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10. 09. 01

昔こっぽし

土曜の朝は、いつもNHKのゲゲゲの女○を見ています。
平日の朝8時は、もう出勤していて仕事をしている時間なので、
見ることができるのは週末だけなんですけどね。
あのドラマ見ていて、言葉が本当に懐かしくて、その言葉だけ聞いて
いても、謙介はうれしい気持ちになります。

というのが、学部生のときに謙介さん、伝承文学研究会
というのに入っていました。
分かりやすく言えば、各地の昔話を調査して、
この地域には、こういう昔話が残っている、という
他地域との比較研究をする会でした。

俺がいたときに調査に行っていたのが、鳥取県の溝口町
というところでした。
今は隣の岸本町と合併して伯耆町となっています。
そこは大山(だいせん)の西のふもとで
ちょうど岡山から米子に通じる伯備線の線路沿いの
町です。

というのが、何で溝口町になったか、といえば、
昔話が残っている場所というのが、
山から下りて平野になった場所、というところが
一番残っている確率が高いのです。
溝口は中国山地から降りてきた場所です。
さらに、日本全国いろいろと調査が進んでいて
その当時、残っていたのがこの鳥取の溝口の
辺だった、ということでもありました。

それでね、その溝口町は
溝口から電車で10分で米子。
米子からさらにちょっと北に行ったら境港。
米子から西にちょっと行ったら安来。

つまりはゲゲゲの女○のドラマの中で使われている方言と
同じ方言の地域だったわけです。

だからあのドラマの中のせりふで出てくる
「ごしなはい。」(なさってください)とか、
「そげですね。」(そうですね。)なんて聞いていたら、
本当にああ懐かしいなぁ、って思うんですよ。


昔話の調査をするとき、
事前に町の教育委員会から町内の全世帯に
回覧板でお知らせいただいて、事前に調査に行くことを
知らせてはいました。
しかし、そうは言っても、どういうふうに学生が行く
なんていうことは分からなかったと思います。
それでも溝口の町の人々は、いきなり現れた
学生が「昔話を聞かせてください。」といきなり
やってきた学生に、快くいろいろな昔話を語って
くださいました。

大山(だいせん)の西のふもとで
やや標高も高くて、涼しいかと思いきや、
9月になってもまだまだ暑くて、俺たちは
汗をふきながら
溝口の町の家々を回って
昔話を集めてまわったのでした。

こないだ、ゲゲゲの女○を見ていると、
「天からながーいながーいながーいながーい、、、
ふんどしがおりてきて、、」という「長い話」を
していました。
母親が晩、子どもの添い寝をしながら、
子どもが寝付くまで、「天から、ながーい、ながーい、
ながーい、ながーい、ながーい、と延々と引っぱり続ける話です。
そうそう、あの話も聞いた聞いた。
佐治谷(さじだに)のダラズ(おバカ)の話も。

そうして昔話の最後は「昔、こっぽし。」で
終わるのです。

あの頃、昔話を聞いてまわったおじいさん、おばあさん、
おそらく今、生きていらっしゃる人は
もうおいでにならない、と思います。
あの当時すでに70歳とか80歳でしたから、、。
死亡届が出ていなかったら別ですけど。

だけど、あの時のお声とか、そのお話は
今も自分の中にしっかりと残っています。
ドラマでの登場人物の会話を聞いていると、
調査に行った時のことがあれこれと思い出されてくるのです。
あの時、お会いしたおじいさん、おばあさん、
今も自分の中では健在です。

東京には地方から出てきた人がたくさんいます。
いや、そういう地方からの出身者で成り立っている街
と言ったほうがいいかもしれません。
大体が日本の標準語からして、
元は、江戸の言葉の上に、山口の方言(なんたって明治維新の
長州閥の力です。)と京都のお公家の言葉が混ぜ合わさって
できた合成語ですし。
いろいろな地方の人の上に成り立っている、という街だと思います。

パッと見には東京の人間、っていう顔をしていますが、
でも言葉とか食べ物とか考え方とか
やはり見える見えないの違いはあるかもしれませんが、
それぞれの自分の故郷のシッポをどこかに
引きずっているのでしょう。
こないだは時代背景の共感、ということを言いました。
また、それとは別に「自分のシッポ」とでも言うんですかね。
そんなものをあの街に住む人はどこかに隠し持っている、と。

ドラマの方言は雲伯(うんぱく 出雲と伯耆)方言ですが
あのドラマを見ながら、どこかそんなふうに地方から出てきて
何とかがんばってここに至った、っていう自分の人生を重ねている、
という人も、多いかもしれない、
そんなことを「そげですね。」の言葉とともに
考えたりもしました。


      ×      ×      ×

Book16


入江センセイが新しい本を出しました、と
送ってきてくださいました。
(後ろの団扇は京都の宮川町の花傳さんところの芸妓さん
小桃ちゃんの団扇です。まだ暑いですから、団扇活躍中です。)
以前お出しになったご本、「ゲイマネーが英国経済を支える?」
の韓国語訳で「ピンコモニ キョンジェハク」
(ピンクマネー経済学)です。
腰巻には「180兆ウォンの経済効果」と書いてあります。

出版社は、スペクトラムブックス、だそうで。
なーにがびつくり、と言って、あなた、装丁が
ハードカバー本でございますよ。
韓国の本って、普通は圧倒的にペーパーバックスばっかり
なんですが、その中での堂々たるハードカバー。
すごい!表紙も韓国人の大好きな「さらんへ」(愛しています)
という感じで、なかなかです。韓国人、この色、この模様、大好きです。
きっとソウルの太平路の教保文庫にも置いてあることでせう。
イリエソンセンニム  テダニ テダニ コマップスムニダ。

ハングルと言えば、今日はああた。
うちの仕事場ではもう誰もが認めるいけめんのOくんから
お昼に電話がかかってきまして。
来週韓国に出張なので、簡単な韓国語を教えて欲しい、
というご要望です。
はいはい、と二つ返事で。
「チョウム ペッケスムニダ。 チョヌン、、 ラゴ ハムニダ。」
え? 謙介、変な韓国語を教えなかったか、って。
チョアヨ(いいわぁ)とか? 
そんなの、するわけが、、ちょっとあるか。(笑)
いやいや、楽しいひとときでございました、と、
日記には書いておこう。


はてさて。明日から謙介は移動の日々その1の開始です。
(その1からその3まであります。明日がその1)
身体が、ねぇ。果たしてどうなるのか。
まぁいろんな乗り物に乗れそうなので、それは
すんごく楽しみなんですが、、。。
それでは今日は最後にやけくそで歌でも歌ってみたいと思います。
らら、ふーくーやー、っと。


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Comments

お、無事に到着したようでなによりです。韓国での出版は結構前にきていた話で、そのあと、なにも音沙汰がなかったので企画がボツったのかなと思っていたのですが無事発売になったようで見本誌が送られてきました。韓国語に翻訳なんて滅多にないことなので、これは謙介さんに贈呈せねば、と、担当氏にお願いしておいたのでした。
しかし、そうですか。ハードカバーは韓国では珍しいんですか。しかし、実を申せば、もう二十数冊も出しておきながら日本でも、こんだけ立派なハードカバー本はまだ出せておりません。いったいどういう人が買うんでしょうね。ただ、少なくとも日本よりはLGBT(の市場)というものに韓国がストレートな視線を注いでいるのは確かな気がします。
本当は、出版前にゲラを謙介さんに読んでもらいたかったんですが、そのへんは無視されちゃいました。あちらからのコンタクトはまったくなかったです。手を加えたい部分もあったんですけどね。ご一読されて、おかしな部分があったらご教唆ください。向こうの出版社に送っておきたいので。

日本は百年以上振りの暑さだったようですが、お体調はいかがですか? ロンドンはもはや最低気温が一桁です。

Posted by: athico | 10. 09. 02 at 오후 10:09

---athicoさん
今、お礼状を書こうとしていたのに、なんだか順序が逆になってしまって申し訳ありません。
韓国の本はほとんどがペーパーバックです。村上春樹の本も全部ペーパーバックです。ハードカバーの本を探すほうが難しい、かもしれません。それと製本そのものもびっくりするくらい良くなっています。
以前は文学全集なんかがさすがにハードカバーでしたが、なんだかひどいなぁ、という装丁だったのですが、今では本当によくなって、そういう意味でも驚きました。
そうですか、さすがに一言もはさまさないんですね。詳しく今から見せていただきます。さっき広島から戻って、明日は京都日帰りです。広島の昨日の気温が36度で、昨日は昼間戸外を歩いたのですが、ほんとにふらふらになりました。まだしばらくこの暑さが続くそうです。明日の京都も暑そうです。もうあかんときはあかんということにして、なんとかやっていこうと思います。またお手紙書きます。ありがとうございました。

Posted by: 謙介 | 10. 09. 03 at 오후 7:00

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