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11. 01. 12

空を眺めて

Sora1012


冬至も過ぎて、すこしずつ
日暮れが遅くなってきているのが分かる。
前は5時半過ぎると真っ暗だったのが、今では
まだほのかに明るい。

前にも話したことがあるけど、
俺の仕事場の街は西に開けた地形なので
夕陽がとてもきれいだ。

 遠山に陽のあたりたる枯野かな

この句を作った俳人もこの街の生まれ。
東に山が見えて、その山に西日が当たっている遠景。
近くには、灰色になった荒野。
自分の経験をこの句に重ねてみる。
遠い過去と、つい最近の記憶と。
かつては自分にとって思い出したくもないような
辛かったり、情けなかったり、嫌だった記憶も
いつしか時間の中で少しずつ変容して
「ああ、そんなこともあったなぁ。」という記憶に
変ってしまっていたり。

そういう見渡す風景を見て、いろいろなことを
思い出したりするのは、3月というひとつの区切りの
季節が近づいてきているから、かもしれない。

ひところはよく会っていた友達、
ちょっとの間近くにいて、やがて
音信の途絶えてしまった人たち。
そんな人たちのことをふと思い出したり。

それからそれから。
学校の卒業を前にした時期のことを
思い出した。
論文の口述試問も終わって、とりあえず先生から
修了、の言葉はもらって、学校を出ることは決まっていて、
4月からは永年住んだ学校の街を離れることだけは
はっきりしていた。
先の先のことは分からない。
でも、取りあえずの今のことははっきりしていて、、。

もうね、自分っていうヤツは学校の時は
がんばっていたから、「何だってできる」なんて
変に自信というのかプライドだけは大きくなっていて、、。
(まぁそんなものなんて、就職して仕事をはじめた
途端に木っ端微塵に打ち砕かれてしまったけれど。)

そんな中途半端で、でも精一杯やった、って思っていて、
あと何日かで京都を離れる、ということばかり頭にあって
何もすることがなくなったのをいいことに毎日毎日自転車で
京都のあちこちを経巡っていた。
そんな時に眺めていた日差しと今の時期の日差しは
似ているなぁ、と、久しぶりに思った。

もう気づくと何年もそんな日差しなんて
気づくこともないままで、目の前の仕事に
追われていて、、。
そう思ったら、以前は、のんびりと空を眺めたり
空を眺めながらいろいろと思ったりしていたことが
あったのになぁ、、。
振り返ると、学校を終わって今に至るまでの
歳月を考えただけで え? と思って、その間の時間の
流れにびっくりしてしまった。

あの頃は、自分は何でもできる、って思っていて、
世の中なんて、とかなめたようなふうに思っていて、、。
確か20歳の頃はそんなふうに思っていたなぁ、と、、。


仕事帰り、遠くの山に当たる
「あの頃と同じような夕方の日ざし」を見ていたら、
ふっとそんなことを思い出していた。

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Comments

 なつかしや枯野にひとり立心(炭太祗)

・・・というところでしょうか?

Posted by: Ikuno Hiroshi | 11. 01. 12 at 오후 10:18

---Ikuno Hiroshiさん
 そうですね。虚子の句よりも、自分の気持ちとしてはもうちょっと内省の度合いが濃いですから、ご紹介いただいた句のほうがあっているように思います。さすが!

Posted by: 謙介 | 11. 01. 13 at 오전 6:00

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