って
方針が決まっているんです。
そしてその方針に沿うような専門家を官僚が選んで、
専門家の審議会を作ります。(中に色物で
マスコミ受けしそうな人とかガス抜き用の
一応反対意見を言いそうな人も一応入れはします。)
そうして途中の審議会の資料は、官僚が国の方針に沿った
資料しか作成して渡しません。
ですから、そんなもの最初から結論はねぇ、、。
はっきりしてる、ということです。
結果、最初から国の方針に沿った
審議会答申が出来て、国は「専門家による検討会で
検討されました答申に基づいて」とかなんとか言って
法律改正をやって、自分たちの方向どおりに変えちゃう、と。
しかも、笑ったのは審議会の答申、って
大体12月とか1月の冬に出ます。
遅くとも3月です。
どうしてか分かりますか?
12月に答申を出す。 その答申を受けた中央官庁が
法律の改正案を翌年度のなるべく早い時期の国会に出して。
法案を通してもいらい、その後、改正される、というパターンが
決まっているからです。
原子力だろうが文部行政だろうが、
そういうふうになっているようです。
ですから専門家なんていうのは
単にお飾りでしかない、もしくは
政府の方針と国民の間に立って、
政府の方針を「アホな」国民にどう周知したらいいのか
その方法を考える、というだけの存在のような気がします。
審議会の専門家の役割なんて、その程度のものでしか
ありません。
ですから、専門家の人は、政府の審議会に入ったら
自分の意見が反映された答申なり指導助言ができるのか
と言えば、全然そんなことはないのです。
でもねぇ、賢いはずの専門家の人、そういう審議会が
碌なものではない、ということを知らなかったんですかね。
それか、「ワシが専門家の助言をしたら、この国の
システムが改革できる。」と思って入ってくださったのか、、。
審議会、っていうのの性格を調べてみると
そういうものなのだ、というのがよくわかりました。
これが去年の夏の謙介の観察結果です。
ただ、謙介、去年の夏こうして調べて
なるほどこの国のシステムの一環が分かりは
したのですが、はぁ分かったねぇ、というだけでした。
政治の好きな人とか、政治とか法令に関心のある人は
こういう制度を見て、いろんな思いを持つのでしょうが
謙介、この審議会答申~国の法令化への
動きを見て、正直言って、やれやれ、としか
思えませんでした。
今までほとんどの政治家が、変革だの
国政を変えようだの国民本位の政治を、と言って出馬したはず
なのに、ちっとも変わらないのはどうしてなんでしょう。
そういう意味も含めて、「やれやれ」という
感想しか持てませんでした。なので特にコメントは
ないです。
× ×
台風大きな被害はなかったですか。
一体五月にそれも台風が二つも来て、、、。
東のほうでは、荒れたお天気で、土砂崩れとか、
大水が出た、というところもあった、と聞いています。
みなさんのところはいかがでしたでしょうか。
今、謙介のアパートのあたりは、外に出ると
とてもよい香りがしています。
そのもとはこれです。
わかります?
みかんの花です。
「柑橘系」なんていう人工の香りではなくて、
今、外に出たら天然の柑橘の香りが普通にしているのです。
だから「みかんの花咲く丘」という歌って、
初夏の今の時期の歌なんですよね。
みかんの花は桜よりもっとずっと花の寿命が
短いです。2日くらいで散ってしまいます。
ですから本当に今の一瞬の時期の香りなんですよ。
あと数日、いい香りの中で過ごせそうです。
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Comments
その昔,某県庁に勤めていた時,その文部行政絡みの審議会二つに関係したことがありまして。
基本,事務方が用意した「結論ありき」なんですよねえ。一応,質疑はあるものの,最後はしゃんしゃんで。
・・・たまーに鋭いツッコミが入って,「差し戻し」になることもありましたが(笑)
ある時など,退屈のあまり居眠りこいてしまったこともありますです。議事録筆記してたのに(爆笑)
まあ,すべての審議会がそうだとは思いませんけど・・・ね(苦笑)
Posted by: Ikuno Hiroshi | 11. 05. 31 PM 11:40
---Ikuno Hiroshiさん
たまの「鋭いつっこみ」による差し戻しはおそらく事前の「調整不足」か「委員が急にへそを曲げた」かどっちかですかね。(笑) 最初から結論というのか、方向性はこっちで、って決まっているんですもんね。何もないところから意見を戦わせて、っていうのではなくて、「一応参考にしていただきたいご意見」とかいいながら、官僚は自分の導きたい方向性を出してきて、その方向に沿わせて、、なんですもんね。やれやれ、でございます。(でも大抵の審議会がそんな調子じゃないですかね。)
Posted by: 謙介 | 11. 06. 01 PM 8:11