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11. 05. 02

膾(フェ)は怖いです。

鳥取旅行の続きを書こうと思ったのだけど、
ちょっとこっちの気になる事件が発生したので
今日は途中お休みでこちらのことを書きます。

俺ね、
「今度韓国に行くんだけど、何かこれは食べたらいい、
っていうのある? 」って聞かれることが結構多いです。
で、本人が韓国のどこに行くの? とか
ツアーで中一日自由行動の日があるから、とか
往復の飛行機とホテルだけ決まっていて後は
すべてフリーだとか、そういう旅程の話を聞いてから
あれこれ相談に乗ることがあります。

で、たとえば釜山に行くんだけど、、。
と言われたら、正直「刺身だけは食べるの止めろ。」と言います。
韓国でも日帝時代の言葉が残っていて「サシミ」という日本語が
定着して、釜山のチャガルチ市場なんかを歩くと
アジュマが「サシミ、サシミ」って言って客を呼び込もうとしています。

ですが、加熱していない生のものをああいう市場で食べるのは
「およしなさい。」と謙介は絶対に薦めません。
それから市場の屋台なんかでもいろいろと売っていますが
あれも感心しません。だって市場の埃をかぶった食べ物です。
衛生的にどうか、といえば正直薦めないです。

市場の屋台で食べるのであれば、俺はデパ地下を薦めます。
なぜなら、デパ地下の軽食堂はオープンキッチンですから
調理過程が逐一見られます。
それにどんなふうに作るのか、勉強にもなります。
しかもデパ地下ですから安い。
安心、早い、安いですもん。
こっちのほうがずっと安心できます。


韓国でも魚とか牛肉の生を食べる習慣があって
その料理を膾(フェ)といいます。
例えば、鯉とか鮒と言った川魚のフェもあるし
鯛とかヒラメ、カレイというような海の魚のフェもあるし、
烏賊のフェはオンジオフェ、っていうし、エイなんて
発酵させて鼻が曲がりそうに臭くなったヤツを
ホンオフェ、と言って食べます。
それから牛肉のフェもあります。
日本では、ユッケ、と呼んでいますが、正しい発音は
ユック・フェです。ユックが肉です。で、韓国語の場合
頭に何もつけないでただ「肉」といえば「牛肉」のことを
指しますから、
ユック・フェは肉のフェ=牛肉のフェ、という意味になります。
今回、本当に悲しいことにそのフェを食べて人が死ぬ、
という食中毒事件が起こってしまいました。

このフェのことについても俺はここで何度か書いたのですが、
大体が俺はフェという食べ方自体、感心しません。
実は韓国でも毎年、このフェを食べて食中毒になったり
川魚のフェを食べて肝臓ジストマという恐い病気になったり
不幸にも死亡するという事件の報道がしょっちゅうあります。

本当に新聞報道によく出る話で、そういうのを俺も何十回と
そんなニュースを見てきた結果
「あんな食べ方は薦めない。」という
決断になったのです。
ですから大人の人にだって俺はユックフェも
魚のフェもどちらも薦めない料理です。


今回の事件、第一義的な責任は、ずさんな衛生状態の上に
ユックフェを提供した店にあると思います。
それから「生食用の表示云々」という問題もあるとも思いますが、

そういうことよりも、俺はそもそも抵抗力のない小さい子どもに
生の肉を食べさせること自体が危険だと思うのです。

たとえば蜂蜜がそうですが
年齢がある程度以上の子どもになら与えてもいいですが
あまり小さい子供には与えてはいけないですよね。
それと同じではないか、と俺は思うのです。

それにですよ、
仮に衛生的にお墨付きのついた肉であっても、
本人の当日の体調、ということだってあるではないですか。
いつもだったら問題なく食べられるものが
体調がそもそも悪かったりしたら、、やはりお腹の具合
だって、悪くなるかもしれません。

ユック・フェは生肉にごま油とか生卵とか松の実なんかも
加わる料理です。
見た目以上に結構油っこくて胃の消化にもヘビーな料理です。
おまけに肉の鮮度、生卵の鮮度のこともあります。
大人だったら少々鮮度が落ちてるものでも
抵抗力があるし体力だってあるから平気、という食べ物でも
小さな子どもであれば、下痢をしてしまうかもっと重篤なことになる、
という場合だってあると思います。

焼肉屋さんによったら、ユックフェとか
生センマイのメニューのところに
「体調に不安のある方、お子さんは注文をしないでください。」と
はっきり書いてある焼肉屋さんだってあるくらいです。


今回の事件の報道を見ますと、
一緒に行ったのがお父さんで、そういうところまで
細かく配慮せずに「うまいぞ、食え! 」とか言ったのかも
しれません。
お店も子どもにそういうものを与えたらどうなのか、
親御さんも子どもに与えたらどうなのかもうちょっとそれぞれ
少しずつ想像力があったなら、、、と思います。

大切なお子さんを亡くなってしまった親御さんの気持ちも思うと
無念でしょうし、、本当に残念でしかたありません。

そんなことを考えさせられたできごとでした。

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Comments

僕も全く同意見で、死亡した子供の年齢を知った時に、「5歳の子供にユッケ食べさせる親は無分別すぎる」って思いました。
安さが売り物のお店だったとか。安いんだから仕方ない、とまでは言いませんが、警戒心は必要だと思います。
不良品だったから返品してお金返してもらう、で済むことならいいんですけど、今回は取り返しのつかない最悪の事態。亡くなられた方のご冥福をお祈りします。

Posted by: mishima | 11. 05. 03 at 오전 11:44

---mishimaさん
本文にも書いたのですが、膾の衛生状況がよくないのが原因で、食中毒で命を落とす事件、って韓国では本当によくあるし、日本でもユックフェが原因で食中毒になって、という事件はこれが初めてでは決してありません。起こってから言っても詮無いことですが、なぜに大人が生肉を子どもに与えてどうなのか、ということを考えなかったか、と思うのです。大人はオッケーでも子どもにはダメ、というものがありますよね。コーヒーだってそうですし、、。本当に残念で仕方ありません。

Posted by: 謙介 | 11. 05. 03 at 오후 3:06

 中途半端な情報が紹介される→知識のない消費者が欲しがる→人気があるからと考えなしに提供する。
 これまでに何度,この流れで事件が起こったことやら。

 生ものにはそれなりの危険性があるということ,誰にでもわかりそうなものですが,それすらわからなくなってきている今の人たち。
 ・・・そっちの方がこわいですね。

Posted by: Ikuno Hiroshi | 11. 05. 03 at 오후 8:33

---Ikuno Hiroshiさん
俺もそう思います。マスコミもああいう形態の店ができたらもてはやすんですよね。新しい焼肉料理の地平を開くとかなんとか言って。それでお客さんが押しかけて、ということなんでしょうね。でも、子どもに生ものを与えたらどうなるのか、という「想像力」がやっぱり喪われているんですかねぇ、、。その焼肉屋、見たら、どこの肉やら分からない肉を「カルビ」って売っていました。焼肉屋自体、肉のことを知らないんだなぁ、ってそれを見ただけでも思いました。

Posted by: 謙介 | 11. 05. 03 at 오후 9:31

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