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10. 12. 21

冬至

冬至にはまだなっていなかったけど
日曜日、実家の台所にかぼちゃが半分あったから
がぼちゃ、煮て食べました。

Kabocha

かぼちゃ、って丸のままだと結構長期保存ができますが
半分に切ってしまったものだと、あっという間に切り口から
腐ってカビが生えてきたりしますよね。
オフクロに聞いたら、土曜にご近所の○○さんから
いただいた、っていうことだったので、合挽ミンチを買ってきて
一緒に炊いてみました。ミンチを入れましたから、少し
生姜のおろしたものを加えます。

冬至にカボチャ、っていうのは、
中風除けのため、と言うことになっています。
今は、温室栽培の技術が相当に発達しましたから、
夏の野菜だろうと春の野菜だろうと
1年中あります。 

前にも言いましたが、イチゴなんてそもそもが、
4月から6月にかけての時期のくだもの
だったわけです。でも、ケーキの需要があるために
温室栽培なんかやっていますから、今の季節だって
スーパーの店先には当然のような顔をしてイチゴが
並んでいます。逆にみかんだって、本当の
シーズンは今ですが、いまや真夏にだって
温室みかんがありますよね。

ひょっとしたら、これをお読みの方の中にだって
イチゴが初夏の果物だって、知らなかった、っていう
方もおいでかもしれません。

ピーマンだって、ナスだって、きゅうりだって
もう年がら年中ありますよね。
でも、昔は、四季の気候どおりの野菜しか作れませんでした。
ちょうど冬至の時期というのは、野菜が一番採れない時期
でありました。ところが、カボチャは丸のままだと結構長期保存が
可能なので、こういう野菜の途切れる今の時期に食べられていたのだ、と
思います。
冬瓜もそうですよね。
冬の時期まで丸のままだと保存が可能だったから
「冬瓜」と名前がついたわけですし。

野菜を食べて健康を保つ、というあたりから、
おそらくは昔、恐がられた症状の中風除けのために
食べる、という伝承もできてきたのでしょう。
中風、というのは、今で言えば「脳出血後に残る、後遺症の
身体のマヒ状態」ですね。

冬至、というのは、昼間の時間が一番短くなります。
ということは、太陽の力が一番弱くなる、と考えられたわけです。
日本もそうでしたが、王権を太陽、と考えると
その力が一番弱くなる冬至を、人の生でたとえると「死」と考え
次の日から再び昼間の時間が長くなりますから、それを
「復活」ととらえました。

死から再生への儀式が行われる日が冬至であったわけです。

万葉集の中でも有名な歌に 人麻呂さんの

「東野炎 立所見而 反見為者 月西渡」

という歌があります。
軽皇子(かるのみこ 後の文武天皇)が奈良・大宇陀の阿騎野
で狩をしたときに人麻呂さんが詠んだ歌です。
かぎろい、というのは、かげろうのこと
なんかではないのです。
(ここを間違えるととんでもない解釈になります。)
厳冬のよく晴れた日、まだ朝日が昇ってくる前、東の空が
明るくなってきた状態のことです。
この時刻、軽皇子は狩をして野宿をしたのです。
変だと思いませんか?
こんな季節に、しかも明方前に狩をするなんて。


これは儀式でした。
軽皇子の父の草壁皇子がかつてそうしたように
軽皇子もその追体験をしたのです。
そうして、冬至を経て、次の日。
昼の時間が再び長くなりはじめることを
「復活」と捉えたのです。再び蘇ってきた
太陽の力を軽皇子は自分の体内に入れる、それは
この国を治める力を皇子の身体の中にいれる
儀式でもありました。
前にもお話しましたけれども、この当時の人は
「たましい」ということを盛んに言いました。
たましいが身体の中に収まっている状態が
生きている、ということで、たましいが身体から
離れることが死、であったわけです。
そうしてたましいは幾つもに分化することも可能と
考えられていました。
よく古墳の発掘から勾玉とか筒玉、管玉ともいいますが
そんなものが、ネックレスのようにじゃらじゃらと出てきます。
実は、このじゃらじゃら、に意味があったのです。
つまり玉の中ひとつひとつにたましいが宿っていたと。
そうするとネックレスはたましいの集合体、と考えられるわけです。
さっきたましいは分化できるといいました。この玉ひとつひとつに
たましいが宿っている、と考えたらどうですか?
たましいがすんごく多いでしょ。 そう、だから
たましいの動きが盛ん、と考えたわけです。
たましいの動きが盛ん、ということこそ、健康で長生き、
ということです。そういう呪術的な副葬品として
だから古墳の中から玉がじゃらじゃらと
たくさん出てくるのです。
この変な季節はずれにする狩は、太陽の一番弱まった時期から
再び盛んになる時期への狩でした。
そこに死から再生、への意味がありました。
つまりは軽皇子が幼年時代に別れを告げて
将来は天皇になるべき人として、その統治の力を
身につけるための呪術の意味を持った儀式が
この変な季節はずれの
時期の狩の意味だったわけです。

冬至を経て再び昼の時間が長くなること。
それを古代の人は死から再生、と捉えたのでした。

クリスマスだってその原始形はこうした死から再生の儀式が
次第に形を作って今のようになったとも言われていますし。
日本でもこの時期「霜月祭り」という儀式があちこちで
行われていました。以前の日本は農村社会であったわけで
農作物を作るうえで太陽の存在は必要不可欠でした。


冬至は単に日中の時間が一番短くなる、という
だけではありません。冬至は古代の人々の
信仰とか儀礼に結びついた大きな意味のある
日でもありました。

最初にかぼちゃを食べたのはやっぱり小学校の給食
だったかなぁ。 黄色いイモのような野菜が出てきて、、
おそるおそる食べたの覚えています。

以前はかぼちゃなんて、「別に。」っていう感じで
嫌いでも好きでもなかったのですが、
なかったのですが、一体いつごろからかは
わかんないんですが、気がついたらかぼちゃを
買ってまで食べるようになっていました。


かぼちゃだけ煮る、何かとあわせて煮る、
あとはてんぷらにしたり、味噌汁の具にしたり
洋風だったらポタージュとかサラダとかパイでも
いいですよね。


考えたら、別に冬至でなくても結構食べてます。
かぼちゃ、好きになりましたもん。
やっぱり歳とともに嗜好が変わったなぁ、って感じます。
10代のころなんて、かぼちゃ、見向きも
しなかったんですけどね。

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Comments

クリスマスはもともとミトラ教の冬至のお祭りだそうです。布教していく間に、庶民の楽しみでもあるお祭りをなくさずに、別の形にして取り入れたものだとシスターがおっしゃってました。
かぼちゃは男性にはあまり人気がありませんよね。ビタミンが不足する冬に緑黄色野菜を食べようという、経験からの知恵で冬至にかぼちゃなんでしょうね。私も娘たちも娘が飼っているトカゲ(6才オス、体長約40センチ、見かけだけは恐そうで全く無害)も大好きです。夫のみ食卓に上ると嫌そうな顔をします。

Posted by: アリクイ | 10. 12. 22 at 오전 1:05

---アリクイさん
そうなんですか。仏教も日本に入ってきてずいぶんと神道を取り入れた部分がありますけど、キリスト教もやはりそういう部分もあるということですね。「芋たこなんきん」は女性の好物、ということになっているようですが(笑)謙介も気がついたら好きになっていました。かぼちゃも芋もなんとなく食べるとちょっと重い感じがするから男性にあまり好まれないのですかね。うちは、結構かぼちゃのサラダとか、ミキサーでポタージュにしてみたり、煮物、てんぷら、と、よくたべるんですけど。おいしいですよね。でも、たまにハズレのかぼちゃがあって、ぼけたみたいな味のものにあたると、ちょっとなぁ、とは思います。

Posted by: 謙介 | 10. 12. 22 at 오전 11:06

>謙介さん
 ああ><まさにぼけた南瓜にあたった
yokoです・・・
 お隣韓国で白玉の入ったパチ゛ュッを食べたことあるのですが、てっきり日本のお汁粉のようなものを連想していた
私は、ええっ?これなんなんって思って
しまいました。なぜか、キムチも添えられたりしていて。。。

Posted by: yoko | 10. 12. 23 at 오후 9:37

---yokoさん
俺ね、思うんですけど、韓国のかぼちゃって、まだ全然熟していなくて、実に青い、というのか緑色の部分が残っているくらいの時にさっさと収穫してしまうみたいです。どうしてそれに気がついたか、と、言うと、下宿でアジュマが今日は「ジョンよ。」って、分かりやすく言えば、かぼちゃとかズッキーニとかネギのピカタを作ってくれたのですが、かぼちゃ、まだ全然熟してなくて、黄色い部分がまだレモン色、程度だったんです。日本なら黄色というのかもっと赤みのかかった黄色、というのが普通じゃないですか。それから言ったら、まだ全然青いような実を切って使っていました。yokoさんが召し上がられたのはかぼちゃのお粥だったのですね。だからキムチがついてきた、ということですね。同じパターンで、小豆のお粥、とか、松の実のお粥とか、ちょっと豪勢にあわびのお粥、とかありますよね。韓国の日常的なご飯、ということで言えば、朝はお粥の家がまだまだ結構多いように思います。

Posted by: 謙介 | 10. 12. 23 at 오후 9:52

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