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10. 04. 22

えっとぶり(その4)

徳島というところは女性の社長さんの人数が
非常に多いのだそうです。

それは謙介、実感としても分かります。
徳島に行って、実際にいろいろなお店に
入ったりしても、その店の店長とか、責任者で
女性がバリバリ仕事をしている、
というところに出くわすことが多いんです。

以前に勤務していた仕事場で、30人ばかりの人と
一緒に徳島に日帰り旅行したことがあったのですが
そのコースの途中で阿波十郎兵衛屋敷に行きました。

浄瑠璃の傾城阿波鳴門の登場人物
阿波十郎兵衛の由来の屋敷です。
ここは一日に何度か実際に人形浄瑠璃の
実演があります。

学校で歌舞伎もべんきょうしたんだから、お浄瑠璃の
説明だってできるでしょ、ということで、俺がここの
案内を担当することになってしまいました。
(いや、正直言って、この十郎兵衛屋敷、それまでに
もう5回くらい来ていたので、まぁほいほいと説明はできた、、、ん
ですが。今回行かなかったのは、もう何度も行っているので
もうええわ、ということです。)

そうしたら、何を思ったのか、その案内ぶりを見ていた
門前のお土産もの屋のおばちゃん、
俺を旅行会社の添乗員、と思ったみたいなんですよ。
「にいちゃん、大変やねぇ。」 と言われて「はぁ、
まぁ仕事ですし、、。」 と言ったら、
「がんばってね。また、うちにぎょうさんお客さん連れてきてなー。」
って言われて、阿波藍で作った名刺ケースをいただいて
しまいました。

もうねぇ、みんな好き好きにいろんなことを
質問するし、自分の気持ちの赴くままに
あっちこっち行こうとするし、、
案内も大変だったのですが、、
そういう状態をみて、あ、こいつ新人の
添乗員だと、思ってくれたのでしょう。
たぶん、この人が店の経営者でもあるのだと
思いました。だって、そうでなかったら、
店の売り物、さっと渡すなんてしないでしょ?

そうしてまた、お客さんを連れてきて、っていうので
さっと店の小さな品を渡してくれた、と
そういう細かい心配りって、さすがだなぁと
思いました。


今、書きましたが徳島では人形浄瑠璃が盛んです。
秋になると県下のあっちこっちで人形浄瑠璃の公演が
あります。


Tokushima3
Tokushima2


ただねぇ、なんともいい難いのが
そのほとんどの演目が傾城阿波鳴門、なんですよ。
確かに「じゅんれーにーにごほーしゃー」(ここは子どものせりふなので
できるかぎり、棒読みが望ましい。)
って語られたら、悲しい気持ちには
なるんですが、、、まぁそれが、こっちでも、そっちでも、
と、「じゅんれいにごほうしゃーーー」を次から次へと
20くらい聞かされてしまうとですね、、、
正直言って「ととさんの名」も「かかさんの名」も、もうええわ、という気に
なってしまうんです。

確かに頑是無い子が巡礼になって旅をしながら、実の両親を
探す、という話は、本当に胸を打つ話です。
でもねぇ、「どうだ、悲しいだろう。泣けよ泣けよ。」
っていう感じで出されると、、、。
ちょっと拒否したくなるんです。あまりに食傷気味で。
もうちょっと違うのして欲しいなぁ、、とか。
お浄瑠璃の演目なんてホントたーくさんあるのですから。


徳島の女性と言うと、忘れられないことがあります。
前に徳島の古本屋でこんなことがありました。
ある市内の古本屋に行ったんです。
店の戸をがらがらっとあけて入ったときに先客は誰も
いませんでした。
奥にはおばちゃんが座っています。
「こんにちは。」とご挨拶をして見せていただきます。
店のおばちゃんも「どうぞ見ていってくださいねー。」
とにこやかに言ってくれました。

書架を見ていたら結構いい本がありました。
最近はブックオ○なんていう、
ただ単に新しくてきれいな本だったら取引オッケー
という「頭を使わない古本屋」があちこちにできてしまっています、が、
ここは違いました。
店主がポリシーを持ってこの本を仕入れてきた、というのが
書架の本の背表紙から濃厚に読み取れる古本屋でした。
あ、これは欲しい、という本が何冊もあって、
お財布とどうしよう、と相談しないといけないような
ことになった、その時です。
店に若い20代の男の人が入ってきました。
ちょっとやんきーが入ってるかなぁ、というふうな。

しばらくして。
おばちゃんのでかい声が響き渡りました。
「ちょっと、あんた。ここはあんたみたいな人間の来るところで
ないんよ。さっさとお帰り! 」
さっき俺が「こんにちは」と言ったときに「ゆっくり見ていってな。」と
言ってくれましたから、どうも俺に向かってその「帰れ! 」
は発せられたものではない、と、判断しました。
「帰れ! 」おばちゃんはまた言いました。
三度目に帰れ! と言ったときに、そのやんきーっぽい
客はとうとう退散しました。

それだけだって十分すごいのですが
おばちゃん、帳場から立ち上がると、店の中をささっと歩いて
外に出て、その帰りがかったにいちゃんに
「もう二度とくるなぁぁぁ! あんたなんかの来るところでや
ないんや!! わかったかぁ」
とダメ押ししたではありませんか。
こわ~~。
にいちゃんもおばさんのあまりの剣幕に何も言ってない様子です。

おばちゃん、息をふんふんさせて戻ってきました。

「この本をあきらめて、こっちを買って、、。」
ということでこちらも大体の算段をつけたところで、
本を持って帳場に。
「いい本が揃ってますね。」
と俺が言ったら、おばちゃん、「わかりますぅ? 」
とにっこり。「ここまで来るのに30年かかったですよ。」とおばちゃんは
おっしゃいました。
俺が徳島は「熱い」と言ったのはこういうことがあったからでした。
熱いぞ徳島。


徳島の女性、と言うと誰を思い出すか、という
話を前にしていて、俺が「やっぱり瀬戸内寂○さん」と
言うと、徳島の石井町出身のE氏は露骨に嫌な顔を
しました。その後何人かの徳島出身の方に
聞いても、やはり同じ反応です。
はっきり、「やっぱりあの人の取った行動は
許せない。今は僧籍になってあんなこと言ってるけれども
ちょっとなぁ、、。」とはっきり言う人もいました。

やっぱり、実の旦那と子どもがありながら
他所の若い男のところに走ったハルミさんを
いまだに徳島の人は許せないということのようです。
なので寂聴さん、地元では、いまだに人気がありません。

でもね。ちょっとした心遣いとか
自分のポリシーを押し通すために
熱血! を発揮した、この本屋のおばちゃんのような
徳島の女性を見ていたら、
ハルミさんがかつて夫子を捨てて
別の男のところに走ったことも
こういう徳島の女性の中に流れる熱い血が
そうさせたのかもしれないなぁ、と
謙介はふとそう思ったりしたのでした。


会議、この日は分科会でした。
この分科会のメンバーは、ほとんどが
顔なじみの人ばかりなのと、お互いのことを
よく知っていて、仲間意識も強いので
そう会議が荒れる、ということはありませんでした。
誰かが問題を出しても、「わかるわー。
本当にそれは困るよねー。」
という受け方をする人が多くて
(前日は、文句の言い合いになったことも、、)
議題は結構たくさん、それも多岐にわたってあったのですが、
さささっと終わることができました。
昼食も挟んで会議は続き、、午後5時に終わる会議が
3時に終了してしまいました。

外はまた相変わらずの雨です。
眉山は昨日登っていたので、今日はとりあえず
仕事場に渡すおみやを買いにそご○の地下に行き、
お菓子を買いました。
うちの姉も言っているのですが、
「徳島で、人にちゃんとあげられるお菓子は
小男○! 」という意見なので、それに従いました。
(でも実家の街にも、このお菓子屋さんの
支店がありはするんですけどねー。)

Tokushima4


そご○から見た徳島駅です。
ただ、ちょっと説明が要るのですが、
徳島駅舎としての建物は真ん中の
青味がかった黒っぽいガラスのあたりだけです。
左と奥の背の高いビルはJR四国の経営している
クレメント、というホテル。
右は小さなテナントが集まってできた
ショッピングモールです。

下の写真、右側のひょろっとした建物が
以前あった徳島の地場のデパート、つぼみや
の建物です。建物自体は今もあります。
(中のテナントがどんどん変ってる。)
でも、今はなんというお店が入っているのかは、
俺、さっぱりわかりません。

Tubomiya


バスを見たら、ちょうどうまい具合にバスが
あったので、それに乗って無事に帰ることが
できました。
ただまぁ、寒かったー。
というようなことで、長々と
引っ張りましたが、これで阿波の話はおしまいです。

長文読解(笑)いつもどうもありがとうございます。

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Comments

旅行お疲れ様でした(◎´∀`)ノ
徳島市民はみんな阿波踊りが踊れるとはすごいですね。滋賀県民ですが近州音頭は踊れません(;;;´Д`)ゝ
人形浄瑠璃、演目を変えるには人形や衣装の用意、そして何より演者の練習が大変なんでしょうね。
歌舞伎のほうでも、同じ演目の上演多いですね。ハズレが無いと言うことなんでしょうけど、大道具使いまわしとの噂も聞きます。

Posted by: mishima | 10. 04. 23 at 오후 2:08

---mishimaさん
 もうね、運動会の時に、受け持ちの先生から阿波踊り見きわめテスト、というのがあって、それに合格しないと絶対に許されない、ということだそうで、、。もう意地でも踊れるようになるんだそうです。 
 人形浄瑠璃ですが、徳島はそういう伝統があって、傾城阿波鳴門だけしか持ってない、っていうことはないんです。ものすごいお道具持ってるんです。おそらく人形遣いのほうの技術の伝承が、もうそれだけ、になっているんだと思います。もっといろいろなものができる条件はそろっているのですから、他の演目だってやって欲しいんですけどね。歌舞伎もそうですね。もう「ぢいさんばあさん」は飽きましたねぇ。(笑)
 

Posted by: 謙介 | 10. 04. 23 at 오후 6:44

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